日本をはじめ世界中のスキーリゾートが出展!
世界中のスキーリゾートや旅行業界関係者などが集結する、毎年恒例のスキー観光の展示会「SNOW TRAVEL EXPO 2013」が、メルボルンとシドニーで開催された。
シドニーでは5月26日(日)、シドニー市内ダーリング・ハーバーのエキシビション・センターを会場に開催された。今年も、オーストラリア国内はもとより、日本をはじめ、アメリカ、カナダ、スイス、ニュージーランド、韓国など世界のスキーリゾートや旅行代理店などが参加、各地のスキーリゾートの特徴や宿泊施設、スキー用具など、スノーレジャーの最新情報を提供していた。
会場では旅行の手配も可能で、早くも来シーズンに向けて予約の問い合わせをしたり、具体的なツアーの照会をする人など、各出展ブースは賑わいを見せていた。また、スキーウェアのファッションショーや各地のスキーリゾートを紹介するスライドショーも行われ、盛況だった。
オーストラリア人スキー客は、日本のスキーリゾートに多く訪れていることで知られるが、今シーズン(2012年12月から2013年3月)は、2011年3月の東日本大震災の影響による落ち込みを大きく回復するほど好調で、全体としてオーストラリア人訪日観光客が震災前以上に回復している。これを受けて、各リゾート地では来シーズンも引き続き、オーストラリア人スキー客の集客を期待している。
会場には、日本から、北海道のニセコ、富良野、ルスツ、トマム、キロロなど、長野・新潟の白馬、志賀高原、妙高、野沢温泉、斑尾など、東北からは安比、蔵王、アルツ磐梯、八甲田などのスキーリゾート地の旅行会社や観光協会、宿泊施設が来豪してブースを構え、着物を始め、侍姿や忍者装束、着ぐるみなど人目を引く姿で趣向を凝らして、パンフレットやキャラクターグッズを配布して売り込みに懸命だった。また日本政府観光局(JNTO)も会場を訪れた多くのオーストラリア人たちに、日本のスキーと日本観光を売り込んでいた。
また、会場では各ブースで観光パンフレット類が多数用意され、訪れるオーストラリア人に渡されていたが、JAMS.TVが発行するオーストラリア人向け英語情報誌「G'Day Japan!」もJNTOのブースで配布され、用意した冊数が全てなくなるほど人気の高さを示していた。
日本政府観光局(JNTO)も出展ブースを構え、日本観光のPRに懸命だった。JNTOシドニー事務所の鍬本浩司所長に聞いた。
今年のシーズンはかなり良かったです。各リゾートによって多少違いはありますが、全体としては、震災前の水準を超えて、さらに上回る過去最高の結果が出ています。円安傾向もありますし、次期シーズンに加速していきたいですし、日本に対する興味をさらにつなげていきたいですね。
この状況を反映してか、今回のエキスポに日本の出展者では初参加のところもありますし、プロモーションする地域も増えています。今後は、オーストラリア人のニーズに合わせたプロモーションで、しっかりとリピータを獲得し、また日本に行きたいと思わせる工夫が必要になりますね。
私ども主催のスキー観光セミナーを翌日27日に行いますが、今シーズンの好調な結果を反映してか、プロモーションしたいという希望が多く、セミナーではかなりプレゼンテーションの数が増えているほどです。
来シーズンに向けて、さらに多くのオーストラリア人の方に日本に行っていただけるよう、JNTOとしても力を入れていきます。
日本の出展ブースも大きな賑わいを見せていたが、日本からの出展者に反響や意気込みを聞いた。
今シーズンは過去最高のオーストラリアからのお客様が、私どもの4つのリゾートにきていただきました。ここ数年、リーマンショックや為替の変動、そして震災の影響があり、一時はかなり集客が落ちてはいましたが、今年は完全に復活してトップの成績を残しましたので、来年はさらに期待できるかと思います。
