at_money_service
マネー

今週の豪ドル見通し

<今週の主なイベント>

6/4(月)米4月製造業新規受注、アップル年次開発者会議
5(火)RBA理事会、豪州Q2経常収支、米5月ISM非製造業景況指数
6(水)豪州Q1GDP、米4月貿易収支
7(木)豪州4月貿易収支、トルコ中銀政策会議、日米首脳会談
8(金)日本4月国際収支、日本Q1GDP改定値、中国4月貿易収支、G7首脳会議、ロシア大統領訪中
9(土)中国5月CPI/PPI
 

<マーケットの焦点>

米朝関係は二転三転して結局米朝会談開催の運びとなり(少なくとも今現在)、イタリア政局はEU懐疑派が台頭すると思われましたが、これまたEU残留派が巻き返し、相場は総じてリスク選好の流れが優勢になりつつあります。
ただカナダG7では保護主義色を強める米国の孤立化が更に鮮明となり、今週のG7サミットでも米国自身の動向とともに、米国と一線を画する欧州中心勢力と、親米を自任する日本の立場の違いが鮮明化する可能性があります。
またシリアのアサド大統領が北朝鮮を訪問する意向を示し、ロシアのプーチン大統領も9月に北朝鮮と首脳会談を明らかにするなど、今や「トランプ大統領との会談」という世紀のイベントを控えて時代の寵児化する金委員長を中心に外交が動きます。 天安門事件から29周年を迎える中国はじめとし、西側諸国と一線を画する国々の動向も含めて、様々な思惑が錯綜しながら6/12のXデーが迫ってきます。
為替との関係でいえば、ここまで紆余曲折し、世界が注目する“世紀のイベント米朝会談”で想定外が起こる可能性は少なく、むしろ“大山鳴動ネズミ一匹”となる可能性が強いでしょう。
ただ今回の会談がたとえ実現しても米朝問題が一気に解決する可能性は極めて少なく、今後も不透明感が尾を引き、結果の是非に拘わらず北朝鮮問題はボラティリティー供給源となり続けるでしょう。
G7では“G6+1”という米国との対立構造がより鮮明になりましたが、これはむしろトランプ大統領の望むところであり、他のG6諸国の忠告に聞く耳持たずで、米国の保護主義や孤立主義は今後も不確定要因と認識すべきものでしょう。
不透明感が強い相場であれば、足元のリスク選好地合も直ぐに次のリスク回避に取って代わられる可能性があります。
 

 

<豪ドルマーケット>

足元の豪ドル―ややブルセンチメント

先週のレンジ     AUDUSD 0.7475-0.7593   AUDYEN 81.02-83.07 今週の予想レンジ AUDUSD 0.7550-0.7750 AUDYEN 82.00-85.00

 

豪ドルはリスク選好地合にサポートされる形で先週の安値74セント台後半、81円台前半から76セント台半ば、84円台前半まで大きく反発ました。
昨日発表の4月小売売上高が+0.4%と予想を上回ったことも豪ドル買い材料視されました。
一方OPECやロシアの増産懸念から原油価格が65ドル台に反落し商品相場が軟調に転じていることは豪ドル売り材料。
また国内指標でもQ1民間設備投資が予想を下回り、資源・非資源部門の今後の投資鈍化の可能性があることも悪材料でした。 しかしより影響力のあるドル相場、特にイタリア政局不安後退からユーロが1.15台から1.17台に反発し、加えて株価上昇でリスク選好地合になったことが豪ドルの買戻しを誘いました。
ただ繰り返しになりますが足元のリスク選好地合も決して盤石ではなく、豪ドルの反発も短期間で終わる可能性があります。 今週は火曜日のQ2経常収支、水曜日のQ1GDP、木曜日の4月貿易収支など国内重要指標の発表が続きます。

 

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら