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今週の相場見通し(5 August 2019)

5 August 2019

<主なイベント>

8/5(月)中国7月財新サービス業PMI、米7月ISM非製造業景況指数
6(火)RBA理事会、米6月求人件数
7(水)中国7月外貨準備、インド中銀理事会、タイ中銀理事会
8(木)中国7月貿易収支、フィリピン中銀理事会、ECB経済報告
9(金)かんぽ生命決算、日本Q2GDP(速報値)、中国7月CPI・PPI、英Q2GDP(速報月PPI

<マーケットの焦点>
先週も相場は大きく動いた。NYダウは前週末から700ドル落ち、ドル円は106円台に下落した。
イベント的にはFOMCで予想通りに25bpの利下げが行われたが、パウエル議長は「利下げサイクルの始まりではない」と発言し、このタカ派発言が株下落を誘った。
発表された中国7月製造業PMIは3カ月連続で50を割り米中摩擦の影響を示した。
米雇用統計は予想の範囲内(失業率3.7%、nfpr+16.4万人、平均時給+3.2%)でややドル買いに反応したが、その後トランプ大統領が対中制裁関税第四弾(残り3000憶ドルに9/1から10%課税)を発表して市場のリスク許容度は急激に悪化した。
ドル安、株下げ、債券利回り低下という典型的なリスク回避相場に引き戻されて越週した。
週末にもきな臭いニュースが横溢した。8/3にINF全廃条約が失効。
イランがホルムズ海峡で外国船籍タンカーを拿捕。米国では連続銃乱射事件が発生してヘイトクレイムの可能性が指摘され、改めて銃規制やトランプ政権の人種・移民政策への非難が沸き起こっている。日韓関係は日本が優遇国扱いを停止し更に悪化。
またナバロ国家通商会議委員長はパウエル議長を「議長が貿易を巡る緊張について述べるのは皮肉、議長の利上げと量的引き締めがGDPを少なくとも1ポイント押し下げた」などと批判した。
7月の米株価史上高値更新を疑問視し、またFRBの利下げは新たな金融緩和の始まりと理解していた筆者にとって先週後半の動きはある意味「やっと来たか、、」と感慨深い。
“いわれなき楽観主義”と筆者の目に映る主な理由は、何度も申し上げているが、トランプ政策への懐疑的見方(彼の性格や過去の経緯も含めて)と米資産バブルの可能性。
米中摩擦が再びこじれれば、米景気減速懸念が再発し、FRBへの再利下げ圧力となるだろう。うがった見方をすれば、トランプ大統領は頑ななパウエル議長を動かすために対中強固路線を再開??
また気になるのは日韓関係の悪化。もちろん安倍政権にもそれなりの論理はあるのだろう。
ただ“森かけ問題”でしおれていた安倍首相に活を入れたのは明らかにトランプ大統領の強気姿勢であり、その後安倍首相はトランプ大統領を“師と仰いで”いるように思う。
対韓国強固姿勢はトランプ大統領の対中強固姿勢の“ミニ版”と筆者には映るのだが。
ただもし安倍政権が“虎の威を借る狐”であるならば、メッキは早晩はがれるであろうし、トランプ大統領は大統領選のためであれば“安倍切り”など“お茶の子さいさい”であることは言うまでもない。
話はそれたが、先週木・金曜日で2円落ちた相場。
揺り戻しも予想されるが、相場は一気に下方モーメンタムを加速させる可能性もあると考える。
Brexitもいつ何時ブレークアップするかわからない。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―下値テスト

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6762-0.6916 AUDYEN 72.21-75.19

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6850 AUDYEN 70.50-73.50

先週豪ドルは大きく続落した。
67セント台、72円台と1月のフラッシュ・クラッシュ時に並び、対円では現在71円台後半と今年の安値を抜きつつある。
FOMCのタカ派的内容で欧州通貨安となり豪ドルもフォローしたが、金曜日のトランプ大統領の対中関税第四弾が直接の引き金となった。
この関税実施を受けて商品相場(CRB INDEX)は182台まで急落している。
発表されたQ2のCPIや6月小売売上高が予想をやや上回ったが米中関係悪化の思惑が豪ドル買い意欲を完全にぶち壊した格好だ。
今週も米中関係の成り行きが最大要因だが、上記のように種々のリスク回避要因がクローズアップされつつある。
尚今週のRBA理事会では利下げの可能性は低いが、米中関係悪化の再浮上で追加利下げの可能性もなしとは言えない。
豪ドルは年初来のクルーシャルレベルに差し掛かっており、ここを下抜ければリーマンショック時の60セント台、55円台まで大きなサポートラインが見られない状態だ。
新安値トライとショートカバーが交錯して乱高下が予想される。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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