パートナービザ(配偶者ビザ)申請のために知っておくべきこと
オーストラリア政府公認移民法コンサルタントの「Access Visa(アクセス・ビザ)」では、永住ビザや一時滞在ビザなど、日々…
ビザの申請
ビザ申請はオンライン申請が基本となっている。また、申請経過や、追加書類の提出、取得したビザの詳細などをオンラインで確認することもできる。詳細は、www.border.gov.au/Trav/Visa/Onliを参照。
ビザの申請料金は、基本料金と追加料金に分けられ、さらにオンライン申請をしない場合や、オーストラリア国内で2回目以降のビザ申請には別途、追加料金が課される。
ビザの種類によっては、インターネットによるオンライン申請を利用せず、申請用紙による申請をした場合、別途、追加料金が課される。特に永住者が再入国する際に必要なRRV(Resident Returnvisa。subclass 155, 157)は、オンライン申請を利用しないと、この追加料金が課される。
ビザシールの廃止
これまではパスポートにビザシールの貼付が可能だったが、2015年9月以降、オーストラリア政府は個人のビザ情報を全てデータ管理することで、ビザシールの貼付サービスを廃止した。ただし、ビザ申請をしてビザが発給された場合、移民局からビザ発給の通知とともに発給レターが発行されるので、そのレターは必ず保管し、海外渡航など必要に応じて携帯すること。
自身のビザ情報を確認するには、移民局のV E V O(V i s aEntitlement Verification Online service)というオンラインサービスが無料で利用できる。このサービス利用には、①申請登録番号(Transaction Reference Number、TRN)か、②ビザ発給通知番号(visa grant number)が必要になる。また、自分の名前/生年月日/パスポート番号とリンクしているため、パスポートを更新した場合は必ず移民局に通知する必要がある。
ビザ・コンサルタントって必要?
ビザの申請は、本人申請が原則。移民局では主要なビザに関して解説書(Information Booklets)を用意しているので、自分で申請書類を作成することができる。ただし、英語が分からないという人や、時間のない人、専門知識のある人に手伝ってもらいたいという人のため、申請手続きの代行をするビザ・コンサルタント制度がある。
ビザ・コンサルタントは、移民局認定の業界団体に登録・認定された者のみがビザ申請に関して助言をし、その手続きを代行することができる。この「ビザ申請手続き代行業者」(MigrationAgents)には高い水準の専門知識が要求され、毎年その資格の更新には、必要な専門知識の修得が義務付けられている。詳細は、www.mara.gov.au を参照。
永住権と市民権の違い
結婚、家族呼び寄せ、専門技術、事業活動などで移住する永住者用のビザを永住権(Permanent Residence)と呼んでいる。永住権は市民権(Citizenship)とは異なり、選挙権、被選挙権などはないが、そのほかの私的な権利・義務関係(納税、社会保障、教育、医療、その他公共サービスの受給)は一般のオーストラリア人と変わらない。
市民権取得の条件は、18歳以上の永住権保持者で、「市民権テスト」に合格する必要がある。申請前の4年間オーストラリアに居住し、うち12ヵ月以上、永住権を保持していることが必要。面接が行われ、素行、英語力、責任感、義務感、永住意志の確認がされる。オーストラリアは重国籍を認めているが日本は認めていないので、市民権を取得した場合は日本の国籍を喪失することになるので注意。
EOI登録とSkillSelect
SkillSelectは、ビザ申請希望者がビザを申請する前に、ビザ審査に必要な資格や経験、英語力などの個人情報をEO(I Expression of
I nt er est )というオンラインフォームに入力して申請希望を登録し、ビザ申請条件を満たしていることを表明して、移民局からのInvitation
(ビザ申請の招待)を待つという制度。書類の不備や情報の確認を事前に整理して、審査が順調に進むことを目的としている。
[SkillSelectによるビザの申請方法]
①申請希望を登録する→EOIの登録
②申請招待を待つ→Invitationの発給
③60日以内にビザ申請をする→ビザ審査
EOIは登録から2年間有効だが、EOI登録はビザの申請ではないので、Invitationの発給を受けると60日以内にビザ申請を行うこと。また、登録項目に変更があれば、Invitationの発給前ならすぐ更新をすることができる。
[ビザ申請にEOI登録が必要なビザ]
・Business Talent (Permanent) visa (subclass 132)
・Business Innovation and Investment (Provisional) visa(subclass 188)
・Skilled Independent visa (subclass 189)
・Skilled – Nominated visa (subclass 190)
・Skilled – Nominated or Sponsored (Provisional) visa(subclass 489)
[ビザ申請にEOI登録が可能なビザ]
Temporary Work (Skilled) visa (subclass 457)
Employer Nomination Scheme visa (subclass 186)
Regional Sponsored Migration Scheme visa (subclass 187)
主なビザの種類
●技術独立移住ビザ
Skilled Independent Subclass 189
