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侍FXディーラー・ジョー(13 May 2019)

<主なイベント>

5/13(月)日本3月景気動向指数、クラリダFRB副議長講演
14(火)日本3月国際収支、英3月失業率、独5月ZEW景況感指数、米4月輸入物価
15(水)中国4月小売売上高・鉱工業生産、独Q1GDP(速報値)、米4月小売売上高・鉱工業生産、米3月証券投資
16(木)豪州4月雇用統計、米4月住宅着工件数、ユーロ圏財務相会合
17(金)米4月景気先行指数、EU財務相理事会
18(土)豪州総選挙

<マーケットの焦点>
先週は5/10の米国による中国製輸入製品2,000億ドル相当への輸入関税引き上げ(10%→25%)期日を控えて市場のリスク回避ムードが高まり、主要国の株価は反落し商品相場も下落した。
ドル円も一時109円台半ばに下落するなどドル相場は総じて軟調推移した。
米中通商協議以外にもイランが米国の制裁強化への対抗措置として60日後を目途に核開発の一部再開を表明。
また北朝鮮の2度目の短距離ミサイル実験などで地政学的懸念が高まった。
また欧州議会選挙を控えた英国の世論調査では早期離脱を掲げた新党Brexit党が支持率34%で一位、二位が労働党の21%(前回28%)、三位がEU離脱反対の自由民主党と12%(7%)で、メイ首相の保守党は支持率11%の四位に転落した。
注目の米中通商交渉は2日間の協議中も大きな進展なく、結局NY時間5/10午前零時1分に関税引き上げが発動された。
ただ両国ともに今後も協議を継続する旨確認しており、両国喧嘩別れの最悪事態は避けられた模様。結局米国は関税引き上げを武器に中国に譲歩を迫る戦略で、トランプ大統領は「中国は来年の大統領選挙で弱腰の民主党が政権を取ることを期待して引き延ばし戦術を取っている」などと発言して、選挙運動も絡めて民主党を非難。
一方最近景気がやや回復基調にある中国は国内の反感もあり米国に一方的な譲歩をしたくないところ。米国の要求に応えるべく約束した国内法整備の約束を5月初に覆しトランプ大統領の怒りを買った。
ただ米国の関税引き上げに対しては報復措置を取ると明言しており、結局通商交渉は長期戦の様相だ。その間実際に米国の関税引き上げが実施され、中国が報復する事態となれば、再び世界経済に対する悪影響への懸念が高まるだろう。
果たして関税引き上げは発動されたものの、実施前(数カ月かかるとの見方も)に歩み寄るのか?それともお互いに譲歩せず最悪の事態となるのか?今後とも米中摩擦から目が離せない。
米国は実際に関税引き上げを発動して中国に圧力をかけたが、中国も簡単には引き下がらない。両国の覇権争いは表向きな“けん制と譲歩”を繰り返しながら更に激化するだろう。
その他にもBrexit、北朝鮮問題、トランプ大統領のロシア疑惑や脱税報道など、リスク回避材料は簡単に払しょくできず、主要国の株価調整が進む可能性がある。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―依然として下値圧力強い

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6962-0.7048 AUDYEN 76.34-78.04

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6900-0.7100 AUDYEN 75.50-78.50

豪ドルは先週初、米国の対中関税引き上げ報道で「下窓」を開けて69セント台後半、77円近辺でオープン後、利下げと据え置きで意見が分かれたRBA理事会で結局金融政策据え置きとなったことから一時的に反発したが、結局上昇力に欠け軟調推移した。
金曜日に発表されたRBAの“四半期金融政策報告書”で「成長が減速しインフレが低迷する中、失業率の改善がなされない場合には利下げが妥当」との見方が示されことも豪ドルを下押しした。
米国の関税引き上げ発表後も“決別”とならず、協議継続が確認されたことから、豪ドルは大きく下落するには至っていない。
しかし米中問題のみならず国内金融政策面でも金利先安観が依然として強く、4月中旬以来の豪ドル下落トレンドが足元継続する可能性があるだろう。
今週は4月雇用統計(予想:就業者+1.5万人(前回+2.57万人)、失業率5.0%(前回5.0%))が発表になるが、景気の遅行性がある雇用データが堅調を維持できるか、注目される。
また今週末には豪州総選挙が実施されるが直近の世論調査では依然として労働党の支持率が51%で自由連合(保守党)の49%を上回っている。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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