2月23日の天皇誕生日に先立ち、2月11日、シドニー東部Bellevue Hill(ベルビュー・ヒル)にある総領事公邸にて紀谷シドニー総領事夫妻主催の天皇誕生日祝賀レセプションが開催された。NSW州政府関係者をはじめ、日系企業代表者や日系コミュニティ関係者など、250名超える日本にゆかりの深い人々が令和はじめての天皇誕生日を盛大に祝うために駆けつけた。
式典はシドニー日本人国際学校児童生徒の斉唱による両国の国歌で幕を開け、また出席者全員がオーストラリアで発生した山火事の被災者に黙とうをささげた。
冒頭にまず紀谷昌彦総領事が大規模な森林火災に対するお見舞いを述べ、一日も早い復興には観光産業の活性化が重要だとし、山火事被災地域を訪れてほしいと出席者に呼びかけた。また2019年の訪日オーストラリア人数が60万人を超えたことに言及し、今後日本で催される国際大会や日豪間の路線拡充によって、さらに多くの人が日本を訪れることで日本を好きになってもらいたいと語った。そのうえで今年終戦75周年を迎えることにも触れ、オーストラリアと日本の結びつきは両国の信頼と友好関係で成り立っており、これからも変わらず強固な関係を築き、相互に発展してほしいと未来への展望を願った。
つづいて挨拶に立ったグラディス・ベレジクリアンNSW州首相は、天皇陛下の60歳の誕生日へ祝意を表するとともに、2月頭に日本商工会議所・東京商工会議所の経済ミッションがシドニー訪問したことにも触れ、さらなるオーストラリアと日本のビジネス関係強化に向けて取り組んでいきたいと述べた。また、日本から森林火災対応支援として自衛隊C-130輸送機が2機派遣されたことに感謝の意を表し、両国の関係はビジネスだけでなく、強い友情関係でも結ばれていると語り、新天皇陛下のもと、今後も発展しつづける日本とともにNSW州も歩んでいきたいとの願いで結んだ。
会場では今後日本で催される国際レベルのスポーツイベント大会やNSW州の姉妹都市などを紹介するスペースが設けられ、訪日観光プロモーションを実施。また日系企業もPRエリアにて自社製品やサービスを訴求した。日本酒、飛騨牛など地域の名産がふるまわれたほか、シェフがその場でお寿司を握ってくれる寿司バーも用意され、出席者は列はなし、握りたてのお寿司を堪能した。
新天皇のもと新たな時代を歩む日本がこれからもオーストラリアと強い絆で結ばれ、相互に発展することを期待したい。
取材・文:臼井 佑季
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