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中華料理とワインの組み合わせって……どうなの?

先日友人に旧正月のディナーに招待されたので行ってきました。

旧正月は、香港・台湾はもちろん韓国や北朝鮮、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、モンゴルなどのアジアの国々で祝日になります。

中国からの移民が多いオーストラリアでも、祝日にはならないものの、旧正月を祝うイベントが開催されたり親戚や友達で集まって一緒に食事をしたりします。

「オーストラリアに住む中華系の人たちは、中華正月に家族や友達で集まって食事をすることが多いんだ。お酒を飲むというよりかは、食事をするのがメインだね」と友人の言葉の通り、この日はたくさんの人が集まり丸テーブルを囲んで旧正月のディナーを楽しんでいました。

オーストラリアだけではなく日本の中華料理屋さんもそうなのですが、メニューの豊富さにはいつも圧倒されます。

その日食事をした中華料理屋さんはアルコールのメニューも豊富で、「飲むよりは食事がメイン」と聞いていたのに、何食わぬ顔で全員とシェアするために大量のアルコール飲料を頼みだす幹事。初っ端からエンジン全開です。

これがオーストラリアスタイルなのかと唖然としている中、次々に料理やお酒が運ばれてきました。この後その幹事のお酒のチョイスに衝撃を受けることになります。

「え?中華料理とワイン?」違和感満載の「中華料理」と「ワイン」の組み合わせ。

中国でお祝いの席でよく飲まれているお酒といえば、「白酒(バイチュウ)」。穀物を原料にした蒸留酒で、アルコール度数は50%以上と非常に強いお酒です。白酒以外で想像がつく中華料理のマッチングのお酒といえばビールくらい。

よりによって、ワインとは……。

しかし、ここはオーストラリア。オーストラリアがワイン大国なのは、皆さんご存知の通り。生産量も輸出量も世界の中でトップクラスです。

オーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics)の最新調査によれば、オーストラリアでの全アルコールのうちビールとワインは特に消費量が多いそう。その結果からも分かるように、オーストラリアではワインは馴染みのあるアルコール飲料なのです。

また、実際にシドニーにある日本料理やベトナム料理、タイ料理、韓国料理などでは、種類豊富なワインを選べるお店が多いです。そんな背景から、「オーストラリア人にとってワインは特別なものではなく、生活に自然に溶け込んでいるもの」なのかと推測しました。

気になったのでワイン通の幹事に「オーストラリアではワインが馴染みが深いから中華料理のお供に選んだの?」と聞いてみたところ、どうやら違うよう。

実は中国本土でも経済成長に伴ってより多くの人たちがワインを飲むようになってきていて、中華料理とワインの組み合わせはよくあるそうです。しかも、近年は中国が消費でワイン業界をけん引しているくらい、ワイン業界にとって中国は欠かせない存在なんだとか。

中華料理といえば「チャーハン」「餃子」「麻婆豆腐」といった、物によっては油っこくて胃がもたれる物もあるので、「ワインのお供」になるとは想像もつきませんでしたが、「シーフード料理が多い上海料理や、ローストした鴨肉などのお肉料理にはワインがよくあうのよ」とワイン通の幹事があまりに上手に勧めてくるので、試してみることに。

「赤ワイン」と「ローストの鴨肉」を試したところ、幹事の言葉通り意外とマッチします。これに味をしめて「赤ワイン」と「野菜炒め」も試しましたが、こちらはあまり良い組み合わせではありませんでした。

ワインの消費が多い「中国人」と、ワインの生産量・輸出量共にトップクラスでバラエティ豊かなワインを選べる「オーストラリア」にとって、シドニーの中華料理屋さんで飲むワインは格別なことでしょう。

最終的に「中華料理とワインの組み合わせは料理の種類によってはアリ!」と新たな発見を得て帰路に着くのでした。

 

文:西村 望美

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