「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
3/4(月)豪州1月住宅建設許可、中国2月財新サービス業PMI、米4月建設支出
5(火)RBA理事会、中国全人代開幕、米1月経常収支、米12月新築住宅販売、米2月ISM非製造業景気指数
6(水)豪州Q4GDP、カナダ中銀理事会、米12月貿易収支、米2月ADP雇用者数、FEDベージュブック、OECD経済見通し
7(木)豪州1月貿易収支、豪州1月小売売上高、中国2月外貨準備、ECB理事会
8(金)日本1月国際収支、日本Q4GDP、中国2月貿易収支、米2月雇用統計、米1月住宅着工件数
先週も多くの重要イベントがあったが、結果として主要国の株価は堅調を維持(ダウ26,000ドル台、日経平均21,600円台、上海総合指数は年初来高値の3,000台)した。
米債利回りは上昇し(10年債利回り2.7%台)ドルが全般的に上昇した。 ドル円は昨年12月以来の112円台に上昇し、ポンドは1.33台から1.31台に、ユーロも1.14台から1.13台に反落した。
米朝会談は核撤廃と制裁解除を巡る両国の思惑が一致せずに物別れに終わったが両国ともに協議継続とした。
米中貿易摩擦は3/2の関税引き上げが先送りされ、今月中に開催が予定される米中首脳会談に向けての合意に期待を持たせたが、知財法はじめとした構造改革面での両国の隔たりは依然大きい。
またBrexit関連では27日の離脱案を巡る英議会採決はEUとの折り合いがつかず3/12まで採決先送りとされた。
パウエル議長の半期に一度の議会証言では「経済見通しは良好」と述べる一方、「一部に相反する流れも、必要ならバランスシート政策調整の用意も」と述べて慎重姿勢を維持した。
このように米中協議とBrexitの二大リスクについては結果先送り状態。 対中問題の合意に至らない苛立ちからトランプ大統領とライトハイザーUSTR代表の不仲説も聞かれる中、同代表からは「中国の追加購入だけでは不十分」とし、トランプ大統領も「中国に農産物の関税全廃を要求する」と述べている。
またライトハイザー代表は今月にも始まる日米通商交渉において日本に自動車、農業、サービス面での非関税障壁撤廃を求めると発言しており、加えて対中同様に為替条項を合意事項に盛り込むという観測も高まっている。
米朝会議で結果を残せず、ロシア疑惑問題で新たに苦境に立たされているトランプ政権が再び貿易問題に矛先を向けている感じがする。
5日(火)からは中国全人代が開幕するが、開幕当日の“今年の成長目標発表”が注目される。 昨年の成長率は6.6%であったが、今回は目標を6.0-6.5%程度に設定するとみられる。
米中摩擦や過剰公共投資などから1992年の統計開始以来最低水準の伸び率となることが予想されるが、世界第二位の経済大国の伸び率低下は世界経済に影響を及ぼすことになる。
ロシアゲートでは大統領が米朝会談で不在の中、コーエン元顧問弁護士から「トランプ大統領がクリントン陣営に不利なメールの暴露を予め知っていた、また不倫疑惑関連で選挙法違反に該当する支出があった」などと不利な証言があった。 モラー特別検察官は今月中にも捜査を終了し最終報告を行う見通しであり、こちらも目が離せない。
また先週は米景気後退懸念が一旦後退したことから米債利回りが上昇したが、3/19-20のFOMCでは利上げが見送られるとの見方が依然強く、FOMCに向けてFRBの金融政策にも注目が集まる。
一方7日(木)のECB理事会では新たな貸し出し条件付き長期資金オペ(TLTRO)に関する議論がなされる見込みであるが、金融緩和継続として新たなユーロ売り圧力となるか?
このように依然として市場を取り巻く環境は混とんとしているが、先週は月末のフローの影響もあり112円台まで上昇したドル円であるが、更に続伸するには新たなドル支援材料が必要になってくる。
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7069-0.7199 AUDYEN 78.93-79.78
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7000-0.7200 AUDYEN 78.00-81.00
先週の豪ドルは調整反落したが、対円ではドル円の上昇を受けて堅調を維持した。
米国による対中関税引き上げが回避され、米中摩擦が改善に向かうとの期待から豪ドルは72セント近辺、79円台後半に上昇したが、米中摩擦に対する依然根強い警戒論もあり、欧州通貨の反落に歩調を合わせて対ドルでは軟化した。
今週は上記<主なイベント>にもあるように“豪州ウィーク”であり、RBA理事会はじめ種々の重要指標が発表される。
特にQ4GDPは予想が前期比+0.5%(前回+0.3%)、前年比+2.7%(予想が+2.8%)と減速した前期(Q3)並みであるが、やはり個人消費の低迷と住宅価格の下落の影響が懸念される。
ただ足元は国内要因よりは、引き続き海外の主要材料に影響される部分が大きいだろう。 しばらくは70-73セント、77-80円レンジの取引が続きそうだ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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