暮らしやすい気候や自然豊かな環境、おだやかで優しいオーストラリアの国民性が相まって、日本人から住みやすいと人気のオーストラリア。滞在期間中にオーストラリアが好きになり、まだまだ滞在したいと考える人も多いはず。
オーストラリアは日本が一番初めにワーキングホリデーの協定を結んだ国であり、日本のワーキングホリデーメーカーの半数以上が訪れるほどの人気国。日系企業や日本食レストランが多く、働き口が多いこと、また就労賃金が他国と比べ高いことも人気の理由に挙げられます。
基本的にワーキングホリデービザで滞在できる期間は12カ月と定められていますが、ある特別な就労条件をクリアすれば滞在期間を延長することができます。そこで12カ月以上滞在したいと考えているワーキングホリデーメーカーを対象に、ワーキングホリデーとして最大3年の滞在を叶える方法としてセカンド/サードワーキングホリデービザの取得について申請の条件や申請方法などを詳しく解説! また新型コロナウイルスの救済措置として特別に設けられたビザについても紹介します。
ワーキングホリデーは、2国間の協定に基づいて18歳から30歳までの青年が相手国に滞在し、滞在中の資金を補うために一定の就労を認める制度。原則として各国ごとに一生に一度だけ利用できるものです。
まずはオーストラリアにおけるワーキングホリデービザの申請条件や滞在中の就労条件について改めて確認しましょう。
滞在期間 | 12ヵ月間 |
申請費用 | 485ドル |
有効期間 | ビザ発行から1年以内の入国が必要 |
申請条件 | ①ワーキングホリデービザでの入国歴がないこと ②申請時の年齢が18歳以上~31歳未満であること ※渡航時に31歳になっていても可能 ③渡航当初の生活費を賄うための十分な資金があること ※発行から1ヵ月以内の残高証明書(英文)が必要 ④心身ともに健康であること |
就労条件 | 一雇用主のもとで最長6ヵ月間の就労(フルタイム)が可能 |
就学条件 | 最長4カ月までの就学が可能 |
オーストラリアにワーキングホリデーで滞在するには、ビザを取得しなければなりません。またほかの滞在方法としては学生ビザや観光ビザがあります。
ただし、観光ビザでは最長3ヵ月までしか滞在できず、就労はできない。学生ビザは在学期間に合わせて滞在できるが、1週間に20時間までしか働けない。
オーストラリア政府が指定する地域で定められた期間(セカンドとサードで異なる)の指定労働をすることで、さらに1年の滞在が延長になる制度がセカンド/サードワーキングホリデービザです。就労条件や就学条件は1回目のワーキングホリデーと同じです。
※ビザの申請条件などについては随時変更になる可能性が場合があるため、申請前に必ず確認することをおすすめします。
指定された地域において以下の業種でのある一定期間(セカンドとサードで異なる)の就労が指定労働として定められています。
【農作業・畜産業】
・一般的な農作業(野菜やフルーツのピッキングやパッキング)
・畜産・酪農業において飼育や毛刈り、食肉解体業
・原料からの乳製品の製造・ぶどう園などで樹木の手入れ作業 など
【海産業】
・魚類や海産物の採取に関する仕事
・真珠採取や真珠貝の採取、あるいは養殖に関する仕事 など
【林業】
・伐採目的のプランテーションや森林での植林または手入れ
・プランテーションや森林の伐採
・プランテーションや森林で伐採された樹木を製粉、加工する場所への輸送作業 など
【鉱山業】
・石炭鉱業
・石油とガスの抽出
・金属鉱石採掘
・建設資材採掘
・非金属鉱物の採掘と採石の探査
・鉱業支援サービス など
【建築業】
・住宅建築
・重土木工事
・土地開発およびサイト準備サービス
・建物構造サービス
・建物設置サービス
・建築完了サービス など
【山火事復旧支援】※2019年7月31日以前に実施された作業
・土地、財産、農場の動物または野生生物の回復または回復に関連する建設、農業、またはその他の作業
・被災地で暮らしている、働いている、ボランティア活動をしている人々にサポートサービスや支援を提供する など
これらのなかでも比較的見つかりやすく、そしてビザの取得のための就労としてポピュラーなのが、農作業や畜産業での労働です。もちろん知識や経験がある方が仕事探しに有利になるでしょう。
労働賃金は時給や歩合などさまざまですが、地方での就業という性質上、都市部に比べお金を使うことがあまりなく貯金がしやすいというメリットもあります。
※オーストラリア政府が指定する指定労働についての詳細はこちら
※指定地域に関してはこちら
ワーキングホリデー1年目に指定地域において3ヵ月以上の指定労働を終了し、必要書類を用意すれば申請できます。オンラインで申請できるため、オーストラリアまたは日本に一時帰国してからでも申請が可能です。ただし日本で申請する場合はビザが発給されるまで日本にいることが条件です。
ビザはIMMIAcount から申請できます。
滞在期間 | 12ヵ月 |
申請費用 | 485ドル |
