日本貿易振興機構(ジェトロ)は、9月16日(月)シドニー市内「Sofitel Sydney Wentworth」にて「シドニー日本産農林水産物・食品輸出商談会2019」を開催した。
今回の商談会は、農林水産省の戦略的輸出拡大サポート事業の一環として実施され、シドニーでの商談会としては過去最多の22社が出展、水産物・水産加工品、加工食品、調味料などの日本産の農林産物や食品が紹介された。ジェトロによると、オーストラリアの消費者は健康志向が強く、食の流行にも敏感という。小麦を使わないグルテンフリーやオーガニックなど、オーストラリア市場を見据えた商品も多く見られ、オーストラリアの厳しいヨウ素基準値に適合した北海道産昆布、有機の調味料(醤油、味噌、ごまペーストなど)、グルテンフリーのうどんやハンバーグなどが参加者の関心を引いた。
また会場内にはステージが設けられ著名シェフを起用したトークショーも開催された。オーストラリアのグルメガイドで「two hat」(2つ星に相当)に格付けされているイタリア料理レストラン「LuMi Bar & Dining」で副料理長を務める間中弘氏、日本食フュージョン料理の「Cho Cho San」などシドニーのさまざまな人気レストランでシェフを務めた経験のあるNic Wong氏、カフェ・レストラン「Rising Sun Workshop」のオーナー・シェフであるNick Smith氏の3名が、出品者の食材を用いてレシピ考案をし、調理デモを披露、それぞれのシェフが調理したメニューは参加者に振舞われ、参加者は実際に目の前で調理されたメニューを口にしながら、シェフの話に耳を傾けた。
さらに隣接会場では「Wakayama Food Showcase」と題し、和歌山県の特産品も紹介された。和歌山の特産品である柿、南高梅を使った梅酒や、あら川の桃のジュースなど、和歌山ならではの商品が並んだ。梅酒とテキーラをペアリングさせたドリンクや、梅ゼリーを使ったチーズケーキなどが振舞われ、和歌山の「梅」の新たな可能性も感じられた。
「ジェトロ・シドニー事務所所長」高原 正樹氏は今回の商談会について「オーストラリアは、日本からの農林水産品輸出先第10位と、順位的には低く、まだまだ参入できる余地があります。この商談会を通して日本の輸入品を買ってもらい、日本全体で農林水産品の輸出を増やすのが目的です。今回の出展者は、オーストラリア市場で挑戦してみたいという企業さんに手をあげてもらい、市場性なども考えた上で審査をし、決定しました。過去2回の商談会に比べると出展者の数が一番多く、最大規模となっています。また、今回の商談会の特徴は何かというと「昆布」です。昆布は、オーストラリアの厳しいヨウ素基準値に引っかかるため、普通は輸入できないんです。今回出展されている「株式会社丸善納谷商店」さんは特別な措置をして、ヨウ素を減らしてあるので、輸入することができるんです。今後は、オーストラリアで日本の食材を使った料理やレストランが増えることに期待しております」と述べた。
健康志向が強く、和食に関心の高いオーストラリア市場において日本産食材の新たな可能性を伝える場となったことに違いないだろう。
取材・文:濱田 紗衣
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