技術と経験を持ち、国内での就職に問題がない移住希望者を対象にしたビザで、申請者の技術、経験、英語力が十分であればスポンサー企業がなくても永住ビザが取得できる。
ビザの申請にはEOI登録とSkillSelectによるInvitationの発給を受ける必要がある。また、申請にはポイントテストが課せられ、「年齢」「英語力」「職歴(国内及び海外)」「学位」のほか、地方や人口漸増地域での就学、配偶者が有資格などでも加点され、合計60ポイント以上が申請条件となる。
「年齢」では、25〜32歳が30ポイントと最高点が得られる。「英語力」はIELTSで6.0以上が必須。IELTSの有効期限は3年間。「職歴」では申請前10年間の経験年数により加点される。国内と海外の職歴を併用することはできるが、上限は20ポイント。「学位」では、博士号が最高の20ポイントが得られる。留学生の場合、就学期間・学位・資格査定などで、さらに5ポイント加点される。
●ビジネスビザ
Temporary Work (Skilled) Subclass 457
駐在員や、現地企業に働く日本人の多くが所持するのがビジネスビザで、雇用主がスポンサーとなってビザを申請する。勝手に雇用主や職種を替えることができず、ビザの有効期間も最長4年と期限がある。家族にも同様のビザが発給され、就労許可も付いてくる。ビザの申請はインターネットによるオンライン申請。申請職種は政府認定の職種リスト(Consolidated SponsoredOccupations List、CSOL)にあるもので、高度な技術が必要な職種に限られている。また、市場相場の給与(Market Salary Rates)の支払いが求められ、最低賃金(2015年11月現在$53,900)が定められている。また、英語力がIELTSの各分野で4.5ポイント以上、総合で5.0ポイント以上必要とされている。
●雇用主指名ビザ
Employer Nomination Scheme Subclass 186
会社がスポンサーとなって永住権を申請する場合のビザ。最初に、指名会社(雇用主)の申請資格と当該職種・職務の審査が行われ、次に申請者本人の審査が行なわれる。指名会社は、求めている人材が「Highly Skilled Person」であることを証明するため、社内研修や社員教育の実態を提示し、適当な人材が現地で雇用できないことを示す必要がある。また当該職種の資格認定が必要な場合がある。本人審査では、①申請職種(Consolidated Sponsored Occupation List、CSOLにある職種)に関連した技術・技能・資格・経験があるか、CSOLの職種で3年以上の正規訓練と就労経験があるか、③年齢が50歳未満か、④英語力(I ELTSの各項目で6. 0ポイント以上)があるか、などが審査される。職種によっては、年齢と英語力の規定が免除される場合がある。配偶者がいる場合、申請者同様に英語力が問われ、IELTSの各分野で4.5ポイントに達していない場合は、追加のビザ申請料を支払うことになる。
●事業移住ビザ
Business Innovation and Investment Subclass 188 & 888
会社経営者や投資家が、オーストラリアで起業したり、ビジネスを買収したり、投資活動をする場合のビザ。ビザクラスにもよるが、年齢55歳以下、申請前4年のうち2年以上、売上が50万ドル以上、事業と個人の資産が80万ドル以上などの条件がある。また、投資家の場合は、3年以上の投資経験、申請前5年のうち1年以上、150万ドル以上の投資実績と、事業と個人の資産が225万ドル以上、州政府財務省への債券投資は150万ドルなどとなっている。
ポイントテストのパスマークは65ポイントで、Subclass 188に適用される。年齢や英語力、資格・学位、事業・投資経験、資産などで加点される。ただし、500万ドル以上の投資を条件に、年齢や英語力の条件のない、特別投資家ビザ(Subclass 888)がある。
●パートナーによるビザ申請
Temporary / Permanent Partner Visa Subclass 820 & 801
「配偶者(Spouse)」、「婚約者( Prospective Marriage)」、「同性のパートナー(Interdependent Partner)」の3区分。配偶者には“デ・ファクト”(de facto)と呼ばれる事実婚(通常12カ月以上の同居が必要)も含まれる。このビザでは配偶者または事実婚の配偶者として永住ビザを申請した場合、まず2年間の一時滞在ビザ(暫定永住権)が発給され、2年後にその関係が維持されていることを証明しなければ、正式の永住ビザを取得することができない。暫定永住権が得られれば、メディケア(国民健康保険)に加入したり、就労制限なく働くことができる。なお、結婚を前提に来豪する場合は、まず婚約ビザ(Prospective MarriageVisa Subclass 300)を取得して来豪
し、ビザ期限の9カ月以内に結婚して、配偶者ビザ(TemporaryPartner Visa)を申請することになる。
移民・国境警備省
Department of Immigration and Border Protection
www.border.gov.au/Trav/Visa
一般問い合わせ 131-881(月〜金 8:30–16:30)
移民局[受付:月〜金 9:00-16:00]
Sydney Visa and Citizenship Office
26 Lee Street, Sydney NSW 2000
Parramatta Visa and Citizenship Office
9 Wentworth Street, Parramatta NSW 2150
オーストラリア政府公認移民法コンサルタントの「Access Visa(アクセス・ビザ)」では、永住ビザや一時滞在ビザなど、日々…