左から、株式会社本家 松浦酒造販売・武内氏、Jun Pacific・藪木氏、阪東食品・関氏、徳島県農林水産部・新居氏
徳島県産の日本酒と、すだち・ゆこうの果汁の試飲会が、3月25日(土)、26日(日)にノースブリッジの東京マートで開催された。試飲会には徳島県から徳島県農林水産部と株式会社本家 松浦酒造販売、阪東食品が駆けつけ、それぞれが自慢の日本酒と果汁を販売。両社ともオーストラリアでの販売は今回が初めてだ。
徳島県で一番歴史ある酒蔵として知られる松浦酒造は、1804年の創業。10年前から海外展開をはじめ、「吟醸しぼりたて生原酒」(上記写真中央)は10ヵ国で年間約3万本を売り上げる人気商品だ。海外への販売が主軸であることから日本国内での流通を押さえているため、オーストラリア在住の日本酒好きにとっては、レアな日本酒を試すチャンスともいえる。
「一度も火入れをしていないので、米麹の香りが残っているのが生酒の特徴。この日本酒は加水していない原酒なので、アルコール度数も高いんですよ。空気に触れると味が変わるので、ワインみたいに変化を楽しめるお酒です」(松浦酒造販売・竹内浩二氏)
他に、ワインのようなボトルが目を引く純米原酒「水ト米」(同写真左から2番目)は、まさに白ワインをイメージした日本酒。「同じ醸造酒でも、ワインが葡萄の質で80%味が決まるのに対し、日本酒は杜氏のテクニックで味が決まる」と竹内氏が話す通り、米の味をしっかりと残した上で香りが立つように工夫がなされており、まさに杜氏のテクニックが光っている。また、トロピカルな甘酸っぱさが楽しめる純米吟醸「鳴門鯛」(同写真右)は、徳島県工業技術センターが開発に取り組み、2000回以上の実験を経て品種改良した清酒酵母「LED夢酵母」を使用しており、日本の日本酒マニアの間で話題の一本だ。
「日本酒の売上は減少していますが、ワインに親しんだ女性が日本酒の個性に気づき、最近では30~40代の女性を中心に日本酒が親しまれています。『オヤジが飲むお酒』というイメージが変わってきていて、ワイングラスで日本酒を飲むことも普及してきています。ワイン好きの女性から日本酒が支持を得ているということは、ワインが人気のオーストラリアでも、大きな可能性があるということ。アルコールはその土地の文化と密接に関わっていますから、日本酒を通じて日本の文化を伝えたいですね」(竹内氏)
阪東食品では、ゆこうとすだちの果汁を販売。熱処理をせず、有機栽培の果実を皮ごと搾った100%果汁であることが最大の特徴で、機械であっても柔らかく搾ることによって、手搾りのおいしさを再現している。海外への商品販売は5年前より開始。熱処理をしていないことからオーストラリアへの輸出は苦労が多かったが、こだわりを貫き通し、今回の販売が実現した。
「ゆこうは日本人にもあまり馴染みがないかもしれませんが、『香りはゆず、味はゆこう、酸味はすだち』と言われていて、料理の味を邪魔せずに酸味がつけられるんです。ゆずとだいだいの交配種で、幻の柑橘とも呼ばれています。オーストラリアには今回が初上陸です!」(阪東食品・関麻里氏)
炭酸で割ったゆこうの試飲は好評で、購入するローカルの人も多く、「手応えありですね」と関氏。一方のすだちは酸味をつけるのに最適で、発酵食品との相性が抜群だ。
「徳島県ではお味噌汁にすだちを入れて飲むんですよ。どちらの果汁も料理にはもちろん、炭酸や水、お酒で割って飲むのもおすすめです。クエン酸が多く含まれているので、疲労を回復し、二日酔いにも効果がありますよ」(関氏)
「今月のスペシャル」として3月を通して行なわれている「徳島県産フェア」の棚のなかでは、「光食品のオーガニック調味料の売れ行きが好調」だそう。徳島県産フェアは3月31日(金)までの開催だが、東京マートでは毎月スペシャルイベントを実施中。今後のイベントも楽しみだ。
★ 東京マート ★
所在地:Shop 27, Northbridge Plaza, Northbridge
営業時間:月火水金 9:00-17:00、木 9:00-18:00、土 9:00-17:30、日 10:00-16:00
電話:(02) 9958-6860
取材・文・撮影:天野夏海(編集部)
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