「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
10/22(月)日EUハイレベル貿易経済対話
23(火)カーニー総裁講演、フューチャー・インベストメント・イニシャチブ(~25日サウジアラビア)
24(水)独・EU製造業PMI、米9月新規住宅販売件数、FEDベージュブック、WTO閣僚会合
25(木)安倍首相訪中、ECB理事会、米9月耐久財受注、米9月中古住宅販売
26(金)米Q3GDP
先週主要国の株価は前週の大幅下落から回復基調となりNYダウや欧州株価は前週をやや上回る引けとなった。
来年の消費増税を再度確認された日本や景気減速懸念のある中国(上海総合指数)は前週末を回復し切れていない。 ドル円は112円台後半まで反発し、ユーロも一時1.14台前半まで下落するなどドルインデックスは95.38まで反発している。
先週も米国サイドではトランプ大統領は「私にとりFRBが最大の脅威」、「中間選挙で負けても自分の責任ではない」など、相変わらず過激発言を繰り返している。
発表された為替報告書では中国を強く警戒しつつも、今回も為替操作国認定を避けた。 トルコ大使館でサウジアラビアのジャーナリストが失踪した事件でサウジアラビア当局は同ジャーナリストが殺害されたことを認め、欧州はじめ各国から強い非難声明が出された。 Brexit関連では引き続き楽観・悲観論が渦巻き合意に向かっているとは言い難い。
またEUがイタリア予算案受け入れを拒否した。
週末もいくつかのニュースがあった。
・米国は“中距離核ミサイル(INF)全廃条約”(1987年にレーガン大統領とゴルバソ連大統領の間で締結された)離脱を表明。同条約の制限を受けない中国の拡大に対抗するためか。 ・サウジジャーナリスト殺害問題では独はじめ欧州各国が非難声明を出し、トランプ大統領も制裁の可能性を示唆。しかし米国はサウジと1000億ドルに上る武器購入契約を結んでおり、対イラン対策上もサウジとの決裂は避けたい。一方サウジは「制裁実施されれば報復する(原油関連)」と述べるなど、その進展が注視される。
・Brexit関連では英国で反離脱派が大規模離脱反対デモを起こしており、国民投票再度実施を要求している。3月離脱に向けて“合意なき離脱”も依然くすぶっており、不安定な状況が続きそうだ。
今週は金曜日に米国Q3GDPが発表される(予想+3.3%、前回+4.2%)
。Q2の非常に強い数字からやや減速するが3%以上であれば、引き続きFRBは利上げ政策継続と市場は判断し、景気格差・金利格差からは米ドルサポート要因となろう。
一方急激な米債利回り上昇となれば再度先々週のような株価の下落を引き起こす可能性もあり要注意である。 また上記のようにサウジアラビアの各国非案(制裁)への報復も含めて、依然リスク要因が多いことも忘れはならない。
また米中間選挙直前ということでトランプ大統領のなりふり構わぬ自己アピール発言で市場が混乱する事態もあらかじめ想定しておきたい。
足元の豪ドル相場―売り買い交錯か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7089-0.7159 AUDYEN 79.48-80.49 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7000-0.7200 AUDYEN 79.00-81.00
豪ドルは先々週の主要国の株価大幅下落によるリスク回避の動で70セント台、79円台に落ちた後、リスク回避一服の動きを受けて71セント台半ば、80円台半ばまで反発した。
発表された9月の雇用統計では、前月の就業者数大幅増加(+44.6千人)の反動もあり+5.6千人と小幅上昇に留まったが、失業率は2012年の資源ブーム時以来の5.0%まで改善した。(ただし労働参加率は前月の65.7%から65.4%に低下)
今週は主な国内諸指標の発表はなく、引き続き国外要因、特に主要国の株価動向、サウジ情 勢、Brexitやイタリア財政問題、米中摩擦などを見ながらの神経質な展開となりそうだ。
リスク要因に大きな悪化がなければ70セント、79円という今年の安値圏は押し目買いでサポートされるだろうが、引き続きリスク許容度の大幅増加も考え難く、上値では利食いの売りも活発化しよう。
引き続きユーロをはじめとする欧州通貨に連動した動きとなろう。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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