資生堂スキンケア研究開発センター・猪股慎二氏に聞く
今回の発表会の後に、改めて資生堂スキンケア研究開発センターの猪股慎二氏へ新製品についてお話を伺った。
最近、アンチエイジング、いわゆる抗老化剤としての機能性化粧品の注目が高まっていると聞いています。今回の新商品は業界初の画期的な技術によるところが大きいようですが、その技術と新商品の特徴、いままでの商品との大きな違いについて簡単にお聞かせください。
猪股氏:「Benefiance Wrinkle Resist24」の中には“ムクロジエキス”というのが入っています。シワになる原因は、紫外線が大きな要因となっているのです。紫外線を浴びると“炎 症性の血管”というのが肌の奥の中で生まれて、そこの周りにある大切な繊維を壊してしまうのです。そうすると肌の弾力性が落ちてシワができてしまう、とい うしくみなのですが、このムクロジエキスはその良くない血管を作る信号を、紫外線を浴びた初期段階で止めてくれる作用があり、シワの形成を未然に抑えてく れるというわけなのです。じつは2003年に発売したベネフィアンスにも、シワができる過程でその作用を抑える成分が入っていたのですが、今回の 「Benefiance Wrinkle Resist24」の一番の特徴は、さらに手前のところでシワになる原因を抑える効果があるというところです。
研究開発を始めるきっかけ、またその過程における苦労されたエピソードなどあればお聞かせください。
猪股氏:まず、なぜ血管ができるのが良くないのか、血管というのは栄養を送るものなのだから
いいものなのではないのか?という意見に対するきちんとした証明(回答)に苦労しました。
そして、血管ができる信号がなぜ肌の奥にまでどんどん伝わっていってしまうのか…
その大きな疑問を解明するために、2万以上もの成分に抑える作用があるのかないのか、ひとつひとつ酵素に与えて調べました。
言葉では一言で終わるのですが、これはやはり大変な仕事でした。
実際に今こうやって新商品として販売されるにあたって、研究者としての率直なご感想をお聞かせください。
猪股氏:もちろん技術としては自信を持ってご提供するのですが、お客様に実際に使っていただいて、
効果を実感して満足できるという声をいただくのが、私どもの一番の希望です。
オーストラリアは特に日差しが強く、日本人の方には来豪当初肌荒れを起こされる方が目立ちます。
スキンケアのポイントや、ここオーストラリアのユーザーの方へ、何かメッセージがあればお聞かせください。
猪股氏:オーストラリアに住んでいる方、これは日本人に限らず皆さん同じなんですけども、ちょっと外に出る時 でも、サンケアの意識を持っていただくことですね。紫外線に対して、きちんと意識して普段からケアすること。これは肌を若々しく維持する上で非常に大切な 基本になります。紫外線のダメージを蓄積しないようにすること。今回のムクロジエキスの入っている化粧品でケアして、長い間使っていただくのがいいと思い ます。「Benefiance Wrinkle Resist24」は40代の年齢層の方にいちばん満足していただける商品だと思うのですけれど、科学的な作用として考えると、紫外線のダメージは肌の中 にどんどんたまっていくものなので、早いうちに使っていただく方がベターですね。
20代、30代の方にも、長く使っていただけたらと思っております。