「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
6/11(月)英4月鉱工業生産、トルコQ1GDP
12(火)米朝首脳会談、米5月財政報告、米5月CPI
13(水)米5月PPI、米FOMC(経済予測公表、パウエル議長会見)
14(木)豪州5月雇用統計、中国5月小売売上高/鉱工業生産、ECB理事会、米5月小売売上高
15(金)日銀政策会合(黒田総裁記者会見)、ロシア中銀政策会議、米5月鉱工業生産、4月対米証券投資
先週は米朝首脳会談への期待感やイタリア政局不安後退からリスク選好地合となり日米ともに株価は大幅上昇し、ドル円は一時110円台まで上昇しました。
ただ週末のカナダG7サミットでは米国の保護主義に対する批判が強まり、貿易問題の解決には至りませんでした。
貿易問題は引き続きリスク要因として残り、ドル円は金曜日に109円台前半まで値を落としています。 今週の最大の焦点は明日の米朝首脳会談となりますが、その他にも木曜朝のFOMCの結果発表と同日のECB理事会など重要イベント満載です。
米朝会談では朝鮮戦争の終結と北朝鮮の非核化が会談の主要テーマとなりますが主要課題が簡単に解決するとの予想は少なく、むしろ史上初の首脳会談が無事終了するだけでもリスク要因後退で円売り材料となる可能性があります。
また12-13日のFOMCでは3月以来の利上げが確実視され市場はほぼ織り込み済ですが、経済予測で金利見通しが上方修正されたり、利上げ継続の方針が示された場合にはリスク選好的なドル買い円売りが活発化するでしょう。
イタリア情勢では一時のEU離脱不安は政局の安定化とともに後退していますが、新政権による財政拡大策が新たな懸念材料となりつつあります。
一方イタリア政局不安が後退したことを受けて今週のECB理事会では金融緩和策の早期解除が検討される可能性が高く、先週のユーロ買戻しの背景となっています。
また週末のG7サミットを経過しても主要国の通商問題は解決されておらず、今後米国の保護主義傾向が更に強まれば世界的な景気減速懸念が台頭し、リスク回避の動きが活発化する可能性が指摘されます。先週顕著となった南アランドや中南米諸国など新興国通貨下落も今後のリスク要因です。
今週は明日の米朝会談を焦点にリスク選好と回避の綱引き状態でドル相場も乱高下する可能性があります。
足元の豪ドル相場―売り買い交錯となるでしょう。
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7560-0.7677 AUDYEN 82.58-84.53
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7500-0.7700 AUDYEN 82.00-85.00
先週の豪ドルはリスク選好の動き(ユーロ反発)に加えて発表されたQ1GDPが予想を上回り、76セント台後半、84円台半ばまで上昇しましたが、週末のG7サミットを控えた警戒感もあり76セント割れ、82円台半ばまで反落しました。
今週は上述のように米朝会談や利上げが予想されるFOMCなど重要イベントが重なり、主要通貨動向に左右されながら豪ドルもアップ、ダウンが予想されます。
豪ドルの三大通貨特性であるリスク通貨、資源通貨、高金利通貨の面から見ますと、米朝会談を経て果たして足元のリスク選好局面が継続するか? 資源通貨という面では最近の原油価格の反落が懸念事項です。
また高金利通貨という面では今週のFOMCで米国の利上げは確実視されますが、今後の利上げ継続の方向性が明確に示されれば、現在15-20bp程度劣勢にある米債利回り格差が更に広がり豪ドルにとって不利でしょう。
サポート要因はECB理事会で出口戦略が更に鮮明化すればユーロ高となり、豪ドルもフォローするでしょう。 また国内指標では木曜日に5月の雇用統計が発表されます。
前回は失業率が5.6%に1bp悪化する一方就業者数は+22.6千人でした。
このように豪ドルを取り巻く環境は好悪混合で、暫くは最近のレンジ74-76セント台、81-85円レンジが維持されるものと思われます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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