日本航空のシドニー〜東京線が開通して今年で50周年を迎え、その祝賀式典が9月30日(月)Sydney Opera Houseにて開催されました。式典には政府関係者をはじめ、日系団体関係者や現地日系企業などから約250名が参加しました。
会場入口にJAL職員が整列し、招待客一人一人を歓迎の挨拶とともに出迎えていました。式典の冒頭、まずは取締役専務執行役員路線統括本部長 豊島滝三氏が登壇し、シドニー・東京線の歴史を振り返り、2018年には日豪路線双方の搭乗者数は100万人に達したと感謝の意を表しました。先月JALが獲得したオーストラリア-日本発着枠については就航先を明言しなかったもののシドニーは有力な候補地だとし、さらに多くの人に羽田空港の豊富な国内線ネットワークを利用して地方へ足を運んでもらいたいと今後の展望を語りました。
また式典に先立って行われた共同インタビューでは、日豪新路線について「オーストラリア政府観光局は、日本、中国、東南アジアへの富裕層の送客に力を入れているので、日本へのインバウンドはますます増えていくでしょう。私たちがオーストラリアの地方へ飛ばしていなくても、同じアライアンスのカンタス航空が運航しているので、ネットワークを整えることは十分にできる」とカンタス航空と協力していく姿勢もみせました。
続いてNSW州首相のGladys Berejiklian氏が挨拶に立ち、JALによって国内では約34,000人もの雇用がうまれていることに触れ、人的交流だけでなくオーストラリアの経済発展にも大きく貢献していると言及。今後も両国の関係をさらに強固なものにするために尽くしてほしいと願いを込め、「アリガトウゴザイマス!」と日本語で締めました。
また駐オーストラリア日本国特命全権大使の高橋礼一郎氏は、他の航空会社が路線撤退したなか、JALだけが唯一オーストラリアと日本をつなぎ、シドニー・東京線を50年間守り続けてくれたことに敬意を表し、今後も両国を結び続けてほしいと激励を込めた挨拶でJALにエールを送りました。
その後、シドニー総領事表彰を受賞したこともある「和太鼓りんどう」の迫力あるパフォーマンスで、会場は一気に熱気に包みこまれ、出席者を魅了しました。
会場内ではファーストクラス・ビジネスクラスで提供されている日本酒を味わえるバーカウンターや人気シェフがその場でお寿司を握ってくれる寿司バーが用意されでは、出席者が列をなし、握りたてのお寿司や日本酒に舌鼓を打っていました。
そして一番の盛り上がりをみせたのが客室乗務員によるファッションショー。シドニー・東京線開設当時からの歴代制服とともに来年4月から導入される新制服も披露され、式典に華を添えました。
最後に司会者の「JAL職員へどうぞ暖かい拍手を!」との一声で、出席者からは暖かい声援と盛大な拍手が送られ、式典は幕を下ろしました。そしてJAL職員が最後まで一人一人を丁寧に見送る姿が印象的であったと同時に、JALが掲げる「お客様に最高のサービスを提供する」という企業理念が感じられる祝賀式典でした。
羽田新路線は早ければ11月中旬に発表される模様です。オーストラリアと日本をつなぎ続けるJALの次の就航先に多くの関心が寄せられています。
「JALはオーストラリアと日本をつなぐだけでなく、何十億の経済効果をオーストラリアにもたらしてくれている大切な企業です。この50年、JALが果たした役割は大きく、NSW州を代表して感謝しています。また、災害からの復興支援や社会貢献活動も意欲的に行っており、私たちも見習わないといけません。今後もオーストラリアだけでなく世界中を結び続けてほしいです」
「JALは50年間、両国に人を運びつづけ、交流の礎をつくってくれました。私もJALを利用したことが何度かありますが、いつもそのきめ細かなサービスに感動しています。機内に搭乗した瞬間から日本を感じることができ、それが多くの人を魅了する秘訣だと感じます」
「現地旅行会社のFlight Centreに私たちのパッケージツアーを卸していますが、今後はオーストラリアのお客様に日本の魅力を発信して、たくさんの方に訪れてもらえるよう頑張りたいです。JALさんと共に日本のインバウンドを盛り上げていきたいと考えています」
「日本人は『成田=遠い』『羽田=都心部』と思いがちですが、成田が良いとおっしゃるオーストラリア人のお客様もいます。安い宿が多い上野に泊まられる方も多く、京成スカイライナーを使えば成田から36分で到着します。旅行会社に身を置く立場としては、羽田線がどこに就航するのかがとても楽しみですが、成田の魅力も伝え、より幅広い選択肢をお客様に提供したいです」
「これだけ多くの日本人、オーストラリア人や他の国からの人にサポートいただいていることに非常に感謝をしています。昔のJALはお堅いイメージだったと思いますが、経営破綻後、全員が『お客様と地域社会に感謝する』というマインドに変わり、その意識が浸透しているので、今日のような楽しい場を提供させていただけたのだと思います。私は自分が非常にラッキーな人間だと感じています。2017年に着任してすぐメルボルン線が開設、去年は日豪路線双方で100万人の搭乗者数を達成、本日シドニー線50周年を迎え、次は羽田線就航とハッピーなことばかりがつづいていますので、ここでもうひとつどこか路線拡大をするとかハッピーなままで任期を全うしたいですね」
取材・文:臼井 佑季
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