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シドニー発豪ドル見通し(2 April 2018)

<主なイベント・日程>

 

4/2(月)Q1日銀短観、米3月ISM製造業景況指
3(火)RBA理事会、FRB当局講演(ブレイナード理事、ミネアポリスFED)
4(水)米3月ADP雇用者数、米2月耐久財受注、米3月ISM非製造業景況指数、地区連銀総裁講演(セントルイス、クリーブランド)
5(木)中国清明節休場(~7日)、豪2月貿易収支、米2月貿易収支、新規失業保険申請件数、アトランタFED総裁講演
6(金)米3月雇用統計、パウエル議長講演

<マーケットの焦点>

先週も佐川氏証人喚問、中朝首脳会談などのイベントがあり、また米中貿易摩擦では水面下の交渉が伝えられる一方、米国は知的所有権侵害への対抗措置として通商法301条を発動して追加関税を発表。
報復措置として中国は128品目への高関税賦課を発表し、実際に本日発動となるなど、依然予断は許さない状態です。
ただ米国の保護主義や財務省文書問題や北朝鮮問題も一時より懸案が後退したとして、リスク選好の動きも見られ、先週は主要国の株価は堅調推移しました。
一時104円台まで下落していたドル円も買戻し強まり高値107円台を付けるまで反発しましたが、買い戻し一巡後は現在は106円台前半での展開です。
今週から新期ということで海外投資家及び、本邦投資家の日本株買いが再度スタートするとの楽観的見方もありますが、4月後半から本格化する本邦企業の決算内容が気になります。
ただ上記のように米中貿易摩擦は、トランプ大統領としては中間選挙前に劣勢を挽回すべく、保護主義の手綱を緩めないでしょうし、中国もその報復に固執するでしょう。
昨日から米韓軍事演習が始まりましたが、北朝鮮との交渉開始を控えて期間は1ヵ月と従来の半分程度であり、また北朝鮮もいつもと違って静観しています。
4/27の南北対談や5月は米朝会談の可能性もあるなど融和ムードが高まりますが、一方北朝鮮は核開発の時間稼ぎをしているとの見方、あるいは米中関係に揺さぶりをかけているとの見方もあり、この融和ムードはあまり信用できません。
今週は米国3月雇用統計が発表されますが、堅調な数字が予想され、米国の年3回の利上げ観測は変わりません。しかし一時3%に近づいていた米10年債利回りも現在は2.7%台であり、一方2年債利回り格差の縮小は、既に米国の景気後退局面を先取りする動きとの指摘もあります。
実際に米国の成長予想は今年が2.7%、来年が2.4%、再来年が2.0%と漸減しているのは気にかかるところです。
むしろ2月の米貿易収支が非常に注目されます。このところ560億ドル台と史上最大の赤字レベルが続いています。 今週もドル円は上下共にトレンドの見当たらないアップダウンに終始しそうです。

 

<豪ドルマーケット>

今週の豪ドルは現レベル中心に保合推移でしょう

先週のレンジ: AUDUSD 0.7642-0.7757 AUDYEN 80.71-81.96

今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7600.0.7800  AUDYEN 80.00-83.00

先週豪ドルは下値をテストした後反発しました。
トランプ保護主義、特に米中貿易摩擦を嫌気した豪ドル売りが一時高まり豪ドルは年初来の安値を付けましたが、一方豪ドル円はドル円の急反発を受けて81円台後半まで回復しました。
今週は明日RBA理事会が開催され19か月連続の金利据え置きの見通しです。
現在金利先物市場では25bpの利上げ時期を来年2月の50%織り込み、来年5月に100%織り込む水準です。
4月になり本邦機関投資家の新規豪ドル債投資が期待されますが、米豪金利格差が逆転(10年債で約0.13%)しており、加えて豪ドル先安観が強くなれば投資家魅力が減退する恐れがあります。
今後の米中貿易摩擦の進展具合や、主要国の株価動向がリスク通貨豪ドルの行方を左右します。
既に76セント台まで下落しており、米ドルが盤石でないことから一方的な豪ドル続落も予想されませんが、足元上値は限定的と言わざるを得ません。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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