「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
29 July 2019
<主なイベント>
7/29(月)日銀会合(第一日目)
30(火)日銀会合(第二日目)、米中通商協議(上海、~31日)、日本6月失業率、米6月中古住宅販売、米民主党第二回討論会(大統領選挙に向け)
31(水)豪州 Q2CPI、中国7月製造業PMI、米7月ADP雇用者数、FOMC
8/1(木)中国7月財新製造業PMI、英国中銀理事会、米7月自動車販売、米7月ISM製造業景況指数
2(金)米6月貿易収支、米7月雇用統計
<マーケットの焦点>
先週主要国の株価は総じて堅調(ナスダック総合指数や、S&P500は史上高値更新)でドルが全般的に強含んだ。ドル円は7月上旬以来の108円台後半に上昇し、ユーロは5月以来の1.1100近辺、ポンドは4月以来の1.23台後半まで下落。
先週もリスク材料は多かった。
ジョンソン新首相の誕生で合意なき離脱懸念、北朝鮮の新型ミサイル(?)打ち上げ実験再開、イラン情勢を巡る緊張、米中間の種々の摩擦(東・南シナ海領有問題、トランプ大統領の「中国は通貨安を誘導」発言など)、仏のデジタル課税に対するトランプ大統領の非難、モラー元特別検検察官が議会証言で「大統領の司法妨害無罪は確定していない」との発言などなど。
しかし市場はむしろ今週始まる米中通商交渉への期待や、FOMCでの利下げは25bpに止まるとの思惑、更には発表された米Q2GDPが+2.1%と予想値+1.8%を上回ったこともドルの買い戻しを誘った。
ユーロはECB理事会で一部予想された追加緩和がなかったが、今後の緩和余地を示唆する内容や不冴えな経済指標を受けて軟調推移し、ポンドは合意なき離脱懸念が強まって下落するなど、対欧州通貨主体のドル高となった。
今週は材料満載だ。
米FOMCや7月の米雇用統計が発表されるが、FOMCでの利下げ幅は25ptsで市場コンセンサスを得ているが、利下げは実にリーマンショック後2008年12月に1.00%から0.25%に下げて以来である。今回の利下げは予防措置であり単発的との見方もあるが、年内9月に再利下げとなる利下げサイクル入りの可能性があると考える。
また上記のように米中関係は通商のみならず軍事関連や思想に至る広範囲に拡大しつつある点は注視すべきだろう。
ジョンソン英首相は就任早々に「EUがバックストップ条項を削除しなければ新たな協議はない」と早くも強固姿勢を見せている。
また佳境に入っている米企業決算は好悪混在であるが、思ったほどには悪化していない。ただ米中摩擦の影響などが顕現化するのはこれからであると考える。
早晩“米株価オーバーバリュー”のはしご外しが始まるだろう。
7月に入って以来米国株価は史上高値を更新し“不思議なリスク選好地合”となっているが、むしろ市場の楽観ムードが先行し過ぎている感があり、いずれ“現実に引き戻される”事態となる予感がする。
<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―再び軟調推移
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6902-0.7057 AUDYEN 75.02-76.16
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6800-0.7000 AUDYEN 73.50-76.50
先週豪ドルは6月下旬以来の69セント近辺、75円近辺まで下落した。
欧州通貨主導のドル高地合にあって“米ドルの受け皿”豪ドルへの売り圧力が強まったが、米豪10年債利回り格差(米ドル金利>豪ドル金利)が85bpと過去最大レベルに開いていることも豪ドルの重石となった。
また先週木曜日にRBAのロウ総裁が“更なる利下げの可能性”を示唆したことも豪ドル売り材料視された。
ロウ総裁はインフレターゲット2-3%の変更には否定的見解を示すと同時に「今後の利下げの有無はさておき、金利はかなりの期間低位に留まる」との見解を示した。
7/31には注目のQ2CPIが発表されるが予想は前月比+0.5%(前回+0.3%)、前年比+1.5%(前回+1.3%)とやや上昇予想になっている。
今週の米中通商協議への期待もあるが、FOMCでの利下げが25bpにとどまる公算が強く、米豪金利差へはむしろ拡大方向であり、豪ドルの上値が重い展開が今週も継続しそうだ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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