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今週の相場見通し(1 July 2019)

1 July 2019

<主なイベント>

7/1(月)日銀短観、中国6月財新製造業PMI、米6月ISM製造業景気指数、OPEC総会
2(火)RBA理事会、欧州議会会議
3(水)豪州5月住宅建設許可、豪州5月貿易収支
4(木)参議院選公示、豪州5月小売売上高、米独立記念日
5(金)米6月雇用統計

<マーケットの焦点>
注目のG20、米中首脳会談が終わった。
予想通りにG20では米中摩擦に対し各国が懸念を表明したが、「総論賛成、各論先送り」のもと「大阪宣言」採択した。
また米中首脳会談で種々の思惑が交差する中、結果的には米国が中国の顔を立てた形となった。
・貿易協議を再開する。
・追加関税見送り。
・ファーウエイへの制裁緩和など。
トランプ大統領としても内外からの米中摩擦緩和要請が高まってる中、選挙に向けた“実績”がほしいし、今後中国に対する“譲歩の見返り”を要求する可能性は高い。
「中国からの大量の農産物購入を勝ち取った」とツイートしているが、その根拠は怪しい。
また「米中摩擦で米国は大勝利を収めつつある」ともツィートしているが“国益と覇権”を巡る争いは今後も続くだろう。トランプ大統領はあまり喜び過ぎない方がいいのではないか?
クドローNEC委員長は「ファーウエイへの禁輸措置緩和は恩赦ではない」と発言しているし、制裁見直しには共和党内部でも厳しい声が上がっているという。
週末は、更にトランプ劇場の続編として“ツィート1本をもとに金委員長のアポ取って”米朝会談までやってのけたのだ。
この“突撃インタビュー”さながらの、ツィート→会談のトランプ大統領の腰の軽さは、さすがに10年ほどテレビ番組のMCを務めていただけに民間人の乗り、であり一国の大統領とも思えない。これを拍手をもって評価する人間も世の中多いのであろうが、どこかでホコロビが出るように感じる。
一対一で見られる親近感を覚える姿勢と、根本に流れる保護主義・排他主義のミスマッチ。今後も市場は踊らされるのだろう。
このトランプ「ドタバタ劇場」の効果あって本日シドニー市場ではドル円、円クロス、そして株価が「上窓」を開けて上昇した。
ドル円:NYクローズ107.93、シドニーオープン108.20、高値108.50
NYダウ:NYクローズ26,599、シドニー26,803、高値 26,867
ただ、その後やや惟悩んでいるのは、やはり誰もがトランプ大統領の一人芝居に“うさん臭さ”を感じているのではないだろうか。
今回のG20トランンプ劇場で助演男優賞は間違いなく安倍首相、その他習主席、プーチン大統領、メルケル首相など名だたる主役級も、いささか主役トランプ大統領の毒気に当てられて精彩を欠いていた。
さてトランプ劇場外交編の幕はひとまず下りたが、今週は国内経済金融編が続く。米独立記念日祝日を挟んで金曜日には早くも6月雇用統計が発表されるが、同時に月末のFOMCにおける金融緩和の有無が焦点である。
一時は50bp利下げ観測が独り歩きしたが、先週はさすがにパウエル議長はじめとして行き過ぎた金利先安観にけん制が入った。
トランプ大統領はG20の席上でも「FRBは全く支えになっていないにもかかわらず米国は米中摩擦に勝利しつつある」などと、中国の反感を恐れない、しかもそこにFRBを登場させるという、相変わらずの支離滅裂ぶりだが、FRBへの怨念だけは変わらないようだ。
市場は25bの利下げをほぼ織り込んでいるが、もし利下げがなければ株価は大きく反落するだろう。いずれにしてもFOMCの前哨戦として6月の雇用統計が注目される。
取り敢えず「上窓」を開けてリスク選好相場となっているが、早ければ今週のどこかで“失望売り”に転じる可能性があるのではないか?

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―70セント越、75.50越では売り動意が増す展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6-24-0.7021 AUDYEN 74.28-75.73

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6850-0.7050 AUDYEN 74.00-77.00

 

先週の豪ドルは週末の米中首脳会談への期待感もあり70セント台前半、75円台後半に上昇した。週末のG20は大阪宣言を採択し、米中首脳会談は上記のように一連の進展があったことを好感して本日はリスク選好相場となっている。
ただドル堅調地合の中、豪ドルドルはむしろ70セント割れとなり、一方豪ドル円は円クロスが全面的に上昇していることから一時76円台前半に続伸した。
ロシアとサウジアラビアが原油の減産継続で合意したとの報も原油価格を60ドル近辺に押し上げ、米中首脳会談を受けた商品相場全般の堅調も豪ドルをサポートしている。
今週はRBA理事会はじめ豪州小売売上や貿易収支など主要指標の発表が相次ぐが、2カ月連続の利下げの可能性は低いものの、RBA理事会における声明でどの程度追加緩和の可能性が示されるか注目される。
先週来米金利先安観が豪ドルをサポートする展開となっているが、今週のRBA理事会を経て、両国間の金利格差の方向性が見い出せるか注視したい。
米中首脳会談を好感した豪ドル堅調がはたしてどこまで続くか、、、

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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