豪州最大の日本酒イベントと商談会、メルボルンに続きシドニーで...
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40年以上に渡り、日本の定番・人気の食品や雑貨の輸入・卸売・小売を手がける「東京マート」。定期的に試食会や試飲会を開催し、オーストラリア全土に在住する日本人の食生活の充実を図っている。
2019年10月20日(日)には、「上善如水」で有名な白瀧酒造の日本酒試飲会を実施した。会場には海外専用に造られた「上善如水」をはじめ、白瀧酒造が誇るさまざまな日本酒がラインアップ。白瀧酒造株式会社の高橋晋太郎代表取締役社長と、新進気鋭の若き杜氏・松本宣機氏が来場者に各日本酒をふるまい、多数の在豪邦人やローカルの人々が白瀧酒造の日本酒を楽しんだ。
数々の新しい日本酒や斬新なデザインボトル、酒作りで出る米ぬかと酒粕に着目して生み出されたスキンケア商品など新しい取り組みに余念がない白瀧酒造。1855年創業から受け継がれた日本酒作りを継承しつつ、時代のニーズに合わせた日本酒に取り組んでいる。
川端康成著『雪国』の舞台、新潟県湯沢町に拠点を構え、自社敷地内の井戸水から汲み上げた雪解け水を酒の仕込みに使用する。50年ほどかけて地下水となった雪解け水は日本酒に適した軟水で、酒質を決定づける重要な要素。これを生かした酒作りを得意としている。
白瀧酒造の有名商品は「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」。中国の老子の言葉「最上の生き方は水のようである」に合わせて、水のような柔軟さとしなやかさを併せ持つ日本酒だ。
来年発売30年目を迎えるが、その間、時代に合わせて味わいやパッケージデザインを変えてきた。大きく変化したのは10年前、吟醸酒から純米酒を一新したこと。米の風味がさらに生きた純米の「上善如水」は、日本酒初心者から長年の日本酒ファンまで、幅広い層を取り込んでいる。
今回のイベントにラインアップする日本酒は6種類。どれも白瀧酒造が海外の人々に勧めたい商品として選んだものばかりだ。
奥の棚左から「上善如水 純米」「熟成の上善如水 純米吟醸」「上善如水 純米吟醸」「上善如水 スパークリング」「濃醇 魚沼」「白瀧 SEVEN 純米大吟醸」
上善といえばコレと言われる白の「上善如水 純米吟醸」は飲み口が軽くて、香りがフルーティー。日本国内では若者や女性に好まれている。その兄弟酒とも言える海外専用に作られたのがブルーの「上善如水 純米」。白よりアルコール度数が高めで辛口。ひと口目にパンチのあるインパクトを感じることができる。
ピンクの「熟成の上善如水 純米吟醸」は2年間熟成させた逸品。香りは控えめだが、酒の味わいに深みがある。洒落たデザインで人目をひくのは「上善如水 スパークリング」。ボトリングするときに二酸化炭素を注入するため、日本酒の風味がきちんと残され、少々甘めなテイストが特徴だ。
濃い米の味を楽しんでもらいたいと紹介するのが「濃醇 魚沼」。米の磨き部分が少ないため米の旨みがしっかり残る。常温でも、お燗としても楽しめる万能酒だ。そして、「白瀧 SEVEN 純米大吟醸」は、精米歩合25%の雑味のない美しい日本酒。華やかな香りが印象深く、後味がサッと切れるスッキリ感の高い日本酒。
会場には日本酒好きから日本酒ビギナーまで、さまざまな人が足を運んだ。日本酒を試飲しながら、社長や杜氏の話を熱心に聞き、質問したりメモを取ったりなど、納得したうえで購入を決める人が多く見られた。
試飲会に社長や杜氏が来ることは珍しいと言われるが、白瀧酒造は両者が揃って来豪。絶好の機会に恵まれたため、白瀧酒造の取り組みや酒作りについてインタビューした。
白瀧酒造株式会社 代表取締役社長 高橋晋太郎氏
まずは高橋社長に「白瀧酒造」の取り組みについて話を聞いた。
会社の顔とも言える「上善如水」は、若い方や女性にたいへん支持していただいています。そのため、彼らのリアリティに合うような取り組みが必要と常に考え、若者や女性が手に取りやすいようなデザインに注力しているのです。
若い世代や女性の中には日本酒を飲んだことがないという方も多く、「12ヶ月の上善如水」など旬の味を楽しめる日本酒を打ち出すことで、「新酒だから飲んでみよう」「月見の時期に合わせた商品があるから買ってみよう」と日本酒に興味を持って味わってもらう人が増えたらいいなと思っています。
スキンケアも同様ですね。「日本酒はちょっと…」と感じる方も、例えばハンドクリームを使うことで、日本酒の魅力に少しでも目を向けてもらえたらと思っているんです。
日本全国で酒蔵は1000社以上あり、どこも素晴らしい日本酒を作っています。そのため、たくさんの方に日本酒を知ってもらい、味わってもらいたいという想いがあるんです。
数々の日本酒に巡り合うためにも、まず日本酒を飲んでみようとする入口がないといけません。それが、「上善如水」や弊社のその他商品であればと考えています。そうしたことから、来年、発売30周年を迎える「上善如水」の味とパッケージデザインを変えていこうと検討しています。
白瀧酒造株式会社 杜氏 松本宣機氏
続いて、松本杜氏に白瀧酒造の日本酒について尋ねた。
日本酒作りは全工程を1人でできるわけではないので、常に蔵人とコミュニケーションを取りながら、同じ方向を見て酒作りをしていくことを心がけています。そこでの意思疎通ができていないと、目指すべき日本酒には行き着かないので、日本酒作りの心構えももちろんですが、まずは蔵人たち、部内の協調性やチームワークの整備に1番気を配っています。
日本酒は各人で好みがあります。ドライな味わいが好きなのか、甘めがいいのかなど自分の嗜好に合った酒を知ることは大事ですね。試飲できるときは試飲して説明を聞いた方が自分に合う酒に巡り会えるでしょう。
もし、今回のラインアップから料理別におすすめするとしたら、ベジタリアンにはあっさりしたタイプがいいかなと思うので、定番の白の「上善如水」ですね。シーフード料理には、青の「上善如水」。これには、料理の味を調和しつつ、切らせる要素も入っていますからね。肉料理がお好きな方は「魚沼」がマッチすると思いますよ。
ちなみに「SEVEN」は、酒単体で飲むことをおすすめめします。また、「上善如水 スパークリング」は日本酒初心者にぜひ飲んでもらいたいですね。
今回の試飲会メンバー(白瀧酒造と東京マートのスタッフ)
ベテランの技能と若い世代の感覚を融合し、日本国内にとどまらず、グローバルに日本酒の認知向上と販売拡張につとめていることがうかがえた。来年30周年の「上善如水」も楽しみだ。
Shop 27, Northbridge Plaza, Northbridge
(02) 9958-6860
月火水金 9am-5pm、木 9am-6pm、土 9am-5:30pm、日 10am-4pm
www.junpacific.com
www.facebook.com/tokyomartsydney
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