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今週の豪ドル見通し(9 July 2018)

<主なイベント>

7/4(月)黒田総裁講演(日銀地域経済報告)、日本5月国際収支、英国EU離脱に関する白書公表
5(火)中国6月CPI/PPI、独7月ZEW景況感指数、米5月求人件数
6(水)米6月PPI、カーニーBOE総裁講演、NY連銀総裁講演、NATO首脳会議
7(木)米6月CPI、地区連銀総裁講演(ミネアポリス、フィラデルフィア)
8(金)中国6月貿易収支、米6月輸入物価指数、アトランタ連銀総裁講演、トランプ大統領訪英、FRB半期に一度の金融政策報告

<マーケットの焦点>

先週は6日(金)の米国による対中国輸入関税実施日を控えて神経質なマーケットとなりました。
結局米国は当初予定通りに348bioドル相当の輸入品に対する関税を実施し、中国は即日同規模の報復関税実施を通告しましたが、市場既に織り込み済か意外に冷静な反応で、大きな混乱はありませんでした。
織り込み済というよりはその影響が不透明であり市場は静観していたというべきでしょう。
先週主要国の株価は対象国の中国や日本は下げましたが、米国や独、豪州の株価はむしろ反発しました。 ドル相場は対欧州通貨を中心に軟調推移。 独のメルケル首相のCDUとゼーホーファー内相のCSUが移民問題で妥協したことからユーロは1.17台に反発。
また金曜日に英国のメイ首相は公的別荘「チェッカーズ」に閣僚を集め、その場でメイ首相の提唱するソフトBrexit路線が支持されたことを好感してポンドも1.33台まで上昇しました。
欧州通貨高を受けてドル円も110円台前半に反落しています。
今週も引き続き米中の通商問題が焦点となりますが、水曜日のNATO首脳会議でのトランプ大統領の言動も気になります。
パリ協定やTPP、NAFTAなど手当たり次第に離脱・撤退・見直しを強行したトランプ大統領は、NATOについても負担の不公平さを強調してネガティブな発言を繰り返しています。
またFRBは6月利上げ後、年内9月と12月利上げ観測が高まっていますが、米国のQ1GDPは2.0%にやや減速しており、利上げの景気への影響が懸念されます。
水曜日には米6月のCPIが発表されますが現在コアインフレ率は2.2-2.3%程度とFRBのインフレターゲットにほぼ合致しており、インフレ率の趨勢も今後の金融政策を占う上で重要であり、注目されます。
基本的に金利格差・景気格差からはドルの堅調が予想されますが、やはり通商問題が悪化する場合には、世界経済への悪影響からリスク回避のドル売り/円買いという構図が継続しそうです。
先週は中国やEU以外に、ロシアも対米報復関税の実施方針を明らかにしています。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―底堅い展開でしょう

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7310-0.7444 AUDYEN 80.98-82.26 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7300-0.7500 AUDYEN 81.00-84.00

 

先週の豪ドルは米国の対中輸入関税実施への警戒感はあったものの、発表後も市場に大きな混乱はなく、豪ドルは74セント台、82円台に上昇しています。
米中貿易摩擦は大きな懸念材料ですが、いずれ落としどころが見えてくるという楽観的な見方が優勢で、世界的な貿易戦争に発展するとの見方は一般的ではありません。
また先週のRBA理事会では、2016年8月の利下げ以降、21理事会連続の金融政策据え置きが発表されました。 RBA理事会の声明文においては世界経済及び豪州経済について前向きな見方を示しました。
一方、世界経済への懸念材料として保護主義の台頭を挙げ、また国内経済の問題点は家計収入の低迷と家計負債の増大を指摘しています。
今週も米中貿易摩擦の進展を見ながらとなりますが、豪ドルも6月以降かなり売り込まれただけに、問題の更なる悪化が回避される場合には豪ドルも底堅い展開が予想されます。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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