日本貿易振興機構(JETRO)は、11月21日(水)にシドニー市内にあるソフィテル・シドニー・ウェントワースにて「日本産かき(柿)の豪州向け初輸出に関するプロ向けセミナー」を、和歌山県庁、JAグループ和歌山と共同で開催した。2018年1月25日(木)に輸出検疫条件が変更されたことから、日本産の柿の輸出が可能となり、これを受けてセミナーを実施する運びとなった。
豪州向け輸出第一号として、和歌山県産の柿を初めて輸出するとあって、セミナーにはレストラン関係者や業界人が集まった。オーストラリア在住の人々に日本産の柿の魅力を伝える同セミナーでは、柿の魅力を伝えるプレゼンテーションと和歌山産の柿を使用した試食が提供された。
今回輸出された和歌山産の柿は約1トンで、11月23日(金)から25日(日)に、シドニーのアジア系のスーパーマーケットの店舗で販売。また、シドニー市内にある東レストラン、鱒屋レストラン、居酒屋ますやにて、和歌山の柿を使ったメニューが提供された。
JETRO和歌山事務所の柴田さんは挨拶で、「和歌山はフルーツ王国で、柿や梅、みかんといろいろな果物があります。その中でも今回輸出をする柿の新しい見方や価値観を今回のイベントで見出してもらえれば」と述べた。
JETROシドニー事務所の中里所長は、「今回の柿の初輸出は、JA和歌山、和歌山県庁、JETRO和歌山事務所、JETRO大阪の本部、シドニー事務所が連携して輸出を促進しています。柿はオーストラリアでも生産されていて、収穫時期が日本と異なるので、輸出がうまくいけば、オーストラリア在住者は年に2回柿を食べられるようになる。和歌山県からの柿の輸出の新規の取り組みによって、更にオーストラリア向けの輸出が加速することを目指している」と期待を込めて語った。
続く和歌山産の柿のプレゼンテーションでは、JA紀北かわかみの木村専務はユーモアを交えて柿の魅力を伝え、「アメリカもそうだが、オーストラリア向けに輸出する柿は、いいものだけを選んで輸出するわけではありません。一人ひとりの産地を確認、指定して、農家の方に協力してもらい栽培するようにしています。オーストラリアで使ってはいけない農薬は一切使っていません」と安全性についても説明。
プレゼンテーション後は、柿を使ったプリンとスムージー、紀ノ川柿と種無し柿のフルーツカットが会場に並んだ。今回の和歌山県産柿の初輸出が、農業の発展に繋がる大きな一歩となるだろう。
文:西村 望美
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