白馬・志賀高原・野沢温泉・妙高の4つのリゾートそれぞれが、いまでは世界レベルのスキーリゾートになってきています。常に外国人の方にとって不足しているものを補い、日本的な雰囲気を残しながら、欧米の方々に楽しんでもらえるように内容を整えてきていますので、満足度は年々上がってきていると思います。
特にソフト面が大事で、レストランではもう当たり前に英語のメニューが出てきますし、スキー場のスタッフも英語が話せる人が増えてきています。スキースクールも欧米のようにチャイルドケアを充実したりということで、満足度を高めています。
また、日本の中でも歴史や文化を残して、かつスキーリゾート体験ができる場所なんです。地獄谷の野猿公園のお猿さんも当然、一番の人気スポットですが、1500年を誇る善光寺があり、古い町並みの文化体験があり、なかには忍者体験をしたりと、北海道や東北のスキーリゾートとの違いを楽しんでもらいたいですね。
北海道観光振興機構 中森道子さん
北海道のスキーをはじめ、観光プロモーションをしていますが、オーストラリア人はもちろん、東南アジア、韓国などからのスキーツアーの誘客に務めています。
北海道のスキーリゾートは、これまではニセコが先駆的に発展してきましたが、いまではニセコだけに限らず、富良野やルスツ、キロロなどに広がる兆しがあります。そのため、トマム、富良野、カムイ、十勝岳、旭岳、黒岳のスキー場を道北圏のパウダーベルトと呼んでいるのですが、この地域の活性化をはかっています。
特に北海道は、日本で一番誇れるパウダースノーが待っていますので、ぜひ、オーストラリア人の方には来ていただきたいですね。今シーズンはかなり積雪もあり、雪質も良かったので、皆さん喜ばれていました。また、ファミリー向けにさまざまなプロモーションを各スキー場でされていますので、ぜひ、家族連れで来ていただきたいです。
オーストラリア人の方は長期滞在されますから、ロングステイしながら、いろいろなスキー場を回って楽しむということができますし、いろいろな遊び方ができると思います。そのため、スキー場とスキー場をつなぐアクセスも整備されてきていますから、多様な滞在の仕方が可能になりました。
オーストラリアでこんなにすごいスキーのイベントが開催されていることに正直ビックリしました。我々も負けないようにと思います。東北のスキー場はまだまだ情報発信が不足していると思います。雪質など本当に素晴らしいものがあるのに、まだまだ知られていません。このイベントをきっかけにさらに情報発信していきたいと思います。
東北にはオーストラリア人スキー客はまだまだ少ないですね。一番残念なのは、2年前の震災の影響で東北全体に海外からのお客さんが減っていることです。国内の観光旅行では震災前の数字まで戻ってきていますが、海外からのお客様は全体としてまだ4割程度です。まだまだ回復基調になっていません。まずはスキー客をきっかけにして回復してくれればと願っています。
(東京、京都、大阪観光の)ゴールデンルートに比べると、一般の観光ではまだ東北は弱いですね。2回目、3回目のリピーターの皆さんに来ていただくためにもスキーを前面に出して、オーストラリア人をはじめ多くのスキー客に来ていただきたいです。
まずは東北のスキー場や雪質などを知ってもらうということで、各地のスキーイベントでプロモーションに力を入れています。先日は、ロシアのウラジオストクで観光セミナーを行ってきました。加えて、ソフト面でのインフラ整備も進めていきたいと思います。
会場には多くの人々が訪れて、各出展ブースでスキー情報を得ていたが、中には何度も日本のスキー場に行ったという人が多数いた。
「3回行ったわ。次も日本に行くよ」と話すオージー。また、「これまでカナダに行っていたけど、雪が悪いので日本にした。安いし、美味しいし、日本に行って最高!」と話してくれた人も。
趣向を凝らしてプロモーション
エキスポ会場の様子
JAMS.TV Pty Ltdによる日本の祭典「酒フェスティバル(Australian Sake Festival)2024」ならびにBtoB商談会が、7月のメルボ…