「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
20 December 2018
Joe Tsuda
2019年の相場見通し
2019年主要国イベント予定
日本 | 主要国 | |
1月 | 1/3米国議会開始 1/8金委員長誕生日 1/20米大統領就任3周年 中旬TPP11閣僚会議 中旬中国2018年GDP発表 下旬米大統領一般教書演説 | |
2月 | 日欧EPA(経済連携協定)発動 | 上旬米大統領予算教書 |
3月 | 3/29英国EU離脱 上旬米中貿易問題解決提出期限 米国債務上限問題 中国全人代 米通商代表部外国貿易障壁報告書 | |
4月 | 4/1新元号発表 4/30天皇陛下退位 | 4/26米第一四半期GDP速報値 中旬米財務省半期為替報告書 ボア・アジアフォーラム |
5月 | 5/1新元号、新天皇即位 | 豪州総選挙 |
6月 | 6/28-29G2サミット大阪 下旬G20福岡 | 中国一帯一路サミット 中国上海協力機構首脳会議 アジアインフラ投資銀行年次総会 |
7月 | 7/1香港返還22周年 7/26米4-6月GDP速報値 中国共産党中央政治局会議 Brics首脳会談 | |
8月 | 8/1中国人民解放軍建軍92周年 ASEAN設立52周年 | |
9月 | 9/20~11/2ラグビーワールドカップ | 下旬国連総裁 |
10月 | 10/1消費税10%に増税 10/23即位礼正殿の儀 | ドラギ総裁任期満了 |
11月 | APEC首脳会合 | |
12月 | 12/18中国「改革開放」41周年 COP24(国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議 |
2018年相場レビュー
今年の為替相場はドル高・欧州通貨安・資源通貨安であった。 円クロスが総じて保合ということはドル円はそこそこ堅調であったということだ。 株式市場は米株など一時史上高値を更新した後に反落し、中国はじめ軒並み年初レベルを下回った。また商品相場も値を下げて終わった。 債券利回りも一時上昇後低下という結果であった。 年間を通じてリスク回避の動きが断続的に襲ったが、主な原因は米中摩擦、Brexit、欧州政治・経済不安、そしてトランプ政策などであった。 昨年末の“今年のドル予想”を見ると:
「トランプ税制改革によるリフレ政策や米金融引き締め、本国投資法による米国へのリパトリにより基本的には米ドル堅調地合を予想。ただトランプ政権のとん挫の可能性もゼロではなく、他方保護主義政策の一環としてドル高牽制の可能性も残る。 更に米金融政策引き締めで米経済スローダウンの可能性も否定できない。また米中関係が悪化する場合には中国の米債売却圧力が増加して米ドル相場にも影響を与え、予期せぬドルの急落局面もありうる」としている。 |
米国への資金還流の活発化などを背景とした「ドル高の予想」は結果として当たったが、欧州通貨の大幅下落は想定外であったし、“ドルの急落局面”も3月を除けばここまで実現していない。 特に欧州通貨大幅下落については読み間違いである。 筆者の心底には“いずれ欧州経済回復でECBの出口戦略進みユーロ高”の考えがあったことは否定できない。 読み違いの原因として今年年初ユーロやポンドが上昇トレンドの高値圏にあり、むしろブルセンチメントであったことだ。 ユーロは昨年1.03台から今年年初にかけて約3年ぶりの高値1.25台に上昇し、ポンドも1.18台から約1年半ぶりの1.43台まで上昇していた。 しかしながら、この1年はBrexit懸念や欧州政治・経済不安からユーロは1.12台、ポンドは1.24台まで反落し、相対通貨としてしてのドルを押し上げた。 その間ドルインデックスは年初の88台から年末には97まで上昇した。 また“FRBの利上げによる米経済の失速懸念”は予想していたものの、明確な景気減速の兆候なしに来年の利上げ観測が一気に後退する事態は想定しなかった。 2015年12月に始まった今回の米国の引き締めサイクルは12月の利上げで9回目となるが、9月末のFOMCでは“年内後1回、来年3回の利上げ”がコンセンサスであった。
来年の相場見通し
来年の予想定レンジ ( )は今年ここまでのレンジ USDYEN : 100.00-115.00 (104.63-114.55) EURUSD : 1.1000-1.2500 ( 1.1215-1.2556) GBPUSD : 1.1500-1.4500 (1.2476-1.4376)
「悲観論渦巻くの中に新たな希望の光が見える年」 ドルが反落、欧州通貨は“希望的観測で言うと”年後半反発、円は引き続き補助通貨。 ただし久々に日本が脚光を浴びる可能性→日本発の材料で「円」が動くか?
