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シドニー発豪ドル見通し(28 May 2018)

<主なイベント・日程>

5/28(月) 米国、英国休場
29(火)日本4月雇用統計、セントイスFED総裁講演
30(水)黒田総裁挨拶、米国Q1GDP(改定値)、米5月ADP雇用者数、FEDベージュブック、OECD経済見通し
31(木)中国5月製造業PMI、ユーロ圏4月失業率、米4月中古住宅販売成約件数、FRB当局発言(ブレイナード理事、アトランタFED、セントルイスFED)、コンスタンシオECB副総裁講演、G7ウイスラー(カナダ)
6/1(金)米5月雇用統計、米5月ISM製造業景況指数
 

<マーケットの焦点>

先週はトランプ大統領が金曜日に米朝会談の中止を発表し、再び市場ではリスク回避ムードが高まり、ドル高・円高相場となり米債利回りは一時の3.1%から2.93%台まで急低下しました。
主要国株価は、一時25,000ドル台を回復したNYKダウ以外は総じて冴えない展開でした。 ただ米朝会談の行方については週末も二転三転し、水面下での交渉が続いており、結局は両国ともに歩み寄りの姿勢で、12日会談開催の可能性が再浮上しています。
米朝会談の行方については今週もまだドタバタが予想されます。米国としてもは内容のない“やるだけ会談”では意味をなさないとの厳しい見方もありますが、紆余曲折あったにせよ史上初の米朝会談が開催されれば、それだけで歴史的意義はあると思います。
いずれにしても今週もこの米朝会談ネタで一喜一憂しそうです。 米朝会談以外で気になるのはやはりトランプ政権が輸入車関税賦課を検討している問題。鉄鋼・アルミ製品への課税はその後も減免されず、通商交渉の後ろ盾となっています。
トランプ大統領としては自動車関税をちらつかせ海外自動車メーカーの米国内生産工場移転への圧力とし、更に通報交渉を有利に運ぶ算段でしょう。 もちろん結果として巨額の貿易赤字の原因となる米国の自動車輸入が減少すれば米国の貿易赤字が減少し、これはドル買い材料です。
しかし最初の市場のリアクションはやはり米国の保護主義への警戒感でドル売り材料視されるでしょう。 一方今週は米国5月の雇用統計が発表になります。前月の失業率は3.9%に改善し“完全雇用”を印象付けましたが、今週発表予定のQ1GDP(改定値)と併せて強い数字が出れば6/12-13のFOMCにおける利上げを更にサポートします。
ただ最近の株価の動きを見ても、利上げ加速はむしろ株価調整原因との見方もあり、必ずしもポジティブとは限らない点、要注意でしょう。
国際情勢では米朝問題が最大ですが依然不透明感はぬぐえず、加えてドルの売り買い材用交錯でドルの上昇あるいは下落の明確なトレンドがなかなか見えない週となりそうです。

 

<豪ドルマーケット>

今週の豪ドルは、引き続き現レベル中心の揉み合いでしょう

 

先週のレンジ:  AUDUSD 0.7502-0.7605  AUDYEN 82.41-84.48

今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7450-0.7650  AUDYEN 82.00-85.00
 

先週の豪ドルは75セント台での揉み合いとなる一方、対円ではドル円が一時111円台に上昇したことから84円台半ばに上昇しましたが、その後ドル円の急落を見て82円台半ばに反落しました。
一時72ドル台まで上昇した原油価格はロシアエネルギー省の増産の可能性言及もあり66ドル台に大幅反落したことも豪ドルの上値を重くしました。 今週も北朝鮮や中東などの地政学的懸念動向や米国経済、米債利回りや米株などの動向によりドル相場がどのように動くかが最大の豪ドル変動要因となるでしょう。(豪ドルは米ドルの受け皿)
ただ米豪10年債利回り格差は相変わらず0.15-0.20%程度米債が上回る状態で、なかなか本邦機関投資家が魅力を感じる状況ではないようです。

 

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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