年初の数ヶ月間に死亡事故が多発したことで、トラック業界が非難をあびています・・・
2018年最初の2ヶ月間、大型トラックを巻き込んだ死亡事故が多発しました。こうした事実を受けて所轄機関は、交通安全対策の見直しを図っています。
ニューサウスウェールズ州では2018年1月~2月に、大型トラック事故で64人もの命が失われました。一般道路を走っている大型トラックの割合は少ないものの(その多くは普通車)、死亡事故となると大型トラックが関わるケースが多いのです。
こうした事実により、トラック運送会社は交通安全所轄機関から注意を促されています。なぜなら、トラック事故に関連した死亡者の増加は、運送会社がドライバーたちに無謀なシフト、例えばドライバーの疲労や睡眠時間を無視したシフトを強いていることが原因の一つであると考えられているからです。オーストラリアは広大な国ですから、メルボルン~ブリスベンの片道距離は1,800 km にも達します。これは、東京~福岡往復に相当します。一方で、多くの大型トラック事故は、実は普通車ドライバー(相手)のミスによって発生しているという調査結果も出ています。例えば、普通車ドライバーが大型トラックとの適正車間距離を取っていなかったり、大型トラックを無理に追い越したりするなど、大型トラックを巻き込んだ事故の一部は、普通車ドライバーの安全運転に関する知識不足が原因なのだそうです。
統計を見てみると、制限速度80 km/h以上の田舎道でより多くの事故が発生していることや、死亡事故の多くが、市内道路よりも高速道路で起きていることがわかります(参考:死亡交通事故統計2016-2017)。この他には、死亡事故に関連したドライバーの2つの行動危険因子《居眠り運転と酒気帯び・薬物運転》が、近年減少傾向であるという興味深い事実も判明しています。もちろんこれは、社会的変化が背景かもしれませんが、コミュニティーで実施されている教育プログラムによって、人々の交通安全に対する意識が向上していることも理由の一つでしょう。
NSW州の道路交通量は増加しているものの(2017年、NSW州の登録車両は600万台以上)、より安全になってきているという統計結果が出ています。しかしながら、警察による飲酒検問(呼気検査)などの継続的交通安全対策とともに、道路を利用する私たちが、常に交通安全を意識することが大事だと思います。