at_money_service
マネー

今週の相場見通し(8 July 2019)

8 July 2019

<主なイベント>

7/8(月)6月NAB企業信頼感・景況感、日銀地域経済報告、ユーロ圏財務相会合
9(火)米5月求人件数、EU財務相理事会、FRBクォールズ副議長・アトランタ連銀総裁・セントルイス連銀総裁講演
10(水)7月WESTPAC消費者信頼感、中国6月CPI・PPI、FOMC議事録、パウエル議長下院金融委員会議会証言
11(木)米6月CPI、ECB議事録、パウエル議長上院銀行委員会議会証言
12(金)中国6月貿易収支、米6月PPI

<マーケットの焦点>
G20、米中首脳会談が経過した先週は、米国の独立記念日休場を挟んでリスク選好の流れが活発化し、NYダウは一時27,000ドル台を付けて史上高値を更新。
発表された米6月雇用統計では失業率が前月の3.6%から3.7%に悪化し、平均時給も予想の3.2%に対して3.1%であったが、NFPRが予想の16.3万人を大きく上回る22.4万人となったことから7月末のFOMCでの50pts利下げ観測が後退し、NYダウは高値を削った(前日比-43ドル)。また10年債利回りも再び2.00%を上回った。
ドル円は108円台半ばに反発し、ユーロ1.12台前半、ポンド1.25台前半などドル全面高地合となった。
今週の焦点は半年に一度のFRBパウエル議長の上下両院における議会証言だろう。
米雇用統計が予想を上回り大幅利下げ(50bp)観測は後退したが、依然として7月利下げ観測は消えていない。
ただパウエル議長は行き過ぎた金利先安観をけん制する発言もしており、トランプ大統領からの利下げ圧力が強い中、今週の議会証言の内容が注目される。
従来より株価はリスク許容度のバロメーターとされ、株高=ドル円上昇(その逆も)とされてきたが、このところは利下げ=ドル円下落・株高の相関関係も見られる。
米中摩擦やBrexit懸念で一時下値テストしたドル円も107円割れで一旦底入れし再び108円台に反発している。
しかし利下げ観測が依然高いことはすなわち米経済減速懸念が強いわけで、単月の就業者数が上振れしたからといって米経済が回復に方向転換したとは到底言い難い。
またBrexit関連では英保守党党首選で優勢なジョンソン元外相は「10/31までには合意なき離脱の準備が可能」と発言し、またイランがウラン濃縮度を高めるなど、地政学的懸念も依然高い。
米中貿易摩擦も首脳会談では、両国の国内向けアピールの必要性から歩み寄りを見せたものの、各論では依然として知財法や技術移転問題を含めて両国の隔たりが大きい。
以上より現在の利下げ期待による株高に先導されたリスク選好ムードも根拠が乏しいと言わざるを得ず、行き過ぎた楽観論は戒められる(株価調整)可能性があるだろう。
ドル円も上昇トレンドに転換と判断するには時期尚早であろう。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―連続利下げ後の買戻しも一服で上値の重い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6955-0.7047 AUDYEN 75.13-76.07

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6900-0.7100 AUDYEN 74.50-77.50

 

先週の豪ドルはRBA理事会で2カ月連続の利下げが行われ、発表直後は69セント台半ば、75円台前半に下落したものの、その後は当面の利下げ打ち止め感も手伝って買戻し70セント台半ば、76円台前半に反発。しかし買戻し一巡後はやや頭の重い展開となった。
利下げ後の豪ドル反発の背景として、根強い米国利下げ観測や、発表された諸指標(5月建設許可件数、貿易収支、小売売上高)が総じて堅調な内容であったことも豪ドル買戻しを誘った。
今週は6月NABの企業信頼感・景況感や7月WESTPAC消費者信頼感が発表されるが、4月以降係るセンチメント系指数が低迷しており、小売りや住宅関連の実体指数に影響を及ぼす可能性があるため、今週の両指数は注視する必要があるだろう。
利下げ後の“Buy on Fact”も一巡し、豪ドルが更に自律反転から続伸する可能性は少ないだろう。

 

 

―お客様各位―

小職の為替メルマガ「侍FXディーラーが相場を切る」(創刊以来10年)を人気メルマガサイトであるFOOMII社」からお届けしています。ご興味のある方はメルマガサイトhttps://foomii.com/00130 でサンプルをご覧ください。宜しくお願いいたします。
TWITTER始めました!!
joetsudaFX @joetsudaFX
 です。どうぞフォローしてください!!
#fx

 

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら