聞き手・文章:Yukie Yamamoto
今回は、昨年もMatsuriスポンサーになっていただいた会計士事務所Ezy Tax Solutionsの代表 賀谷様にインタビューを行いました。賀谷様は会計士であると同時に競馬騎手としても活躍をしています。そんな面白い経歴を持つ賀谷様に、昨年よりも詳しくEzy Tax Solutionsの企業理念や今後のビジネス展開・Matsuriへの想いをお伺いしました。
(昨年のインタビュー記事はこちら → http://jp.matsurisydney.com/interview-with-ezy-tax/)
祭り編集部 - 昨年もMatsuriのスポンサーをしていただきましたが、今年は「ゴールド」スポンサーになっていただきました。そのきっかけはございますか?
賀谷:そうですね…、弊社のロゴを一番上にしてほしいと思ったからです(笑)。昨年は、他の協賛企業さんの方が上に来ていて、今年は一番上にしたかったので。というのも、我々は拠点がケアンズなのですが、ケアンズにも全国区になるビジネスがあるということをシドニーの方にも見せたいと思って、それがロゴを一番上にしたいというコンセプトです。「オーストラリア全国に名を広げていこうぜ、ケアンズからでもできるんだし」というのがひとつのメッセージでもあるので。
-「会計士は地元である必要はありません」というEzy Tax Solutions様の広告を見たことがありますが、実際のお客様はどこにお住まいの方が多いのでしょうか?
賀谷:一番多いのは、シドニー、メルボルン、あとはパースにもお客様が多いですね。ケアンズよりもシドニーやメルボルン。日本人のお客様はそのエリアに加えて、ゴールドコーストやブリスベンも非常に多いです。オーストラリア人は、ケアンズ・ビクトリアなども含め、さまざまなエリア…というよりオーストラリア全国どこからでも依頼がありますね。
- オーストラリア人と日本人のお客様の割合はどの程度ですか?
賀谷:会社を始めた頃は7:3でオーストラリア人が多かったです。今は日本人の方にも認知していただいて、増えてきたので半々ぐらいです。個人だと日本人のほうが多く、ビジネスだと8:2ぐらいでオーストラリア人のほうが多いですね。
- 個人の方で日本人が半分というのは、人口の比率から考えても、相当多いですよね。
賀谷:そうですね。永住の方から、駐在の方、あとはワーキングホリデーや学生の方もタックスリターンをやりますし。今、5年目なんですけど、少しずつ認知されてきて。在豪日本人の数十人に1人は弊社をご利用いただいています。
- 会社を始めたきっかけは…?
賀谷:もともと会計士事務所を始めた理由が半分趣味のようなものなので…今もですが(笑)。始めた理由は、オーストラリア人・日本人に関わらず、もっとしっかりとした会計士が必要だと思ったので。特に、日本人会計士はただでも数が少ない。ある程度の質を保つという意味では、弊社はかなりレベルが高いと思っています。ただ、レストランなどに比べて、値段が高いから中身(品質)が良いとか、ヴィトンのバッグだから高いとか目に見える業界ではないので、なかなか気付くポイントはないですけど。弊社は価格を結構安く出しているのですが、値段がその10倍ぐらいするところよりも、内容は良いだろうと思います。
- 『レベルが高い』、『内容が良い』というのは、具体的にはどのようなことでしょうか?
賀谷:具体的に言うと、タックスリターンやビジネスの決算というのはある意味、料理みたいなものです。例えば、僕もカレー作れるし、山本さんもカレー作れると思います。そこのレストランもカレー作れるし、あそこのレストランもカレーを作れる、というようにカレーはカレーなので、あまりこだわらなければ、誰でもカレーを作ることはできます。つまり、タックスリターンも少し知識があれば、できることはできるんですね。ここにこれを入れて、ここにはこれを入れてと。違いは出来上がりの中身(品質)になります。タックスリターンもタックスリターンをやってくださいと言えば、ショッピングセンターでやっているような素人の方でもタックスリターンをやってくれますよね。なので、なかなか質には気が付かないのですが…。もちろん誰がやっても結果が変わらないこともありますが、ちょっと「これ聞いてあげたほうがいいかな」というものを聞いてあげるだけで、質が高くなる・中身が正しくなるということがあります。感じ方は人によるとは思いますが、ある程度の『きめ細やか』というか。特にビジネス会計に関しては、それが日本人会計士の良さでもありますし。
- 興味深いですね、他にも御社サービスの強みや特徴がありましたら、教えてください。
賀谷:返信が早いとよく言われますね。あとは、オンラインでのサービスをしているので、実際のUI(ユーザーインターフェイス※お客様が実際に見る画面)をある程度使いやすいようにしています。もちろんもっと使いやすくなるように、今も改善を進めています。オンラインのサービスは、わざわざ仕事を休んで、予約を取って…ということは不要です。ただでさえ会計事務所は土日休みなので、なかなか行けないとなってズルズルしてしまうというのがなく、それも良さだと思っています。それに、オンラインだからといって、実は対面でのサービスと変わりません。むしろ、対面より考える時間があるので効率的です。
