アニメやマンガ、ゲーム、コスプレなどの日本のポップカルチャーが一堂に会する人気イベント「SMASH!(スマッシュ!= Sydney Manga & Anime Show)」がICC シドニー・エキシビション・センターにて、7月13日(土)、14日(日)の2日間にわたって開催されました。
SMASH! は2007年に産声を上げたアニメ・マンガの祭典です。回を重ねるごとに規模も人気も大きくなり、昨年2018年には約22,000人が来場するなど、飛躍的に成長しているイベントです。
会場は主にステージ、有志の出展ブース、ゲームやTCG(トレーディングカードゲーム)などがプレイできる参加型のアクティビティブースに分かれており、さまざまなコスチュームを着たコスプレイヤーたちで終日賑わいを見せていました。
ステージでは、日本から招いた有名声優やアニメ監督によるトークショーを開催。日本の有名人の生の声が聞けるとあって、入場制限が必要なほどの大盛況ぶりでした。
パフォーマンス用のミニステージも設置され、日本のアイドルによるライブパフォーマンスやヴァイオリニストによるアニメソング・コンサートが披露され、会場に響き渡る演奏に多くの観客が魅了されました。
また、アニメやマンガなどのポップカルチャーだけではなく、茶道や書道などの日本の伝統文化の体験コーナーも設置され、多くの参加者で賑わっていました。アニメやマンガをきっかけに日本の文化にも興味を持つ人が多くいることからか観光プロモーションや日本の自治体関連の情報を発信するブースもありました。ポップカルチャーを通じた日本全体に対する関心の高まりがひしひしと感じられるイベントでした。
訪日観光や日本製品のプロモーションを目的に、日本の観光関連団体、コンテンツ産業、大手メーカーがブースを出展、日本の文化や観光地としての日本の多様な魅力をアピールするそれぞれのブースには日本に興味を持つ多くの人たちで賑わっていました。
「このイベントを通して、日本の文化や日本語についてより多くの方に知ってもらいたいです。お話しした人の中にはもうすでに日本のいろんなところに旅行に行っている人も多かったです。日本のどこに行ったことがあるかの他に日本の映画についても話しました。」(ボランティアスタッフ)
「SMASH! に出展している目的は、日本のアニメやマンガ、ビデオゲームが好きな方に日本に旅行に行くのを促進することや、今まで行ったことがない人にも、いつか行きたいと思ってもらうためです。ここに置いているパンフレットはアニメの撮影地のようにいくつかはポップカルチャーに関係している場所もありますが、ほとんどが一般的な日本の観光地ですね。SMASH! には過去に何度も出展していますが、ブースの位置は今年が一番いいです。 向かいにCLAIR、隣にはThe Japan Foundation Sydneyのブースがあって、「チームジャパン」という一体感があってとてもやりやすいです。」(ステファニー・スンさん)
「私たちは普段から日本のPRをさせてもらっています。SMASH! は ポップカルチャーのイベントなので、今回だけはこのために日本の各地方自治体からパンフレットを集めてプロモーションしています。例えば鳥取の『ゲゲゲの鬼太郎』や飛騨古川の『君の名は。』など。旅行を販売しているわけではないので、日本に興味を持ってもらうことが目的ですね。」( 谷本貴則さん)
会場ではたくさんのコスプレイヤーが写真を撮りあったり、ステージ上でのコスプレショーを楽しんだりして日本のポップカルチャーを楽しんでいました。
今回話を聞いた3人はすべて訪日経験があり、一番印象的なデスティネーションとして東京を挙げていました。東京に行く目的としては、日本限定のグッズやゲームの購入、世界最大のアニメ・マンガ関連のイベント「コミックマーケット」への参加など。一方で京都や奈良のような日本の文化を象徴する旅行先も根強い人気を誇っており、多くの人からもっと日本の文化を知りたいという熱い思いも感じました。
「今年で3回目の参加です。今年は昨年に比べてアクティビティも多いですし、お店もあれば学べるところもあり充実していますね。それにゲームのコーナーもあってより楽しくなっていると思います。じつは今年日本に行ってきたんですよ。東京、京都、奈良を観光しました。」
「SMASHには5回ほど参加しています。昨年は参加していないのですが、今年のSMASH!は2年前とは大きく違いますね。今年はもっと文化的なものや、参加型のアクティビティが多く、アート作品も多いという印象です。じつは、東京のコミケにも行ったことがあります。2年前に東京と大阪に行ったのですが、アニメやゲーム関連のグッズを購入するためにまた東京に行きたいです。」
「アニメとマンガが大好きで、今年で3回目の参加になります。ショッピングを目的に友達と2度日本に行ったことがあります。日本の方が同人誌やグッズがたくさん入手できますしね。東京の他に大阪、京都にも足を伸ばしました。」
今や世界中で愛されている日本のアニメやマンガ。日本文化に触れる入口としても重要な役割を果たすSMASH! の成長からもわかるように、日本のポップカルチャーはここオーストラリアでも年々存在感を増しています。
今年も多くのオーストラリア人が訪れたSMASH! 。アニメやマンガが日本の魅力発信に絶大な影響を与えている様子を垣間見ることができました。
取材・文:久持涼子
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