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毎年年初には市場も気分を一新し、新年に向けての新たな希望が市場にみなぎるものだが、来年は楽観的予想が困難な年だ。 理由は明白で、市場に横溢するリスク要因がそっくりそのまま来年にバトンタッチされることだ。 米中摩擦、Brexit、欧州政治・経済不安、米経済の失速とFRBの利上げ停止、トランプ政権の不安定化など。加えて新興国不安、地政学的不安(中東、東アジア、トルコ、南ア、中南米など)、日本の消費増税など、不安材料には事欠かない。 しかし「市場予想は概して裏切られること」を想起すれば、意外と“リカバリーの年”となる可能性も否定できない。 最大の理由は、リーマンショックや欧州ソブリンリスクなどの“経済的破綻に基づく有無を言わさぬリスク”ではなく、上記の多くのリスク材料が“人為的”かつ“政治的“リスクである点だ。 政治的リスクは政策転換あるいは為政者そのものが交代すればその影響は大きく変わる。 同時に注意すべき点は、自国第一主義、保護主義は何もトランプ政権に限られたものではなく、右翼主義など排他的思想の台頭はある種世界的な潮流である点だ。 この潮流が更に激化するのであれば世界経済への影響は甚大であろう。 当然のことながら、”今現在は予知できない新たな材料(好材料・悪材料)“が降って湧くことも間違いのないところだ。 来年は今年にも増して”政治や思想が経済に与える影響“を注視する必要があるだろう。 1.米中摩擦 米中摩擦は基本的に世界経済を二分する両国の覇権争いであり、今後も数々の局面で表面化するだろう。足元はIT戦争である。スマホの世界シェアは既に勢力地図が1 SAMSUNG(韓国)、2.Huawei(中国)、3.Apple(米国)、4.Xiaomi(中国)、5.Oppo(中国)と中国勢力が躍進している。OSの世界でも一頃はアップルとアンドロイド(グーグル開発)が対立軸であったが、今や中国は独自のOSを開発し、市場シェアは中国が徐々に侵食し、このままでは米国を追い越す可能性が高い。来年も米国と中国の覇権争いは貿易やITなどの通商・産業案件から安全保障や人権、思想に至るまで拡大し、米債売却問題を含めて少なからず相場の波乱要因となるだろう。 2.トランプ政策―トランプ政権も3年目に突入する。2020年の次期大統領選への出馬の有無も注目されるが、”ねじれ議会“の中で外交、安全保障、移民政策、経済政策などでどのように政権運営するか?共和党内での不協和音も聞こえる。今回の”宇宙軍創設“のみならず奇抜なアイデアや無軌道かつ予測不能な言動が今年同様に来年も相場をかく乱しそうだ。
3.欧州情勢 Brexitが暗礁に乗り上げている大きな理由は、EUが英国に続く脱退者を警戒し、英国を“見せしめ”にしようとしていることによる。 ただ、どのような形にせよ、来年前半でBrexitは決着を見るだろう。 またEU不安の根本的原因は”金融統一・財政不統一“にあると言われるが、逆に財政も統一すれば”国のアイデンティティー“が失われる危険性もあるだろう。 欧州を旅行した人なら単一通貨ユーロの利便性は十分認識するであろうが、ユーロ圏創出は”人知の結晶“であり、世界中で唯一無二の壮大な実験であり、ユーロ継続は”不退転“であると考える。 ユーロの下落は長期スパンで見れば2008年のリーマンショックに端を発し、欧州ソブリンリスクは2009年から始まり実際に終結したのは2015年。今回のユーロ下落は2018年年初から始まったばかりで更に数年続く可能性もある。しかしながら個人的には来年、(でなければ再来年)ユーロ圏は復活すると考える。 英国は勝手に好きな道を行けばよい。(中世の昔から英国はそうであった)。