あとは特徴というか、5年前は今と違って、日本人の方にタックスリターンが知識的にほぼ認知されていなかったという状態から、申請を身近に簡単にすることにより敷居を下げたという部分が、ひとつの功績なのかなと思ってます。Facebookや日豪プレスのコラムなどの情報媒体でタックスリターンについて書いてきましたので、5年間で最近やっと形になってきたなと思います。
- そもそもタックスリターンを知らないというところからのスタートだったんですね。
賀谷:今と違って会計士の数も少ないし、タックスリターンの情報も少ないし。そんな中で昔は、永住の方や主婦の方で何もしていなかったっていう方がたくさんいらっしゃいました。なので、そういう方へ知識を広めるという、ある種の啓蒙活動ですよね。ビジネス向けで言うと、日本人がきちんとした知識を付けて、オーストラリアでビジネスを繁栄させ、日本人であることの存在感を見せられればという考えもありますし。それに身近でも時給現金10ドルで働かせたりするところもあるので、そういう面においても、日本人が同じ日本人を搾取しないようにきちんとした知識を広めたいですね。「無知は罪」と言いますが、日本人が無知を理由に騙されないようにもしてほしいと思います。ある種の啓蒙活動ですね、本当に。なので、弊社を使わなくてもいいんです。最近、ケアンズでは時給現金10ドルとかそういうのがなくなってきているので、次はシドニーやゴールドコーストかなと思っていますね。なので、商売というかどちらかというとそういう啓蒙活動ですね。これが本当のナショナリズムだと思っています。
- Ezy Tax Solutionsさんが儲けるというより、社会的にしっかりした知識を広めたいという思いが強いのですね。
賀谷:そうですね。それにビジネスって、何かを変えようというメッセージとか、社会構造や業界構造を変えようというところから始めるほうが、結果的にお金にもなったりしますし。
- ケアンズは社会的な認識や状態が変わってきたので、次はシドニー・ゴールドコーストとお伺いしましたが、今後シドニーにオフィスを開設される予定はありますか?
賀谷:オフィスは出さない予定ですが、シドニーはオーストラリア一の都市ですし、やっぱりそういうところにオフィスがあるというのはおもしろいとは思いますね。他のいろいろなビジネスをやっている方もいるので、ITとか。そういう意味では行きたいのですが、僕が馬に乗っていてケアンズを動けないので。それに、素人をシドニーに置いて、そこにきたお客様にちゃんと答えられないのであれば、作った意味がないですからね。誰か置くなら、ちゃんとしたシニアの方を置くんですけど、うちのもう一人の会計士も家族がケアンズにいて動けないので。結局シドニーに置く人材がいないので、開設できないというのもあります。それに、オンラインでのサービスもやっているので。
- オンラインでもしっかりと個人もビジネスもサポートしていくという御社のコンセプトですね。
賀谷:そうですね、今までなかったようなインターネットで気軽にいつでも、というのはさっきの『知識を広める』、『敷居を下げる』ということに繋がっていると思います。シドニー、ブリスベン、メルボルンにオフィスを作れない苦肉の策でもあるのですが…(笑)
- 最後に、今後シドニーでの日本を認知させる活動やこのMatsuriへの想いを教えてください。
賀谷:やっぱり日本人はオーストラリアで数が少ないですし、日本人が海外にいるということはすごく意識しているので、オーストラリアに「『日本』を見せてやろう」という想いがありますね。社会貢献じゃないですけど、ビジネスをやっている方、やっていない方も含めて、日本人の良さや日本人であるからこそできることというのをオーストラリアに見せていきたい、どんどん見せつけたいというのがあって、Matsuriもその一環ですね。オーストラリア人に見せつける、敢えて『見せつける』という言葉を使うんですけど、Matsuriはそのいい機会であると思います。特にシドニーでの開催なので、日本人の数も多いですし、規模をも大きいですし。そこでオーストラリア人に日本人を見せつけるというのができればなと思います。
それから、私自身にはイベント企画能力、コネクション、時間、人脈もありませんので、 Matsuriを企画、運営する発起人や関係者があって初めて行うことができると思っています。スポンサーとして協力をさせていただいておりますが、私自身、Matsuriの企画・運営者の方々へ感謝しています。
【Q: 今何をしてるのか?】A: 祭りのPRを行なっています!【Q: 私にとっての祭りとは?】A: 私たちにとって祭りは日本を好きな人たちが集まる場所。祭りを通して日本をより知ってもらえたら嬉しいです!
名称 | Matsuri - Japan Festival - |
テーマ | 2017年のテーマは「Experience」 |
日時 | 2017年12月9日(土) 午前11時〜午後7:30時 |
場所 | ダーリングハーバー内タンバロンパーク、Tumbalong Park, Darling Harbour, Sydney |
WEB | http://jp.matsurisydney.com/ |
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