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今週の相場見通し24 September 2018

<主なイベント>

9/24(月)日本祝日(秋分の日)、日米通商会議開催、ドラギ講演、英労働党大会、トランプ大統領対中2000億ドル関税発動、中国休場
25(火)日銀議事録、黒田総裁講演、国連総会一般討論演説、トランプ大統領演説 26(水)日米首脳会談、FOMC
27(木)NZ準備銀行理事会、黒田総裁講演、米8月耐久財受注、米Q2GDP確報値 28(金)日本8月雇用統計、中国9月財新製造業PMI

<マーケットの焦点>

先週は米中の相互関税課税(既に決定)合戦を巡る思惑や“合意なきBrexit”懸念の高まりなどリスク回避要因が多い中、市場は不思議なくらい冷静でありNYダウは年初の史上高値を更新するなど主要国の株価は続伸した。
むしろリスク選好の活発化を受けてドル円は112円台後半まで上昇し、ユーロは一時1.18台前半、133円台前半、ポンドは1.32台後半、149円台後半まで上伸した。
将にリスク要因を市場が切り捨てた形だが、ドル円に関しては幾つかのサポート要因もあった。 日銀会合で黒田総裁が超低金利政策の継続を明言、安倍首相の3選、8月の日本の貿易収支が赤字、中国の李首相が「人民元の切り下げを行わない」と発言など。
今週は本日から米国の対中輸入2000億ドル分への追加関税発動があり、また国連総会でのトランプ大統領の演説、日米首脳会談、FOMC、日米貿易協議など重要なイベントが盛り沢山だ。 FOMCでは利上げが既に織り込み済であるが、利上げ後2.0%となるFF金利の最終目標を3.0%程度とするとの従来の金利見通しが再確認されれば、12月利上げを織り込む動きが更に強まるだろう。
ただ12月の利上げもある程度織り込みつつあるのも確かであり、また米利上げの負の影響も指摘される中、FOMC直後は“sell on fact”でドルが売られる可能性には留意したい。
また水曜日の日米首脳会談では貿易問題が主な議題となるが、トランプ大統領は日米友好関係とは別に通商問題では厳しい要求を突きつける可能性がある。 日本は農産物への関税引き下げなどで譲歩することで自動車の非関税障壁への非難をかわして数量規制は避けたいところだろう。因みに現在日本の対米自動車関税はゼロ%、米国の対日は2.5%で関税面では日本はむしろ譲歩している。
Brexitに関しては北アイルランド問題で両者は相容れず、協議が暗礁に乗り上げている。 メイ首相は窮地に陥り、11月解散総選挙も打診しているが、それ以前に英国とEUの合意形成は極めて困難な状況になる。
ただ貿易問題やBrexit問題など以前であれば大きなリスク要因と認識されリスク回避の円買い、欧州通貨大幅下落となったものが、最近の相場はむしろ新たな国際秩序や貿易秩序構築過程と見るかのように冷静に受け止めている。
つまり貿易摩擦問題やBrexitの向こう側を既に見始めているのか、市場の大きな混乱を緩衝材(ショックアブソーバー)のように受け止めているかのようだ。
足元株高・リスク選好の動きがどの程度継続するのか見極めたい。

 

 

<豪ドル相場>

 

足元の豪ドル相場―堅調推移だが調整反落に注意

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7142-0.7229 AUDYEN 79.77-82.36 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7150-0.7350 AUDYEN 80.00-83.00

 

先週豪ドルは米中摩擦やBrexitなどの悪材料にもかかわらず、市場のリスク選好の活発化を受けて72セント台前半、82円台前半まで続伸した。 ユーロやポンドなどリスク通貨と分類される欧州通貨が急反発した動きに豪ドルもフォローした形。 また中国の李首相が米中摩擦にもかかわらず「中国は通貨切り下げを実施せず」と発言したことも市場の安心感につながった。
今週は大きな国内イベントがなく、日米通商交渉や国連総会、そしてBrexitの進展などの海外主要イベントの内容を見ながらの展開となろう。 テクニカルにも一目均衡表の雲を上抜け(豪ドル円)、あるいは接近(豪ドルドル)し、ボリンジャーバンドの上限に達するまで反発した豪ドルであるが、既に長く続いた“売られ過ぎ状態”が解消して“買われ過ぎ”の領域に入りつつあり、再びネガティブな材料が出れば反落する可能性には注意したい。

 

 

―お客様各位― 弊社AT Money Service (豪州証券投資委員会登録番号ABN :28128809790、送金ライセンス番号:IND100562304-001)はシドニー為替会社大手Ruizean (https://ruizean.com/)と業務提携し、お客様に安全かつ有利な送金為替サービスを提供いたします。 送金に際してはAT Money Service Director 津田 穣(メールアドレス:jtsuda7@gmail.com)までご連絡ください。 またFXトレーディングに興味のある方はFXマガジン社に登録する弊信(メルマガ)http://www.fxmagazine.jp/wellcometo/fxmagazine.htmlをご参照ください。 宜しくお願いいたします。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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