4.日本 来年は久しぶりに日本が脚光を浴びそうだ。 G20議長国、新天皇即位、消費増税、ラグビーワールドカップ、プレ2020オリンピック、日銀出口戦略などの注目材料がある。 ただ日本が独自路線で世界のリーダーになるなどは毛頭期待していない。 G20議長国として、ドナルド/シンゾーの良好な関係(?)を利用して、保護主義、右翼主義などの偏った思想の中和剤になってくれれば十分であると考える。 黒田バズーカ砲発射からそろそろ6年、来年は日銀の次の一手が必要となるだろう。 ただ足元ドル円は日本発の材料で動くよりは引き続きリスク回避/選好の対象となるだろう。 “リスク回避の円買い”が言われるうちが花。消費増税、オリンピック後の景気失速など不安材料に加えて巨額の財政赤字や少子高齢化もあり、「四面楚歌の円暴落」となる日が早晩来ると考えている。 5.FRBの金融政策 1990年台以降の3回の利上げサイクルにおける利上げ回数は7回、6回、17回とかなりバラツキがあり、今回の利上げサイクルで9回目(12月利上げを含めて)は過去のレンジ内。しかし引き締め期間としては過去3回が1年、1年、2年に対して今回はこの12月に丸3年であり既に最長だ。ただ今回の利上げサイクルの発射台が0.5%と過去最低であっただけに今後の利上げ継続の有無ははなはだ不透明。つまり米国内経済動向のみならず、世界経済の行方に左右される訳で、今後世界経済減速懸念が高まれば一人FRBのみ利上げ継続とはいかないだろう。 利上げサイクルの終了は近いと判断するが、むしろ“有無を言わさず利下げに180度転換“とならないことを祈る。(そうなれば世界経済はかなりマズイことになっている)
豪ドル相場
今年の豪ドル相場 今年の豪ドルは「下落の年」となった。 年初は81セント台前半、89円台前半の高値を付けた後、70セント台前半、78円台半ばまで下落し、現在71セント前後、80円前後といったところ。 昨年末の今年のシナリオは:(昨年末は78セント台、88円台と堅調であった)
1.メインシナリオ―基本的には堅調推移を予想するが、「上げトレンド」または「下げトレンド」と決め打ちできない相場となりそうだ。
予想レンジ:AUDUSD 0.7000-0.8300 AUDYEN 75.00-95.00 米ドル反発やリスク回避による急落局面も想定したい。 2.サブシナリオ(デザスターシナリオ)―豪ドル下落。 予想レンジ:AUDUSD 0.6500-0.7500 AUDYEN 65.00-80.00 二つの豪ドル押し下げ要因 ①極端なドル高―トランプ政権の保護主義強化や本国リパトリの急激な高まりでドル全面高となり豪ドル/ドル大幅下落。 ②リスク回避相場―トランプ政権がとん挫したり世界的に株価に大きな調整が入るなど世界経済先行き不安が強まりリスク回避相場となる。また北朝鮮はじめ地政学的懸念の高まりでリスク通貨豪ドル下落。RBAの利上げ観測は更に遠ざかり、むしろ再利下げ観測が高まり高金利通貨豪ドルの魅力減退。 |
結果としてレンジの下値は70セント、78円台でサポートされ暴落とは言えないが、「基本的に堅調の予想」は大きく外れ、むしろ「サブシナリオ」に近い動きであった。
来年の豪ドル相場
1.メインシナリオ―リスク要因継続で年前半は軟調だが、悪材料織り込みながら年後半反発も
想定レンジ: AUDUSD 0.6800-0.7800 AUDYEN 75.00-90.00 2.サブシナリオ①(豪ドル続落シナリオ)―リスク要因更に悪化し、RBAは利下げへ 想定レンジ: AUDUSD 0.6500-0.7500 AUDYEN 70.00-85.00 3.サブシナリオ②(豪ドル急反発シナリオ)―リスク要因大きく後退し、世界経済拡大でリスク選好地合 想定レンジ: AUDUSD 0.7000-0.8500 AUDYEN 78.00-100.00
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今年の豪ドル軟調の原因は: 1.米中摩擦2.米ドル高(欧州通貨安)3.リスク回避(米中摩擦や欧州不安)4.RBAの利上げ観測の先送りが主な悪材料となった。 したがって来年の豪ドル見通しはこの四つの要因の行方を占うことになるが、1~3は外的要因であり、4のRBAの金融政策もそれら外的要因に影響を受けることを考えれば、来年の豪ドルはやはり“外的要因”に支配されると考えざるを得ない。 国内経済は22四半期リセッションフリーとはいえ、Q3は2.8%に減速し、RBAの利上げ観測は2020年後半にずれ込んでいる。 また来年5月までに予定される総選挙において再び与野党逆転が予想されるなど、政局が不安定化する可能性もある。
