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今週の相場見通し(25 March 2019)

<主なイベント>

3/25(月)独3月ifo景況感指数、原田日銀審議委員発言、アップルイベント
26(火)米2月住宅着工件数、米1月ケースシラー住宅価格、日銀主な意見(3/14-15分)
27(水)米1月貿易収支、米Q4経常収支、ドラギ総裁講演
28(木)米Q4GDP(確報値)、米2月中古住宅販売、米中閣僚級貿易協議(~29日)
29(金)日本2月雇用統計、独3月失業率、米2月新築住宅販売

<マーケットの焦点>

先週は日本、中国の株価上昇したが、米国は下落。
週末に向けては欧州各国の製造業PMIの低下、米国の長短金利の逆転現象、更には米中協議やBrexitに対する不透明感などから世界的な景気減速懸念が強まり、リスク回避相場となった。
米FOMCでは予想通りに利上げはなく、“今年の利上げなし、そしてバランスシート調整(引き締め)の見直し、成長・インフレ見通し引き下げ”など予想を上回る「ハト派色」となり米債券利回り低下・株価下落・ドル安のトリプル安となった。
Brexit関連ではEUに対するメイ首相の離脱期限の6/30までの延長は拒否され、代わりに数日中に議会において協定合意の場合は5/22までの、合意ない場合は4/22までの延長という厳しい判断が示され、メイ首相への辞任圧力が高まっている。
今週の注目はやはりBrexit関連でメイ首相がいかに英議会の離脱協定案合意を取り付けるかであるが、同首相への辞任圧力の高まりとともに、波乱含みの展開となりそうだ。
またライトハイザーUSTR代表やムニューシン財務長官が再び訪中して3/28-29と閣僚級通商協議行われるが、知財法や技術移転問題を巡って簡単には合意しない公算が強い。
週末にロシア疑惑を捜査していたモラー特別検察官の捜査報告書の概要が明らかにされたが、トランプ陣営とロシアとの共謀に疑惑については「トランプ陣営関係者の共謀は見つからなかった」と結論付け、トランプ大統領は「完全な潔白だ」との声明を出した。
ただこの結果をもっても、ドル買いにはつながらず、本日ダウもオフショアで100ポイント以上値を下げている。
市場は依然懐疑的あるいは、ロシア疑惑で白のお墨付きを得て同大統領は再び米中関係はじめ強固手段に出るのではないか?との懸念がむしろ強まっているのかもしれない。
先週はドルがFOMC後下落し、週末にかけては再びリスク回避で欧州通貨反落、ドル円110円割れとなったが、今週もBrexit関連や米中通商協議を巡るリスク回避動向、更には本邦期末にかけてのリパトリ(外貨資産円転の動き)などを交えてて各通貨共に不安定な動きが予想される。
リスク回避の動きが活発化する場合には、リパトリとの相乗効果でドル円が続落する可能性には留意したい。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―引き続きベアセンチメント払しょくできない

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7056—0.7168 AUDYEN 77.77-79.41

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6950-0.7150 AUDYEN 76.50-79.50

 

先週の豪ドルはFOMC後のドル下落を受けて一旦高値を付けたものの、2月の豪州失業率改善(4.9%)の効果は長続きせず、世界経済減速懸念が強まる中欧州通貨の下落にフォローする形で70セント台半ば、77円台後半まで値を落とした。
一時楽観論が先行していた米中通報協議についても、解決の長期化見通し共に徐々に楽観的な見方がフェードアウトしており、今週の両国の閣僚級会議の成り行きが注目される。
3月は安値圏でオープンして米FOMCにおけるハト派的内容から月中高値を示現した豪ドルだが72セント、80円という強いレジスタンスをブレークできず、再び月初の安値(70セント台、77円台)に顔を突き合わせている。
3月期末を控えた本邦機関投資家のリパトリ(外貨資産の円転)はかつてほどではないにしても依然として豪ドル押し下げ効果を有することから、底値圏からの脱出はかなり困難なものとなろう。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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