フィジオセラピスト 奥谷先生
フィジオセラピーというのは医療従事者であって、体のことを西洋医学的に、お医者さんと同じようにならって、薬ではなく、運動やマッサージなどの物理療法を用いて、根本的な改善を目指す治療方法です。
根本的というのは、どうしてそういう症状になったのか、問診でその人のパターンを洗い出して、実際に動いてもらったり、筋肉をチェックしたり関節の可動域をチェックして、何が問題かというのを診断します。診断をしたらそれに基づいて治療をしていくのがフィジオセラピーの方針です。
編集スタッフ
なるほど!どのような治療法があるんですか?
フィジオセラピスト 奥谷先生
問題箇所や原因によって治療方針が異なってくるので、筋トレをしたり、関節を柔らかくするモビライゼーションを施したりと、患者さまに合わせた治療オプションを提供します。
治療を受けるか受けないかを最終的に判断するのは患者さまなので、フィジオセラピストは、科学的見地から、それぞれの患者さまに合わせた解決するオプションをできるだけ多く提供します。
編集スタッフ
筋トレが不得意な患者さまにはどういう提案をされているのでしょうか?
フィジオセラピスト 奥谷先生
ちゃんと事実をみて自分の状況を把握していただき、一番の近道であるオプションを提供しています。患者さまによって、その方法を実行するのが難しい場合は、中間でやってみましょうと出来るだけ多くのオプションを提供するようにしています。全ての情報を開示して、今の状況を説明したうえでオプションを提供するようにしています。
編集スタッフ
なるほど!患者さまが自発的にしないと意味がないんですね。
フィジオセラピスト 奥谷先生
リハビリは患者さまが自らしないといけないものが多いので、きちんと説明をして納得してもらうことが重要です。自主トレや姿勢の意識、体の使い方を考えて実践することが自分の解決法になります。
一旦理解して実行すると、それがその人のスキルになる。患者さまの状況にもよりますが、こちらのポリシーは根本的な治療で、その場しのぎの治療はできるだけしないようにしています。
以前もJAMSスタッフが奥谷先生にお世話になり、体の不調を改善しました。
過去の記事はこちら!
フィジオセラピー=肩こりや頭痛、顎の治療とイメージを持たれている方もいると思います。実務範囲では、痛みを取る作業から、スポーツのパフォーマンス向上までさまざまな用途でフィジオセラピーの知識が使われています。
自身も昔サッカーをプレーしていたという奥谷先生。だからこそ、日々の入念に怪我を予防することがどれだけ大切かということを、自分の中にある経験から患者さまに伝えているのだとか。
オーストラリアはスポーツが盛んで、フィジオとスポーツの関わりが強いそう。プロのチームから地元のアマチュアのチームまでフィジオセラピストが携わっており、日本だと「アスレチックトレーナー」がやっているところまでフィジロセラピストが担当するのだとか。
今回、フィジオセラピーの体験をするのは、JAMS営業部の和田くん。昔からサッカーをしているので、普段運動をしない人よりは体が丈夫そうですが……。
お尻の筋肉である臀筋(でんきん)は、大臀筋(だいでんきん)、中臀筋(ちゅうでんきん)、小臀筋(しょうでんきん)の3つの筋肉から構成されています。ランニングの時に使うのは、大臀筋と中臀筋です。
大臀筋は前へ進む働きを、中臀筋は体幹を安定させる働きを担っています。この2つの筋肉をしっかり使いこなすことにより、パフォーマンスの向上や怪我の防止が期待できます。
また臀部と同じく、ハムストリングスと呼ばれる太ももの裏側に位置する筋肉も怪我に密接に関係する筋肉です。ハムストリングの柔軟性が不足していると、肉離れなどの怪我もしやすくなります。
これらの筋肉を、数種類のトレーニングを組み合わせて、日々満遍なく筋トレで強化することで、バランスがよくなり怪我を防止、また怪我をしても治りが早くなります。
JAMS営業部 和田
スポーツをするのが好きで、特にサッカーは頻繁にプレーします。でも、股関節周りが固いので、サッカーをすると股関節が痛むことが多いです。日本にいる時は週に4~5回はサッカーをしていましたが、シドニーに来てからは少し頻度が落ちました。
フィジオセラピスト 奥谷先生
怪我や肉離れをおこしたことはありますか?