申請条件 | ①申請が受理される時点で18歳以上31歳未満であること ②心身ともに健康であること ③生活に十分な資金があること ※5000~6000ドル相当の預金残高が必要 |
必要なもの | ①パスポート ②指定労働の雇用主が発行した給与明細(Payslip) ③残高証明書(英文) ④クレジットカード |
あると便利 | ①源泉徴収票(Group Certificates / Payment Summaries) ②所得税申告書(Tax Returns) ③雇用主からの証明レター(Employer References) ④雇用主の署名入りの雇用証明書(Form 1263 – Working Holiday Visa: Employment Verification) |
就労条件 | 一雇用主のもとで最長6ヵ月間の就労(フルタイム)が可能 |
就学条件 | 最長4カ月までの就学が可能 |
ここで注意したいのがビザの有効期限。セカンドワーキングホリデービザの発給から12ヵ月ではなく、あくまでも1回目のワーキングホリデーの入国日が起点になります。
たとえば1回目のワーキングホリデーで2020年2月3日に入国し、セカンドワーキングホリデービザを2020年6月15日に取得した場合、ビザ終了日は2022年2月2日となります。
セカンドワーキングホリデー期間中に指定地域において6ヵ月以上の指定労働を終了し、必要書類を用意すれば申請できます。オンラインで申請できるため、オーストラリアまたは日本に一時帰国してからでも申請が可能です。ただし日本で申請する場合はビザが発給されるまで日本にいることが条件です。
ビザはIMMIAcount からセカンドワーキングホリデービザ同様に申請できます。
滞在期間 | 12ヵ月 |
申請費用 | 485ドル |
申請条件 | ①申請が受理される時点で18歳以上31歳未満であること ②心身ともに健康であること ③生活に十分な資金があること ※5000~6000ドル相当の預金残高が最低でも必要 |
必要なもの | ①パスポート ②指定労働の雇用主が発行した給与明細(Payslip) ③残高証明書(英文) ④クレジットカード |
あると便利 | ①源泉徴収票(Group Certificates / Payment Summaries) ②所得税申告書(Tax Returns) ③雇用主からの証明レター(Employer References) ④雇用主の署名入りの雇用証明書(Form 1263 – Working Holiday Visa: Employment Verification ) |
就労条件 | 一雇用主のもとで最長6ヵ月間の就労(フルタイム)が可能 |
就学条件 | 最長4カ月までの就学が可能 |
ビザの終了日はセカンドワーキングホリデービザと同様に、1回目のワーキングホリデー入国日から3年後です。
たとえば1回目のワーキングホリデーで2020年2月3日に入国した場合、サードワーキングホリデービザの終了日は2023年2月2日になります。
新型コロナウイルス禍において施行された入国・渡航制限に伴い、一時滞在ビザ保有者(ワーキングホリデーや学生ビザなど)が帰国できない場合の救済措置として「Temporary Activity Visa (Subclass 408)」が新設されました。
詳しい発給条件などは以下のとおりです。
滞在期間 | 最長12ヵ月* |
申請費用 | 無料 |
対象者 | ①一時滞在ビザ保有者でビザ失効期限が近いが自国へ帰国する方法がない方 ②新型コロナウイルス状況下、オーストラリアで有益なスキルを持っている方 |
申請条件 | ①一時滞在ビザ保有者で、申請時に現行ビザの有効期限が28日前を切っていること、または失効後28日以内であること ②該当するビザのオプションがない ③新型コロナウイルスにおける重要産業(医療、農業、食品加工、ヘルスケア、高齢者ケア、障害者ケア、チャイルドケアなど)に就労している、またはスキルを持っている ④滞在中の保険を充分にカバーできる |
* 重要産業に従事していない場合の滞在は最長6ヵ月です。
なお同ビザは救済措置を目的に特別に新設されたため、審査はケースごとに異なります。
「Temporary Activity Visa (Subclass 408)」について詳しくはこちら
自然に囲まれ、住みやすい環境のオーストラリアにもっと長く滞在したいと思う方も多いはず。ワーキングホリデーで滞在する以外にも学生として滞在するなどほかにも方法はあるので自分の目的にあった滞在方法を選びましょう。また申請条件などは随時変更される場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
オーストラリアの滞在を延長したいと考えている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
そのほか、ワーホリ生活マニュアルについての過去記事はこちら
オーストラリア政府公認移民法コンサルタントの「Access Visa(アクセス・ビザ)」では、永住ビザや一時滞在ビザなど、日々…