満員御礼の会場

日本政府観光局（JNTO）が、旅行会社や航空会社、メディアを対象に、日本の魅力を発信する「Japan Endless Discovery Seminar 2017」を、2月7日（火）にシドニーCBDにあるレストラン「鱒屋」にて開催した。定員を超える参加の申し込みが殺到し、人数制限を設けるほどの盛況ぶりで、当日は80名を超える人たちで大いに賑わった。

巽麻里子氏（JNTOシドニー事務所 所長）

開会に先立ち、巽麻里子氏（JNTOシドニー事務所 所長）が挨拶。日本のどのようなところがオーストラリア人を魅了しているのかを知ることを目的に、JNTOが昨今訪日したオーストラリア人を対象に行なった調査結果を発表した。

●訪日した目的、将来ふたたび訪日する目的のいずれも「日本食を食べること」という回答がもっとも多かった

●アンケートに答えた訪日オーストラリア人の98％が、日本滞在中に日本食を食べることができたことに満足していると回答

●たくさんのオーストラリア人が、さらなる日本食体験を求めている

以上のアンケート結果から、JNTOでは今年のマーケティング戦略として「食」についてのプロモーションをより推進していくことを決定。今回のセミナーのスペシャルゲストとして、日本食への造詣も深く、日本食の魅力をシェアすることに最適な人物である2010年度マスターシェフチャンピオンのアダム・リアウ氏を迎えることができ、大変うれしく思うと喜びを語った。

アダム・リアウ氏（2010年度マスターシェフチャンピオン）

つづいて、前述のスペシャル・ゲスト、アダム・リアウ氏が登壇。まず、「ここ5年、10年の間にオーストラリア人が持つ日本の印象は随分変わった」と話し、それには、ソーシャルメディアなどでたくさんの小さな経験がシェアされることで、さまざまな日本の魅力が発信されていることが大きいとした。また、以前よりも渡航費がぐっと低くなったこと、さらにテーマパークや子供連れで気軽に楽しむことができる飲食店などが充実してきていることもあり、家族で訪れる人たちが多くなってきていることも感じるという。

アダム氏のプレゼンテーションでは、家族との写真など、さまざまな日本滞在時の写真が多用された

そして、アダム氏にとって日本を訪れる最大の理由である「日本食」について。寿司やラーメンは、東京や大阪にはもちろん、その他のエリアにもたくさんのおいしい店があると地方の魅力にも言及。また、多くのオーストラリア人には宿に夕食が含まれていることになじみはないが、アダム氏は夕食を楽しみに温泉宿に泊まっているなど、日本ゆえの楽しみ方を満喫していることにも触れながら、「日本食以外の訪日目的を持っている人たちにも、ぜひさまざまな種類の食べ物を試してみてほしい」と語った。

サリー・マイルス氏（JNTOシドニー事務所 ビジネス・デベロップメント＆マーケティング アシスタントマネージャー）によるプレゼンテーション

その後は、サリー・マイルス氏（JNTOシドニー事務所 ビジネス・デベロップメント＆マーケティング アシスタントマネージャー）より、日本は1年を通してさまざまな楽しみがあること、また「おもてなし」の精神や日本食、地方でのゆるやかな時間の過ごし方や人のあたたかさ、そして便利でスムーズな公共交通機関の使い方や最新ニュースなど、日本を旅行するうえでのポイントが解説された。

プレゼンテーションの後に設けられたネットワーキング

来場者にふるまわれた鱒屋レストランのシェフによる日本食の一部

プレゼンテーションの後には、ネットワーキングの場が設けられ、来場者たちは鱒屋レストランのシェフたちによる日本食を堪能しながら、交流を楽しん だ。会場には、神戸、堺、大阪、東京、高山、沖縄、広島の7自治体、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、日本旅行、プリンスホテル&リゾーツ、ア ゴーラ・ホテル・アライアンスの4企業、そしてJNTOがブースを出展し、来場者たちが絶え間なくブースを訪れ、熱心に各ブースの担当者と話をしていた。

アダム氏が語るように、昨今、オーストラリア人にとっての日本に対する印象は随分と変わり、その幅は広がってきている。多くのオーストラリア人が関心を持っている「日本食」などを通して、さらにたくさんの人たちが日本を訪れ、そしてさらなる日本の魅力の発見につながることを期待したい。

大阪／ユニバーサル・スタジオ・ジャパン　　　　　　神戸／堺

日本旅行　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アゴーラ・ホテル・アライアンス

高山　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沖縄

星野リゾートトマム　　　　　　　　　　　　　　　　広島

東京　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　プリンスホテル&リゾーツ

会の最後にはレストランの食事券などが当たる抽選会も行なわれた

取材・文・撮影：坂本　泉（編集部）