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今週の豪ドル見通し(2 July 2018)

<主なイベント>

7/2(月)日銀Q2短観、中国6月財新製造業PMI、ユーロ圏6月失業率・PPI、米6月ISM製造業景気指数
3(火)RBA理事会、ユーロ圏5月小売売上高、米5月製造業受注、米6月自動車販売、米株式・債券市場は短縮取引
4(水)中国6月財新サービス業PMI、米独立記念日休場
5(木)カーニー英中銀総裁講演、米FOMC議事録、米6月ADP雇用者数、米6月ISM非製造業景気指数 6(金)米5月貿易収支、米6月雇用統計、米対中輸入関税実施予定日

<マーケットの焦点>

 

先週は週初米中貿易摩擦懸念が強まり、上海株が年初来の安値に下落したこともあり、世界的に株価は軟調でリスク回避ムードが高まりました。
週末のEUサミットで移民政策で合意を見たことからユーロが急伸しドル軟調となりましたが、一方ドル円はリスク回避の後退で111円台手前まで上昇し、今朝は111円台を付けました。
中国に対する投資制限の話やトランプ大統領がWTOからの脱退を検討しているとの報道も地合を悪化させました。
ただその後ムニューシン財務長官は脱退を否定し、トランプ大統領が中国の投資制限について最も厳しい措置は取らないと発言したことから、今週7/6の米国の対中関税実施を前に両者の歩み寄りが模索されているとの見方が強まり、米中摩擦懸念はやや後退しています。
またFRBが実施した銀行へのストレステスト(健全性審査)の結果を受けて主要大手行が増配や自社株買いを相次いで発表して金融株が上昇したり、原油が一時74ドル台に続伸したこと、更にはEUサミットで移民問題での合意を受けて、週末にかけてはリスク選好の流れも復活しつつあります。
今週は7/4の米独立記念日休場やサッカーワールドカップ決勝リーグなどのイベントもあり、市場の活性度が低下する可能性があります。
一方、米国休場明けの木曜日にFOMC議事録の発表、金曜日の米6月雇用統計、更には同じ金曜日の米国による対中関税発動などの重要イベントも控えています。
米中貿易問題はまさにトランプ大統領の“胸先三寸”で、中間選挙を控えるだけに落としどころを予測するのは極めて困難です。 しかし米朝会談しかりで、「強力な先制パンチの後の譲歩」が常套手段であるだけに、案外両国が歩み寄る可能性があります。
トランプ大統領が「北朝鮮問題に続いて貿易戦争から世界を救った」という“自己満足”に終始する可能性もあります。 北朝鮮問題や貿易摩擦などトランプ大統領が自分で蒔いた種の結果を自分で刈り取るのであれば、リスク回避の動きもリバース(逆転)され、その場合にはドル円も111円台を固める可能性があるでしょう。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―買戻しの動きが先行

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7323-0.7442 AUDYEN 80.69-82.04 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7300-0.7500 AUDYEN 81.00-84.00

 

先週の豪ドルは前週のOPEC総会後の買戻しで74セント台前半、81円台後半の高値から、米中摩擦や上海株を嫌気して73セント台前半、80円台後半に下落しました。
週末にかけては米中摩擦の一服感や原油の続伸から73セント台後に反発。特に豪ドル円はリスク選好の円売りを受けて82円台を回復する動きとなっています。
今週の豪州国内イベントはRBA理事会となりますが、足元の政策変更は予想されません。ただ先月の理事会の声明で削除された文言、「次の政策変更は利下げよりは利上げ」が復活するのか注目されます。
最近の豪ドル軟調の主たる原因は米国の保護主義でありその対象国が主に中国、そしてEUであるためです。
豪州の最大の貿易相手国は中国であり、その中国の最大の貿易相手国はEUという関係です。
したがって今後の豪ドルの方向性もトランプ政策により大きな影響を受けますが、市場はかなり悲観的なシナリオを織り込んでいますので、通商懸念が後退すれば豪ドルも反発する可能性が高くなります。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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