1.米ドル相場、リスク要因 既述のように来年も前半は市場のリスク材料の解決ままならず“リスク通貨豪ドル”の上値は限定的だろう。ただ米中関係、欧州情勢(含Brexit)もそれなりに落としどころが見えてくるはず。また米ドル動向についても上記のように、「米ドルが全般的に反落し、欧州通貨がリバウンドする」との予想が当たれば“米ドルの受け皿”である豪ドルも自ずと底離れするだろう。
2)中国経済―“緩やかな減速”見通しが一般的だが、一方今年6.8%、来年6.7%程度の高めの見通しも見られる。「中国製造2025」を掲げてAI(人工知能)やIOT(インターネット介在ビジネス)など最新技術を柱に新規ビジネス創出や産業活性化を目指している。 一つには米中摩擦を背景に輸出に頼らず再度国内産業強化を目指している点。 米中通商摩擦緩和のため米国から大豆など農業製品やエネルギー輸入を増加させる点は豪州にとって不利。しかし豪州からの輸入資源は輸出関連よりは国内用に消費される部分が多く、国内産業重視となれば悲観的側面だけではない。ただ米中摩擦が更に世界規模に拡大する場合には資源国豪州への影響は計り知れない。
3)商品相場―商品相場(CRB INDEX)は5月に211台まで上昇後11月には185まで下落するなど、今年は冴えない展開。 原油価格(WTI)も7月に75ドルまで上昇後現在45ドル台まで下落し、鉄鉱石も3月に80ドルを付けた後現在67ドル台と商品相場が全体的に軟調推移した主な原因は、米中摩擦の激化から世界経済減速懸念が強まっているためである。 またOPEC/非OPECは12月に減産に合意したが、カタールが年内をもってOPECから脱退し、イランの孤立化やロシアの増産疑惑など、生産者側も多くの問題を持っている。 主要国際機関の世界経済予想通りに来年以降世界経済が減速に向かう場合、商品相場も強気な見方ができない。
4)豪州経済とRBAの金融政策 今年11月にRBAは2018年と2019年の成長見通しを当初の3.0%から3.5%に引き上げたが、Q3GDPは2.8%に減速し、RBAの成長予想に早くも黄色信号が灯っている。 今年後半住宅市場の過熱懸念は大きく後退したが、逆に資産価値下落が個人消費や消費者信頼感に悪影響を与えている。 また依然として低い賃金上昇率と家計収入の伸び鈍化から消費者物価はRBAのターゲットである2-3%を下回っているのもRBAの懸念事項。 家計債務は依然として過去最高レベルであり、今後住宅価格が更に下落すれば家計のみならず銀行経営にも影を落とす可能性が指摘される。 更に米中貿易摩擦の影響などから商品相場が下落し、昨年順調に改善した“豪州の交易条件”が再び悪化してるのも気になるところ。 世界経済動向に大きな影響を受ける“資源国豪州”経済への不安材料は多いが、成長率3%前後というのは米国を除いて先進国中最高レベルを維持しているのも事実。 世界経済を取り巻く不安材料の解決が待たれる。 係る状況下RBAは2016年9月以降28カ月連続で金融政策の据え置きを継続している。 RBAロウ総裁の「次のアクションは利上げ」のポジティブトークに反して、市場の利上げ観測は2020年後半にずれ込み、むしろ利下げ観測も聞かれる昨今である。 米豪金利差(債券利回り)逆転現象(米国>豪州)が定着して早1年。“高金利通貨豪ドル”の名誉回復は当分先の話となりそうだ。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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