「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
8/6(月)独6月製造業受注
7(火)RBA理事会、米6月求人件数
8(水)日本6月国際収支、中国7月貿易収支、リッチモンド連銀総裁講演
9(木)ニュージーランド準備銀行理事会、中国7月CPI/PPI、米7月PPI、日米貿易協議
10(金)日本Q2GDP(速報値)、米7月財政収支、米7月CPI
トランプ大統領の思惑通りに行くか?
先週も日銀金融政策会合、英国中銀理事会、米FOMC、米7月雇用統計などイベント満載であったが、米国のNYダウはやや上昇したものの、日本や中国、欧州の株価は冴えない展開となった。
米中貿易摩擦が更に激化し、イタリアの財政赤字問題が再浮上、更にイランと米国の対立など世界的に不安材料を抱えている。
米国が中国輸入品2,000億ドルに対する25%関税課税を発表したことに対し、中国は米国からの輸入品600億ドルに対する最大25%の報復関税を発表し、米中貿易摩擦は激化しつつある。
日銀会合では長期金利にある程度の変動を認め、長期金利の上昇傾向を追認した形だが、黒田総裁は出口戦略を頑なに否定し、ドル円は一時112円台前半まで反発した。
また英国中銀理事会では予想通りに25bpの利上げとなったが、今後の利上げに対しては慎重なスタンスが確認され、理事会後にポンドは反落。
FOMCでは米経済に対するポジティブな評価がなされ、7月雇用統計において非農業部門就業者数は予想を下回ったものの、年内後2回の利上げ観測に変わりはない。
今週発表される米7月CPIが上昇傾向を再確認すれば、金利格差・景気格差からは米ドルがサポートされることになる。
ユーロは先週のECB理事会におけるハト派スタンスに加えてイタリアの財政赤字問題再燃もあり1.15台半ばに下落し、総じて“ドル高、欧州通貨安、円高地合”となった。 今週も米中貿易摩擦問題から目が離せない。
8/9には日米貿易協議が予定されるが、ライトハイザー米通商代表部代表は「米国は日本に対して慢性的な赤字があり、日本に農産物の市場開放を求める」と述べるなど、米中摩擦が日本に飛び火する可能性も否定できない。
7月下旬トランプ大統領は「ドル高批判、金利上昇批判」を展開したが、11月の中間選挙では民主党が下院過半数を挽回するとの観測もあり、トランプ大統領の保護主義圧力、反移民政策は更にエスカレートすることが予想される。
ただ、はたしてトランプ大統領の思惑通りに事が運ぶか?
米国の関税政策に対しては相手国のみならず米国内の製造業や輸出業者から関税による米国の競争力低下に対する激しい抗議の声が上がっており、関税政策の負の側面が今後顕著となる可能性がある。
加えて金融引き締めの影響から株式市場などアセット市場が更に続落する可能性も否定できず、これらの事象が反トランプの運動に結び付くことも考えられる。
関税による輸出減少を補うために、トランプ政権が更にドル高牽制にシフトすることも考えられる。
株価下落や新興国からの資金流出などの米金利上昇の影響が再びクローズアップされれば、トランプ大統領が意図しない形でドルが下落する可能性があるだろう。
足元の豪ドル相場―依然揉み合い相場だが、円高に振れる可能性には要注意.
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7348-0.7440 AUDYEN 81.5-83.26
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7250-0.7450 AUDYEN 81.00-84.00
先週豪ドルは引き続き対米ドルで73-74セント台の揉み合いとなり、対円ではドル円の反落を受けて一時82円台を割り込むなど軟調推移した。
米中貿易摩擦への懸念から商品相場が総じて軟調だが、原油価格については中国が米国産の原油輸入停止を検討しているとの観測もあった。
今後貿易戦争激化となれば商品相場は続落し、豪州の交易条件悪化からRBAは利下げに転換せざるを得ないとの見方が一部出ている。
発表された国内指標、6月の住宅建設許可件数、貿易収支、小売売上高はいずれも予想を上回る好結果であったことが豪ドルを下値でサポートした。
今週国内イベントではRBA理事会があるが、利上げの時期が2020年前半までずれ込み、むしろ利下げの思惑もちらほら出始めている時期だけに、RBAの国内経済や米国の通商政策に対する見解が注目される。
6月の理事会以降「次の政策変更は利下げよりはむしろ利上げ」の文言は削除されている。
豪ドルは中期的には下げ相場から下値圏での揉み合いとなっているが、まだ“ボトム圏を形成して底離れ”といえる状況にはない。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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