オーストラリアを訪れていた新藤義孝総務相は4月29日(火)、シドニー市内でマクファーレン産業相、ターンブル通信相と相次いで会談し、衛星システムを使った情報通信技術(ICT)分野で日豪間の連携強化を図ることで合意した。
マクファーレン産業相との会談では、日本の準天頂衛星「みちびき」を使ったICTの活用に関してさらなる政策対話を進めていくことで一致。特に山火事や豪雨などの災害時に通信衛星を利用した避難誘導や情報発信などのシステム開発に期待が高まっている。
握手を交わす新藤総務相(写真左)とマクファーレン産業相(写真右) |
これまで、オーストラリア国内の携帯電話がつながらない地域では、農業従事者などが病気やケガなどの不測の事態に陥った際にも連絡手段がなく、その対応策としても有効とされている。
また、オーストラリア国内でも研究が始まっている、スマート農業への活用にも期待が高い。スマート農業では、家畜などの管理を円滑に進めるため、家畜一頭一頭にタグをつけ家畜の行動パターンや土壌などの情報をもとに適切に管理することができる。
現在、準天頂衛星は「みちびき」(初号機)が2010年に打ち上げられ、日本とオーストラリアの上空を周回している。新藤総務相は「日本では現在、実験段階を経て、実証段階に入っている。3年後をめどに新たな衛星の打ち上げが予定されており、それまでにオーストラリアの要望にそった実証プロジェクトの立ち上げを行いたい」と話した。
引き続き行われた、ターンブル通信相との会談では、ブロードバンドの整備や推進に向け政策協議が行われた。
ターンブル通信相(写真右)と握手を交わす新藤総務相(写真左から3人目) |
※準天頂衛星システムとは、カーナビやGPS機能がついた携帯電話などに代表されるような測位情報を現在運用中のGPS信号やアメリカが開発を進めている新型GPS信号とほぼ同一の測位信号を送信することで、測位できる場所や時間を広げることができる。
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