JAMS営業部 和田
股関節を怪我しました。長いときは3カ月ほどスポーツができなかったです。この部分の肉離れは2~3回しました。肉離れをおこすのはいつも右足と決まっています。初めて肉離れをおこしたのは6年前で、リハビリで一度は治ったのですが、同じ年にまた再発しました。
その後は、肉離れになりそうと気づけるようになったので、起きそうなときは運動を止めるようにして、肉離れをおこさないようにできました。
フィジオセラピスト 奥谷先生
できれば習慣を変えていかないといけません。なにかスポーツをしたら1~2日あけて筋トレをして、ハムストリングのキャパを増やす必要があります。ハムストリング自体に負荷をかけて、実際の筋肉を強くする必要があります。
肉離れというのはちぎれる作用なので、ちぎれないように筋肉をしなやかに強くする必要があります。その他でハムストリングを怪我する理由は、お尻の弱さにあります。これは診察をしてチェックをする必要があります。
右足で立って腰に手をあて、膝を前に出すようにして曲げる。上半身はまっすぐのままお辞儀をせず、膝を曲げるのが正しい姿勢。
写真を見ると前屈しているのがわかりますね。正しくお尻の筋肉を使えていないとこのような姿勢になっていまいます。さらに、膝が内側に入ると、股関節を圧迫します。前屈しているので、さらに圧迫している状態になっています。
いくつかトレーニングを試して、自分に合う方法を見つけていきます。
壁につけるのは、手の小指と足の小指のみで、片足で立つ姿勢をするだけで、筋肉が使われます。複雑なポーズをしている訳ではないので、見ている側にはその辛さは分からないのですが、この顔がキープすることの辛さを物語っています。
これを両サイド繰り返します。この姿勢はなかなかきつそうですね……。
キュッとお尻に力をいれるのがポイント!簡単そうで意外と難しいです。
トレーニング前は軸がしっかりしておらずよろけていたのに対し、トレーニング後はまっすぐ正しい姿勢に近づいていることが分かります。このトレーニングを繰り返して実践することで、おしりの筋肉が太くなり、あまり考えなくても正しい姿勢ができるようになるそう。
プロのサッカー選手や日本代表のラグビーの選手など、トップレベルのアスリートでも、正しい姿勢で保てない人が多いよう。この正しい姿勢ができないと、怪我をする確率が高くなります。
肝心なのは「自発的に」日々続けてトレーニングすること。意識して継続することで、筋肉が鍛えられ、怪我を予防することができます。
フィジオセラピストの奥谷先生いわく、たった数分の施術で結果の出る奇跡の治療や魔法のトレーニングは存在せず、大切なのは自分で続ける意思を持つことと、日々の積み重ねだそう。自ら体を動かして、正しく筋肉を使う必要があるので、自発的に自分の体と向き合う必要があります。
一度正しいトレーニング方法を習慣化させると、怪我を予防できるだけではなく、本来兼ね備えている筋肉の機能を全面に使えるようになるので、スムーズな動きを可能にし、スポーツのパフォーマンス向上にも繋がります。
今回ご紹介したトレーニング法は、和田くんのために処方されたものです。効果的なトレーニングや、痛みを和らげる方法は人それぞれ異なります。体の不調や怪我の悩みがある方は、経験豊富なフィジオセラピスト奥谷先生に改善方法を教わり、スッキリとした状態で2019年をスタートしましょう!
メトロフィジオセラピー(Metro Physiotherapy and Injury Clinic)
所在地:Suite 406a, Level 4, 250 Pitt Street, Sydney
担当:奥谷匡弘/APA認定筋骨格系理学療法士
電話:0414 272 440
Email:info@metrophysiotherapy.com.au
WEB:http://metrophysiotherapy.com.au
営業時間:予約制/日祝休
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