「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
11/12(月)日本10国内企業物価、米債券市場休場
13(火)独10月CPI・11月独/ユーロZEW景況感指数、米10月財政収支、安倍・ペンス副大統領会談
14(水)豪WESTPAC消費者信頼感、日本Q3GDP・10月鉱工業生産・小売売上高、独 Q3GDP、英10月CPI、米10月CPI、パウエルFRB議長講演、クオールズFRB副議長下院議会証言
15(木)豪州10月雇用統計、米10月小売売上高、米11月NY連銀景気指数、フィラデルフィア連銀景況指数、クオールズFRB副議長上院議会証言、APEC会議
16(金)米10月鉱工業生産・設備稼働率、米9月対米証券投資
注目の米中間選挙は大方の予想通りに上院で共和党が過半数を占め(51-46)、下院で民主党が8年ぶりに過半数奪還(225-201)という“ねじれ議会”となった。
ねじれ現象を嫌気した株価下落の思惑もあったが、米国はじめ主要国株価はむしろやや堅調裡に取引され、為替市場ではドル円が一時114円台、ユーロ1.13台前半、ポンド1.29台後半など“ドル高・円安“のリスク選好地合となった。
ねじれ議会となりトランプ大統領の政権運営に今後支障をきたす事態も予想されるが、取り敢えず中間選挙が大きなサプライズなく通過したこと、及びトランプ大統領が今後インフラ対策などの経済政策に主眼を置く、更には従来の排他的政策に歯止めが掛かるなど期待感が先行した結果であろう。
ただ民主党は早くもロシア疑惑やトランプ大統領の納税疑惑追及の構えであり、今後トランプ政権の足かせとなることが予想される。
トランプ大統領は週末に仏で行われた第一次大戦終結100周年の式典に出席したが国際協調を呼びかけるなどトランプ政策に批判的な仏のマクロン大統領との間で意見の相違が浮き彫りになっていた。
年末に向けての一大イベントである米中間選挙も終わり、今週は再び米経済指標やパウレルFRB議長の講演など米経済・金融政策が注目されることになる。
先週金曜日に発表された米10月PPIは予想を上回り、今週14日に発表されるCPIも2.0%台前半の堅調な数字が、また15日発表予定の10月小売売上高も強めの数字が予想されるが、結果が予想の範囲内であれば一段と12月利上げ観測を裏付けするだろう。
FRBの利上げに批判的であったトランプ大統領のトーンダウンとなればFRBは”仕事がやりやすくなる“かもしれない。
14日に予定されるパウエルFRB議長の講演や、14/15日のクオールズFRB副議長の下院/上院での議会証言が注目される。
このように景気格差・金利格差から言えば依然米国独り勝ち状態で年末に向けてドルの堅調地合が予想される。
一方不安材料はねじれ議会においてトランプ政策の不確実性が更に高まると予想されることだ。大敗を免れて、あるいはねじれ議会に嫌気を差して更に強権的な手段に出る可能性も否定できない。
更にBrexitや欧州不安(イタリア財政問題、南欧諸国の景気・財政問題、独はじめ主要国での極右政党の勢力拡大など)、中国の株価下落などの諸問題が年末に向けて不安定化する可能性にはいつでも留意する必要があるだろう。
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7182-0.7302 AUDYEN 81.24-83.05 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7100-0.7300 AUDYEN 80.50-83.50
先週の豪ドルは米中間選挙後のリスク選好の動きで一時9月末以来の73セント台、7月末以来の83円台まで反発したが、週末に向けて欧州通貨の反落に連れて72セント台前半、82円台前半に値を落とした。 先週はRBA理事会やRBAの“四半期金融政策報告書”と発表があり成長やインフレ予想についてはRBAの前向きな見解が確認できた。
2019年のGDPを従来予想の3.0%から3.5%に、2020年の失業率予想を5.0%から4.5%に上方修正し、2019年のインフレ予想を2.25%とRBAのターゲット内への上昇予想となっている。
金融報告書でも「インフレ見通しや失業率の改善からどこかで利上げの見通し」と述べているが同時に「差し迫った政策変更の必要性は認められない」と述べているのは従来と同様のスタンス。
今週は10月雇用統計が発表されるが前回の不冴えな従業者数(+5600人)から2万人増加が予想される一方、前回5.0%まで改善した失業率は5.1%にやや悪化予想となっている。
豪ドルは“売られ過ぎ状態”もかなり調整された状況で、依然としてリスク要因に事欠かない現状、更に上値を追うという展開は予想しがたい。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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