2014年3月19日 @在シドニー日本国総領事館
在シドニー日本国総領事館が主催した、邦人安全対策連絡協議会が2014年3月19日(水)、同総領事館にて開催された。この会議は、在留邦人や観光などでシドニーを訪れる邦人の安全対策に関する情報共有と、関係各機関の連携強化を目的としたもので、日本からの観光客を受け入れ、安全対策危機管理に重点を置く企業をはじめ、シドニー日本人会、シドニー日本クラブ、シドニー日本人学校、日本政府関係機関、日系メディアなどが出席した。
特に、今回の会議では、2013年1月16日に発生したアルジェリア人質拘束事件*を教訓とした安全対策についても取り上げられ、活発な意見交換が行われた。
在留邦人及び企業の安全確保に関する政府の取り組みとして、すでに在外邦人等の輸送に関する自衛隊法改正案が2013年11月15日に参院本会議で可決され、従来、航空機と船舶に限られていた輸送手段に陸上輸送が加えられた。また輸送対象者も拡大され、「保護を要する邦人と外国人」だけでなく、被害者らに面会を希望する家族や外務省職員、企業関係者も輸送対象となった。
テロなどの緊急事態に備え、これまでにも増して、官民のネットワークの強化、情報共有、危険情報の発信強化が重要、とのことで合意した。今後は緊急事態発生時の安否確認、危険情報の発信等を強化するため、従来のメールシステムに加え、SMS等による情報発信の導入が計画されている。これらの情報発信や安否の確認の際には在外公館にて提出が勧められている“在留届”の情報がもとになっているため、提出はもちろん、記載内容に変更が生じた際にも速やかに連絡することが望ましい。
また、ニュー・サウス・ウェールズ州の治安情勢については、殺人、強盗、窃盗、性犯罪、暴行、傷害などの17種類の犯罪発生件数が減少または横ばいであるとしながら、薬物に起因した犯罪が多く(シドニー近郊で発生する犯罪の9割が薬物関連)、安全を脅かしていると報告された。また、深夜営業しているパブが多い繁華街では、若者による飲酒に絡んだ暴力事件が多発しているため、特に夜間の外出には十分、注意を払うよう呼びかけた。
【犯罪発生率が高い地域】
キングス・クロス地区
シティー中心部からパラマッタに至る西部
シドニー南西部
※防犯のための注意事項や生活上の心得などが解説されている、在留邦人向け安全マニュアル「シドニー安全の手引き」が在シドニー日本国総領事館のHPで公開されている。
注:アルジェリア人質拘束事件
2013年1月16日の早朝、イスラム系武装集団がアルジェリア東部のイナメナス近郊にある天然ガス精製プラントを襲撃し、日本人を含む外国人や従業員を拘束した事件。この事件では、日本人10人を含む外国人37人、アルジェリア人警備員1人が死亡した。
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