最近日本でも流行している「クラフトビール」。観光客にはあまり知られていませんが、実はシドニーはクラフトビール作りの盛んな街なんです！

色や香り、味わいもさまざまで個性豊かなクラフトビールは、ブルワリー（Brewery）と呼ばれる醸造場で作られます。バーやレストランとは一味違ったおしゃれな雰囲気で味わう、キンキンに冷えた鮮やかなビール。シドニーのブルワリーはクラフトビールを楽しむためだけの特別な空間です♪

今回はビールをより味わうための知識とともに、シドニーの知られざる魅力クラフトビールを作るブルワリーを8店ご紹介。 ちょっとディープなシドニーを知りたいなら、ブルワリー巡りなんていかがでしょうか？

目次

いま流行のクラフトビールとは

クラフトビールの定義
これで注文もバッチリ！ クラフトビールの種類

シドニー注目のおしゃれなブルワリー8店

The Grifter Brewing Co.
Wildflower Brewing&Blending
Sauce Brewing Co
Batch Brewing Company
Stockade Brew Co
4 Pines BrewPub
The Brewery Bar at Rocks Brewing Company
Young Henrys Brewery

クラフトビール・ブルワリー・マップ

いま流行のクラフトビールとは

日本でもブームの波が来ているクラフトビール。「でも一体、普通のビールと何が違うの？」そんな疑問に答え、クラフトビールをさらに美味しく味わえる知識を簡単にご紹介します。

「クラフトビール」の意味

まず「クラフトビール」という言葉には、アメリカのビール醸造協会が3つの定義を定めています。

• Small（生産規模が小さいこと）
• Independent （独立していること）
• Traditional（伝統的な原料や製法で作っていること）

この定義が一般的ですが、実際「クラフトビール」という言葉はとても柔軟に使われ、日本やオーストラリアにおいて明確な定義はありません。

オーストラリアのブルワリーへのアンケート(*1)によると、アメリカ式の定義に加えて「クラフトビール」を「技術や素材にこだわった、個性あふれるビール」と認識している人が多いそう。
*1：Brews News「What is ‘craft’ beer」

これで注文もバッチリ！ ビールの種類

次に、ビールを注文するときに迷ってしまうのはやはりその種類の多さ。どれが自分にあった味なのかわからないという人のために、その種類と味の違いを簡単に解説します。

「エール・ビール」と「ラガー・ビール」の違い

最初に押さえておきたいのは「エール」と「ラガー」の違い。ビールはその発酵の仕方によって種類が別れます。

この2種類を軸に、ビールはさらに細かなスタイルに分かれていきます。（ちなみに大手メーカーのものや日本で一般的なのは、ラガー・ビールの中の「ピルスナー」というスタイル。）ぜひ自分の味の好みに合わせて、ビールを選んでみましょう！

「エール・ビール」の種類

サワーエール：酸っぱくて爽やかな味わい
ベルジャンホワイト：ライトな舌触りでなめらか
IPA：パンチのある苦味がクセになる
ペールエール：淡い色と豊かな香り
フルーツビール：フルーティーなデザートビール

「ラガー・ビール」の種類

ピルスナー：ゴクゴク飲める爽やかさとキレ
スタウト：コーヒーのような香ばしさ
シュバルツ：チョコレートのような甘み

シドニー注目のおしゃれなブルワリー8選

今回クラフトビール作りが盛んなシドニーで、選りすぐりのブルワリー8店を集めました。

ブルワリーは「倉庫スタイル」が多く、ビールと同じくこだわりがたっぷり詰まった店内が特徴です。ずらりと並ぶ醸造用の木の樽や、店主こだわりのおしゃれな内装に囲まれながら、美味しいビールを心ゆくまで味わってみてください♪

The Grifter Brewing Co.

ロゴの書かれた白い壁と日差しが差し込むお洒落なお店「The Grifter Brewing Co.」では、クラシックなペールエール・ビールと、種類豊富な珍しい味のビールが人気です。

スイカ味のビール「The Serpent’s Kiss watermelon pilsner」、ココナッツミルクを使ったビール「Voodoo Paradise」、ピンクレモネードでさっぱりした「Pink Galah」の3種類はこの店一押しのテイストで、ビールとは思えない斬新な味が注目です。

通常サイズのグラスに加え、「The Ponny Glass」という小さいグラスで注文すると数種類のビールを飲み比べできて、新しい味にも気軽に挑戦できちゃいます。

Wildflower Brewing&Blending

路地裏に位置し、赤い倉庫の扉が目印の「Wildflower Brewing&Blending」では、その名の通り「Wild Flower（野生の花）」から採ったオリジナル酵母から作られたビールが味わえます。

どれも酸味のあるフルーティーなテイストの「サワー・ビール」というスタイルで、初めて行く人にはオリジナルの「Gold」やラズベリー風味の「Amber」というビールが定番のオススメ。爽やかで酸っぱいビールはここでしか味わえない特別なテイストで、ビールの苦みが苦手な人でも飲みやすい味となっています。

ブルワリー内は、積み上げられた木の樽と壁に飾られたドライフラワーなど、お洒落で落ち着いた雰囲気。営業時間が限られているので、貴重なオープン時間をお見逃しなく♪

Sauce Brewing Co

マスコット・キャラクターの描かれた黄色い壁が印象的な「Sauce Brewing Co」。醸造用の大きなタンクがある店内を抜けると、広々とした中庭につながっており、外で開放的にビールを味わうことができます。

