誰もが否応なしに迎えなければいけない「死」 という重いテーマ。皆さんの中にも、死ぬまでに一度はやっておきたいバケットリストや人生の最期に想いを馳せたエンディングノートを作った方がいるのでは?
「死」を想うことで「生」をどう過ごしていくか。
日常生活において、そうした自分や他人の考え方や思いを得られる機会は多くありません。しかし、最期の時を心穏やかに迎える準備である終活をはじめ、家族の介護、リタイア後の人生、日本とオーストラリア間の財産分与や遺産相続、ナーシングホームやリタイアメントビレッジへの入居など、避けられない「死」やその後についての恐怖や不安も、リラックスした空間で人々と語り合うことで「今」が少し変わるかもしれません。
「死」について考えることは、決して後ろ向きなことではなく「生」について改めて考えることにつながること。今回は、カフェでリラックスしながら「死」を気軽に語り合うカフェイベント「デスカフェ」についてご紹介します。
「デスカフェ」とは、カフェなどで美味しい紅茶やコーヒーを飲みながら、リラックスした雰囲気の中で人が亡くなることや亡くなったことをはじめとした「死」について、自由に語り合えるボランティアベースのイベント。
スイス人社会学者のバーナード・クレッタズが、十数年前の妻の死を契機に「死」についてカジュアルに話す会を開いたことが始まりと言われています。コンセプトは今と変わらずシンプルで、カフェやレストランなどリラックスした雰囲気の中で「死」について語り合おうというもの。さらに彼は、興味を持った人が誰でもホストになれるよう、自らの経験をもとに「デスカフェ」を開催するためのガイドラインを作ってウェブサイト上で公開しました。
「Eat cake, Drink tea and Discuss death」というキャッチコピーから始まるクレッタズのガイドラインには、オープンなカフェで美味しい紅茶やコーヒーを飲んだりしてリラックスしながら語り合うことなど、「デスカフェ」を主催する上でのさまざまなアドバイスやファシリテーションの仕方が詳しく記されています。
宗教や文化によって死生観が異なることもあり、非営利の「デスカフェ」で大切にされていることは主に以下の通り。
そして何より……
欧米ではこれまで、「死」を話題にすることはタブーという価値観が一般的でしたが、そこから離れてより良い人生を送るために「死」について考えようとする人は急激に増えつつあります。日本人の間でも「死」について語ること自体、忌々しいことのようにタブー視されている面がありますが、そんな日本も含めて「デスカフェ」は今や世界29ヵ国で開催されているイベントです。
「デスカフェ」では「死」を、今を生きる人生の延長として、ファシリテーターを中心に参加者同士で気軽に語り合います。何かひとつの堅苦しい結論を出したり、役立つ情報を集めたりするための場ではありません。それまで誰かに話せなかったような「死」への不安や疑問を率直に語り合い、他の参加者の話にも同じように耳を傾けるだけ。
その点が、講習やカウンセリングとまったく異なる「デスカフェ」の特徴なのです。
シドニーでも日本語による「デスカフェ」が定期的に開催されています。CBDのHaymarketにあるスターバックス(ジョージ・ストリートとキャンベル・ストリートの角)にて、毎月第4水曜の午前10時30分から、サイコロジストのやのしおりさんがファシリテーターを務めています。
シドニーの「デスカフェ」の話題はさまざま。毎回10名前後の20代から80代まで幅広い年齢層の在豪法人が、男女問わず参加されています。カフェでは日本語で自由に晩年のことや終活、健康寿命の充実、グリーフなどのテーマについて語り合い、紙とペンを使ったワークショップなどが開かれることも。
参加者の在豪歴もさまざまですが、オーストラリアに住み続ける日本人としての思いが共通するのは、ここシドニーの「デスカフェ」ならではでしょう。
※過去の「デスカフェ」開催記録はこちら
開催日時:2019年11月27日(水)10:30
会場:Starbucks Capitol Square Sydney
住所:Capitol Square, g01/730-742 George Street, Haymarket
参加ご予約:0416-006-835(やのしおり宛にメッセージをお送りください)
入場:無料(カフェの飲食物は各自お支払い)
WEB:https://www.jams.tv/author/jdcafes
Facebook:https://www.facebook.com/deathcafejasyd
12月は開催されないので、今回が年内最後のデスカフェです。
大事な人を亡くした体験、自分が老いていくということ、人が死ぬということ、精神世界・哲学に関わること……普段は話題にしにくいことも気軽に話し合うことができるスペースで、自分や大事な方との人生に向き合ってみませんか?
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