オーストラリアでの離婚に関してよく受ける質問として、日本で結婚した日本人夫婦がオーストラリアで離婚できるのか、または相手に非があるので慰謝料を請求したい、などがあります。
オーストラリアの離婚制度は、日本のように合意による届け出といった制度とは大きく異なり、あくまでも申請に基づいた裁判離婚です。
オーストラリアで離婚するための条件は5つあります。
離婚する条件①の『合法的な婚姻』とは当該国での婚姻が成立しているという意味で、オーストラリアでなくても、日本で合法的に結婚している場合はこの条件を満たします。
離婚する条件②については、夫婦のどちらか一方が修復不可能と認識していればよく、理由を問われることはありません。つまり、不貞や暴力、借金などと言った、離婚するために相手の非を立証する必要はなく、そのため慰謝料といった概念は存在しません。
離婚する条件③については、婚姻から2年未満で離婚したい場合、カウンセリングを受けて、カウンセリング証書を提出する必要があります。
離婚する条件④については、家庭内別居も含めます。
離婚する条件⑤は、夫婦のどちらか一方が条件を満たしていればよく、つまり日本人同士でも保有するビザなどにかかわらず、12か月以上オーストラリアに居住していれば離婚してよいことになります。
実際のオーストラリアでの離婚裁判ですが、子供がいない場合、または未成年の子供がいる場合でも共同申請であれば、裁判所に行く必要はありません。
逆に単独申請でかつ未成年の子供がいる場合には、離婚するために、裁判所でのヒアリングに出廷する必要があります。
当然離婚には子供の親権や養育費の問題、財産分与などの問題が付随してきます。特に夫婦の片方が離婚後はオーストラリアから日本に帰国したい、子供を一緒に連れて帰りたいなどという場合は、残された親の離婚後に子供に会う権利を奪う「子供の連れ去り」となり、ハーグ条約に基づき、残された側が子供の返還申請を求めてくる可能性があります。
オーストラリアでの離婚に付随する問題、ハーグ条約については次回以降説明していきます。
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