豪州最大の日本酒イベントと商談会、メルボルンに続きシドニーで...
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トイレットペーパーがここ数週間ほど、シドニーのコールスやウールワースなどのスーパーマーケットの棚からも無くなっています。
他にもティッシュや赤ちゃんのおしめなどの紙製品、お米やパスタ、お水、消毒液、マスクなども買い占められる対象になっているようです。消毒液やマスクは、感染予防に関連しているグッズとしてまだ分かるにしても、なぜトイレットペーパーや紙製品、特定の食品が・・・
この行動、興味深くないですか?また、自分自身も家族や身の回りの人のために行う必要はないのかと考えさせられますね。
論文などはまだあまり見つけられませんが、今回は報道などのリソースから考察してみたいと思います。
コロナウイルスの流行で、トイレットペーパーがなくなる、それに論理的裏付けはなく、いわゆるデマと言われます。それらは中国製品に頼っておらず、国内備蓄量も十分にあるからとのことです。また紙原料がマスクに使われて、トイレットペーパーに回らなくなるのではないかという連想も、現実ではないそうです。
しかし実際に、スーパーの棚からはトイレットペーパー が姿を消しているのです・・・!!それを実際に目にして、私たちはショックを受けています。
70年代のオイルショックの時に日本でトイレットペーパーが買い占められる騒動が起きたことを思い出しませんか?非常時に無くなって困るもの=トイレットペーパー という意識、連想が働いたのでしょうか?そして日本やアジアの国でのトイレットペーパー買い占め騒動がSNSなどで拡散した影響もあるかもしれません。
日常生活に必要な品は色々ありますが、そもそもなんで買い占められるのがトイレットペーパー ??と思いませんか?
トイレットペーパー とは・・・
1 毎日使う消耗品である。備蓄が切れれば、どんどん買ってきて補充する必要のある物。
2 なければどうするの?いつもと違う手段で毎回の排泄を処理しなければならなくなり大変に不便
3 現代人にとっては、動物とはちがう文明的生活の象徴行為であり象徴物である
3の観点から考察している心理学者も。
排泄を現代人らしく処理することができなくなったら、私たちはとてもプライドが傷ついて不安になりませんか?それを極力避けたいという気持ちからもきているのか。
マスクをつけることも、感染防止に役つのは、飛沫を浴びにくくなるくらいのほんの少しかも。空気中のウイルスは入ってくる。むしろ感染してしまった人がそれをまき散らなさない為に有効。本当に必要な医療従事者に行き渡らなくならないように、買い占めは慎むべき、と言われています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200207/k10012277301000.html
「マスクだけでは、予防効果はあまり期待できないけれど、人混みの中など一定の環境では、ある程度の予防に役立つかもしれない。ただ、科学的なエビデンスは存在しない」といったところ。
「症状の無い人は、マスクはしないよりはした方がマシ程度に考えるべき」。今回、取材した専門家の1人のことば
それでもこんなにマスクをしている人が多いのは・・・やっぱり自分が危機に巻き込まれてとても困らないために、心理的に何か防ぐ手立てをしたいのが私たちであるから。
トイレットペーパーだってそうでしょう。上の文章のまま。トラブルに巻き込まれて、とても困りたくないのです。人が免れているのに自分だけ。
トイレットペーパーについては、ほとんどの人がデマだと知っていても、それでも買い占め行動に走っているようです。
デマであっても実際にトイレットペーパーはスーパーの棚から無くなっており、いつ入荷し出すのか不透明であるなら、トイレットペーパー不足に論理的根拠があろうがなかろうが関係ない。デマでもデマでなくても、やっぱりこの事態なら自分の家だけ使い切ってしまって、なくなるのは困るのです。
不安による買い占め行動を鎮静させていくには、大量にトイレットペーパー がある現実を知らせることが一番と、大量に陳列するリテール業者も出てきているとのことです。
https://www.j-cast.com/2020/03/05381403.html?p=all
シドニーでも、早くこうなると良いですね。そうなれば私たちの非常時への不安も少し下がりそうです。
オーストラリアのトイレットペーパー に関する現状については、こう報道されています。
(記事の翻訳)
トイレットペーパーは家庭の必需品だが、人々が大量に買い求める理由は他にもいくつかあるようだ。
第一に、コロナウイルスの発生は、世界のトイレットペーパーの主要な供給国の一つである中国での製造を混乱させた。
そのため、オーストラリアでは供給不足が懸念されているが、専門家によると心配する必要はないという。
市場アナリスト、インダストリー・エッジのマネジング・ディレクター、ティム・ウッズ氏は、パース・ナウ誌に対し、オーストラリアは、トイレットペーパーの40%を中国から輸入し、残りは国内で製造している、と語った。
「棚にあるものに1回限りの品切れがあるかもしれませんが、それは今日も明日も続きますか?それはどうかな。」と、彼は言いました。
「人々は余分なパックを買いに行って、それから彼らの保管棚を見に行って、なんで私は90ロールも持っているのかと言うでしょう。」
オーストラリアの大手トイレットペーパーメーカーも近いうちに品切れになることはないでしょうと、サイトで伝えている。
Kleenexトイレットペーパーを製造しているKimberley-Clarkは、「オーストラリア、ニュージーランド向けのティッシュペーパー 「クリネックス」 は、南オーストラリアの自社工場で製造されており、消費者の需要が高まる中、十分な供給量を確保しています。現在、小売店と協力してスーパーマーケットの棚への商品補充を迅速化しています。」と言った。
ソルベントなどのトイレットペーパーを製造しているソラリス・ペーパーも、「供給不足なし」と予想している。
同氏は、「コロナウイルスの感染が懸念されているため、一部ではパニック買いが出ている。オーストラリアの消費者は、Sorbent Paper社がトイレットペーパー、フェイシャルティシュー、ペーパータオル、ティッシュなどのティシュ製品を小売業者に十分に供給できることを保証すべきである。」と述べた。
「棚から品切れになった製品もあるかもしれませんが、補充が追いつき、Sorbentのオーストラリア生産からの供給が不足することはありません。」
1 非常時に対する不安感が蔓延している
2 非常時危機のために、自分たちも大変なトラブルに巻き込まれるでのではという不安を持っている
3 トラブルに巻き込まれないための防御行動や、不安を払拭できるような行動を何かしておきたい
4 デマであるのは知っていても、それでも他の人の行動で品薄が起こるなら、トラブルを避けるための行動をしたい
5 トイレットペーパーは、現代人らしい生活や尊厳のシンボルで、無くなったら困る消耗品の旗手
6 全体や社会のことを長期的に理性的に考えるよりもまず、自分や自分の家だけでも目の前のトラブルを免れたい
7 大量のトイレットペーパーが家にあってマスクをつけたりすると、非常時への防御や備蓄のシンボルはあると、とりあえず心理的に安心する
まだまだありそうですが・・・。わたしのトイレットペーパー心理考察は続きそうです。
よろしければ、こちらもご覧ください。
コロナウイルス流行による不安を鎮めるために:APSメディアリリース(日本語訳)
https://www.jams.tv/japanese-community/168294
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