飲みやすいペールエール・ビール「Hop Sauce（ホップ・ソース）」が王道の味で、さらに「Bubble and Squeak（バブル・アンド・スクイーク）」というまるでトロピカルジュースのように濃厚なビールも人気です。

ここの店舗でも飲み比べ用の小さいグラスで注文が可能。一度に4種類のビールを選ぶことができ、味の違いを楽しめるのはもちろんのこと、お値段もちょっとお得になるのでぜひお試しあれ。

Batch Brewing Company

黒を基調にした、オリジナルなロゴがスタイリッシュなアメリカ人の経営するブルワリー「Batch Brewing Company」。ここは常連客も多い、ローカルにも愛されるブルワリーです。

アメリカンスタイルのペール・エールとIPAが定番で、その成熟度合いが二週間ごとに変わり、常に進化し続ける味を楽しめます。さらに、まるでコーヒーのような味わいの黒ビール「Elsie The Milk Stout」や、10キロものピーカンナッツをローストした香ばしいビールなど期間限定のビールも注目。

店前にはフードのトラックが出店し、ハンバーガーやホットドッグなどビールに合う食事を週替わりで提供しています。その週のメニューや開店時間は、BatchのホームページやSNSで紹介されるので事前にチェックすることをオススメします！

Stockade Brew Co

2015年のWorld Beer Awardsでベスト・スタウト賞を受賞するなど、世界一の称号を持つブルワリー「Stockade Brew Co」。

受賞歴のあるスタウト・ビールは、メープルの香りが濃厚な黒ビール「The Mountie Maple Imperial Stout」と微炭酸でなめらかな「Old Money（Stout）」の２種類。さらにハラペーニョとチョコレートがコラボする異色のビール「Roly Smoked Jalapeno Porter」など変わった味もたくさん用意されています。

またテイクアウトの缶ビールはデザインがおしゃれなので、お土産にもぴったり。ビールの他にもワインやジンをベースに作られるスコッチや、店内で食べられるハンバーガーなどの豊富なメニューについつい長居してしまいそうです。

4 Pines Brew Pub

オーストラリアで最も成功しているブルワリーの一つ「4 Pines Brew Pub」。Manly Beachで有名な観光名所にあるこのブルワリーにはバーとレストランが併設されて、フィッシュアンドチップスやビーフパイなどビールと一緒に味わう食事もこだわり抜かれています。

ここでは柑橘系の香りがさわやなエール・ビール「Kolsch」や、クリーミーな苦味と麦の香りがバランス良い「Hefeweizen」といったドイツスタイルのビールが定番です。また、キウイのビールやクリスマス期間限定のビールなど、他のブルワリーにはないテイストも随時更新されるのでお楽しみに。

4 PinesはNSW州内に4店舗あり、昨年バーガーショップを併設したSurry Hills店をオープン。店舗だけでなく、オーストラリア内のビール・フェスティバルへも出店しているので、イベント情報などもぜひチェックしましょう。

The Brewery Bar at Rocks Brewing Company

朝食も提供する珍しいブルワリーは「The Brewery Bar at Rocks Brewing Company」。食事メニューが豊富で家族連れにも優しく、ビジネス街にありながらも開放的な作りとなっています。

芳醇な「The Butcher Porter」という黒ビールは、なんと後味が綿あめとチョコレートのようで女子も飲みやすい味が人気です。

ビールの付け合わせに頼めるオニオンリングには、オリジナルのBBQソース（これは「“Beer-B-Q”」ソースという遊び心！）が付いてきます。さらに人気カフェ「MECCA Coffee Roaster」のコーヒーも提供されていたりと、ビール以外の味も豊富です。

Young Henrys Brewery

ここはNewtownエリアの雰囲気とマッチした、店主こだわりのサブカルさが売りの「Young Henrys Brewery」。

Newtownの名前の付いた「Newtowner」は、飲みやすいオーストラリアン・ペール・エールでこの店の看板メニュー。その他にも、シンプルな「Natural Lager」や、砂糖不使用でりんごとビール酵母だけで作られる「Cloudy Cider」、随時更新される季節限定のIPAビールなどどのメニューもオーストラリア産の食材にこだわって作られています。

またここはロックを愛するブルワリーとしても知られており、オーストラリアのロック・ミュージックが店内BGMとしてかかっていたり、ここを会場にミュージック・ライブが開かれたりとユニークな取り組みが話題を呼んでいます。

音楽に耳を傾けながら、こだわりのクラフトビールを味わう至福の時間を過ごしてみてはいかがですか？

クラフトビール・ブルワリー・マップ

最後に、ブルワリーをまとめた地図をご紹介します♪

特にブルワリーが集中しているのは、Marrickvilleというエリア。歩いて周れる範囲にブルワリーが点在しているので、シドニーで「はしご酒」が楽しめちゃいます。

今回はシドニー注目のクラフトビールとブルワリーを8店ご紹介しました。

本記事で紹介したクラフトビールは、シドニーのレストランやパブでも提供されていることが多いので、銘柄や名前を覚えて味の違いを楽しんでみるのもオススメです。

また各ブルワリーでは、醸造の様子を知れる見学ツアーやテイスティング会なども積極的に行われるので、興味のある人はそちらも合わせてチェックしてみましょう♪

おしゃれなブルワリーの雰囲気と相まったこだわりのクラフトビールで、シドニーの魅力を美味しく楽しく知りましょう！

文/返町萌

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