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今週の相場見通し(3 September 2018)

<主なイベント>

9/3月)豪州7月小売売上高、中国8月財新製造業PMI、米国レーバーデー休場 4(火)RBA理事会、米9月自動車販売、米8月ISM製造業景況指数
5(水)豪州Q2GDP、米7月貿易収支
6(木)豪州7月貿易収支、米8月ADP雇用者数、米8月ISM製造業景況指数、2000億ドル規模対中関税発動、米国・カナダNAFTA再交渉
7(金)自民党総裁選公示、中国8月外貨準備高、米8月雇用統計
<マーケットの焦点>

先週は主要国の株価に大きな崩れはなく米国とメキシコがNAFTA再交渉で合意するといった明るい話題もあった。
しかしカナダとの交渉は今週再交渉となったも先週時点では決裂し、今週は中国に対する2000億ドル相当への追加関税実施をトランプ大統領が支持したとの情報や、同大統領が「北朝鮮非核化の遅れの原因を中国の北朝鮮への圧力」と述べて中国をけん制したこと、英国のBrexitを巡ってもバルニエEU首席交渉官が「合意なき離脱を含めてあらゆる可能性に備える」と述べたこと、更には再び新興国通貨が下落し始めたことなどから、週末にかけては「リスク回避のドル買い・円買い」が活発化した。
ユーロは再び1.16台割れに、ポンドは1.29台割れに、豪ドルは72セント割れに下落し、ユーロ円は128円台、ポンド円は143円台、豪ドル円は80円割れと“通貨安・円高”傾向となりつつある。
発表された米国のQ2GDP(改定値)は速報値の+4.1%からの下方修正予想に対して+4.2%と強い数字を示し、今月9/25-26日のFOMCにける追加利上げ観測は強く、ドル相場自体は堅調と言えるだろう。
しかしFRBの利上げは今年後2回、そして来年は2回の利上げで“利上げ終了”との観測が一般的で、市場は徐々にFRBの利上げ終了後をイメージし始めている。 むしろ足掛け3年にわたる金融引き締めの影響で米経済が徐々に減速局面に入りつつあるとの見方が強まれば、ドル相場自体も下落する可能性が出てくるだろう。
加えて米中摩擦や新興国不安、Brexitに対する懸念も強く、引き続き足元の米経済に対する強気の見方とリスク回避要因が混在した不安定な相場展開が今週も続きそうだ。
また11月の中間選挙に向けて支持率が上昇しつつあるトランプ大統領であるが、先週のマケイン上院議員(共和党)追悼式にも出席せず、出席したオバマ元大統領や共和党のブッシュ元大統領からもトランプ政策への苦言が呈せられた。 このまますんなり中間選挙圧勝そして2020年に再選とはいかない可能性がある。 トランプ大統領の言動は今週も“相場かく乱要因”として要注意であろう。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―軟調推移

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7175-0.7362 AUDYEN 79.67-81.79
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7050-0.7250 AUDYEN 78.50-81.50

 

先週初、“豪ドルはモリソン新首相就任を受けて政局混迷のあく抜けから堅調推移”と予想したが、実際には大幅下落となった。
発表された住宅建設許可やQ2の民間設備投資が予想を下回ったことや、上記のように今週米国が対中国追加関税2000億ドルを発動するとの懸念が再び豪ドル下落を誘った。
首相の交代劇によるカンフル効果もまさに一過性であり、同時に指摘した「買い戻し一巡後続伸の可能性が低い」という箇所が大きくクローズアップされた形だ。
本日発表された豪州7月小売売上高は前月比±0と前回の+0.4%から大きく落ち込み、再び賃金上昇率低下で家計収入の伸び減速・個人消費鈍化懸念が強まりそうだ。 今週はQ2GDPや7月貿易収支など国内指標からも目が離せない。
米中摩擦に加えて国内景気の減速の兆候など、再び豪ドル悪材料が目立つ地合になってきた。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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