「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
10/15(月)APEC財務相会合、米9月小売売上高、米半期に一度の為替報告書
16(火)中国9月CPI・PPI、米8月求人件数、米9月鉱工業生産、8月対米証券投資
17(水)英9月CPI、米9月住宅着工件数、FOMC議事録、EU首脳会議
18(木)豪州9月雇用統計、日本9月貿易収支、日銀地域経済報告、EU首脳会議
19(金)日本9月CPI、黒田総裁挨拶、中国Q3GDP、中国9月小売売上高・鉱工業生産、米9月中古住宅販売、カーニーBOE総裁講演、イタリア中銀四半期経済報告
先週主要国の株価は大幅下落(NYダウは前週末比で約1100ポイント下落)し、ドル円は一時111円台後半とドル全面安地合になった。
主な原因は米債利回り上昇(10年債は3.2%台)や米中通商摩擦から企業収益悪化懸念が高まったことによるが、FRBの利上げや通商摩擦、Brexitやイタリア財政問題など多くのリスク要因を飲み込みながら続伸してきた株価に過熱感が出ての調整であろう。
ただ米小売り大手シアーズが破産申請を検討しているとか、サウジのジャーナリスト暗殺疑惑などの不安材料も多かった。
株高を自身への評価と解釈してるトランプ大統領は「市場の調整はFRBにより引き起こされた。FRBは厳しすぎる。間違っている」とヤケ気味だが、パウエル議長は金融政策の独立で反論している。
大統領に議長罷免権はないが株の大幅下落に歯止めが掛からない場合には今後パウエル議長が利上げに慎重になる可能性はあるだろう。
また11月のブエノスアイレスサミットで米中首脳会談が開催されるとの観測もあったが、こちらも双方が相手の出方を探っている状況で確定していない。
バリで開催されたG20では通商懸念が各国から表明されたがIMFはコミュニケで「貿易有利を目指した通貨切り下げ競争を慎むことで各国合意」と伝えている。
一方ムニューシン米財務長官は日本との“物品貿易協定(TAG)”交渉で通貨安誘導を阻止する「為替条項」を盛り込むことを日本に求めることを明らかにした。
週末サウジはジャーナリスト失踪に関して「懲罰的措置を受けた場合には、サウジは世界経済に対する自国の影響力を行使し報復する」と述べている。
今週のポイントは主要国株価の急落が一時的かあるいは続落するか?であるが、その一因となる米中摩擦については本日米財務省が発表する「半期に一度の為替報告書」で中国を為替操作国に認定するかという点。
先週は“引き続き監視リストに掲載するが操作国認定は見送り”との観測が出たが、ムニューシン財務長官は沈黙を貫いた。
先週は主要国の株価大幅下落を見たが、ガス抜きが終了したのか?あるいは様々のリスク要因が絡んで今後更に続落し、金融市場が混乱する事態になるのか注視したい。
もし市場の混乱が収まらない場合には、既に問題視される新興国経済への波及という新たな懸念を生むことになる。
足元の豪ドル相場―売り買い交錯か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7041-0.7139 AUDYEN 79.05-80.60
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7000-0.7200 AUDYEN 79.00-82.00
先週豪ドルは主要国の株価大幅下落によるリスク回避の動きが活発化し、70セント台半ば、79円台前半まで下落したが、週後半は欧州通貨にフォローする形でやや反発した。
先週金曜日に発表されたRBAの“金融安定化報告”では「貿易摩擦と中国経済の減速が世界経済の下方リスク」と述べている。また国内経済では「家計負債が金融システム以上に経済へのリスク」ともの述べている。
今週木曜日には9月雇用統計が発表されるが、前月の非常に強い数字(失業率5.3%、就業者数+44千人)の後だけに反動も予想される。
ただ主な材料はやはり世界株価動向を含めた対外要因であり、その時々の材料により豪ドルもアップダウンとなろうが、中期的にはまだダウントレンドを抜けたわけではないと言えるだろう。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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