「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
2/4(月)中国春節休場(~2/8)、米11月製造業受注、メルケル首相来日
5(火)RBA理事会、米1月ISM非製造業景気指数、トランプ大統領一般教書演説
6(水)米11月貿易収支、パウエル議長講演、ブラジル中銀理事会
7(木)英中銀理事会(英中銀四半期インフレ報告)、インド中銀理事会
8(金)RBA四半期金融政策報告書、日本12月国際収支、北朝鮮人民軍創建日
先週は英議会の離脱代替案議決、FOMC、米中通商会議、米雇用統計などのビッグイベントが重なったが、前週末と比較して日米はじめ主要国の株価は保合からやや堅調推移し、ドル相場も総じて保合であった。
英国議会では離脱期限延期は否決され、「合意なき離脱阻止」とEUと再交渉修正案は可決された。今後メイ首相はEUとの再交渉となるが、EUは離脱協定の再交渉には応じない姿勢を表明しており、依然として「合意なき離脱」懸念が残る。
FOMCでは“利上げの停止”とBS縮小政策の見直しが示され、発表後は株価反発・ドル下落であった。
米中通商協議では双方ともに協議の進展を強調したが、最終結果は2月後半に予定される米中首脳会談の場に委ねることになった。
トランプ大統領は3/1の期限前には合意に至るとの見方を示している。これとは別に2/25の米朝会談の予定が示されている。
米雇用統計は失業率が1bp悪化して4%となったがnfprは30.4万人増加と予想(+16.5万人)を大きく上回り、FOMCでの利上げ停止発表とのギャップを感じる内容となった。
大きなイベントが重なったがFOMCのかなりハト派的内容も市場想定内であり、Brexitや米中協議は依然”on the way”ということで、相場へのインパクトは抑制された。
今週は中国が春節で休場となる中、火曜日にはトランプ大統領の一般教書演説が行われる。週末には同大統領が正式にINF(中距離核戦力)全廃条約を破棄し、また壁建設で非常事態宣言の検討を改めて示唆している。
月末に予定される米朝会談、米中会談を含め内外問題で再びトランプ政策は注目されそうだ。
先週はFOMCでの利上げ中止や上記イベントを控えたリスク回避の思惑などでドル円は一時108円台半ばまで下落したが、米中通商会議への期待感や週末の非常に強い米雇用統計を受けて再び109円台半ばに反発している。
米経済減速懸念はあるものの、何と言っても依然として先進国で最も強い経済であることは確か。
またBrexitや独含む欧州経済減速懸案からポンドやユーロが不安定な動きを示していることもドルをサポートした。 FRBも「金融引き締め終了宣言」を行った訳ではなく、今後の指標確認のために“一時停止”というスタンス。
先週のビッグイベントを通過して株価に大きな崩れはなく、加えて上記ドルサポート要因もあることから、ドル円は先週まで続いた108円台から110円台のレンジ相場を今週も継続しそうだ。
足元の豪ドル相場―売り買い交錯でレンジと取引か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7137-0.7273 AUDYEN 77.96-79.60
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7100-0.730 AUDYEN 77.50-80.50
先週の豪ドルはQ4CPIが予想ほど弱くはなかったことや、米中通商協議への期待感が継続したことから72セント台後半、79円台半ばまで反発した。 Q4CPIは依然としてRBAのインフレターゲット2-3%を下回ったが、今年は賃金上昇率の漸増やガソリン価格の下げ止まりから年央に向けて2-3%のレンジ内に上昇してくるとの見方が一般的だ。
したがってRBAが実際に”利下げ“に転換するには住宅価格の大幅続落や景気減速を確認することが必要となる。
ただ”利上げ観測“は大幅に後退し、むしろ根強い”利下げ観測“が台頭しており、今週のRBA理事会と、金曜日に予定される”RBA四半期金融政策報告書“におけるRBAの金融スタンスに関わる発表が注目される。
米中通商協議の進展から3/1の関税引上げ期限を前に両国が一定の合意に至るとの期待感は依然強く豪ドルをサポートするだろう。
ただ一時の下値圧力は後退し、市場ポジションも徐々に買いポジションに傾きつつあり、再び悪材料が発生すればポジション調整で反落する可能性には注意したいところ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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