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今週の相場見通し(12 August 2019)

12 August 2019

<主なイベント>

8/12 (月)東京休場
13(火)7月NAB企業信頼感・景況感、英7月失業率、独8月ZEW景況感指数、米7月CPI
14(水)8月WESTPAC消費者信頼感、中国7月小売売上高・鉱工業生産、英7月CPI、独Q2GDP(速報値)
15(木)豪州7月雇用統計、米7月小売売上高、米6月対米証券投資
16(金)米7月住宅着工件数、OPEC月報

<マーケットの焦点>
先週は米中対立激化をメインテーマに市場のリスク回避の動きが活発化し、前週末比で株価は下落し、円高が進んだ。月曜日にNYダウは一時900ドル超と今年最大の下げを記録し、ドル円は週末に向けて105円台前半と、年初のフラッシュ・クラッシュ時以来の下落となった。
前週の対中関税第四弾発表を受けて中国は米農産物の輸入の一時停止を発表した。
これに対して米国は報復としてファーウエイとの取引再開のライセンス決定を見合わせた。
また人民元が約11年ぶりの安値(7.0台)に下落し中国が人民元安を貿易戦略の武器する政策に出たとの思惑が広がり、これに対して米国は中国を約25年ぶりに“為替操作国”に認定するなど、両国の抗争はますますエスカレートしつつある。
米中摩擦の高まりから米経済悪化懸念が再燃し、加えてトランプ政権が9月のFOMCでの1%利下げを要求するなどして、米金利先安観が再度強まっている。
同時に同大統領はドル高けん制も行った。「FRBによる高金利がドル高を維持させ製造業の競争を阻害した。あるものは私がドル高を喜ばしいと考えていると思っているようだが、そうではない」など。した。
また先週はNZ準備銀行の予想を超えた50bpの利下げをはじめ、インド、タイ、フィリピン中銀が利下げを実施した。
北朝鮮は先週末までにこの2週間で5回のミサイル実験を実施し、米韓軍事演習に対する抗議と説明した。
今週は夏休みシーズンに入るが市場は引き続き米中対立と人民元相場動向、9/17-18のFOMCでの利下げ幅を巡る思惑、Brexitを巡るジョンソン政権の動きなどが市場の焦点となる。
ドル円は年初のフラッシュ・クラッシュ時の104円台に迫り、ユーロ円、ポンド円などの円クロスは既にフラッシュ・クラッシュ時の安値を抜き、特にポンド円は2016年のBrexit決定時の安値126円台半ばに到達している。
欧米議会は夏休みに入り審議が一時ストップすることを考えれば、米中対立やBrexit関連などのリスク要因が急転直下解決に向かうとは考え難い。
したがって「リスク回避・円買い」の構図は今週も変わらないと思われる。ただ先週は米中関係もいわば最悪事態を織り込んだ状況で、市場も大きく反応しただけに、今週は新たな下値トライとポジション調整の買い戻しが交錯する相場が予想されるため、夏枯れの閑散市場で値が飛ぶ動きには注意したい。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―安値圏での揉み合いか

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6676-0.6821 AUDYEN 70.74-72.69

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6850 AUDYEN 70.50-73.50

先週豪ドルは大きく下げた後、やや戻して揉み合いになった。
豪ドルは米中対立に加えて、水曜日NZ準備銀行が市場予想を上回る50bpの利下げを発表したことから、RBAの追加利下げの思惑強まり一時66セント台、70円台と年初のフラッシュ・クラッシュ時を割るレベルまで急落したが、その後はやや底入れ感が出つつある。
金曜に発表された“RBAの四半期金融政策報告書”では予想通りに今年の成長予想を2.5%に、インフレ率を1.75%に下方修正し、来年の失業率を5.25%に上昇修正した。
理由は国内要因の消費の抑制に並び、米中摩擦激化による世界経済への圧迫としており、「必要であれば再度政策を緩和する用意がある」としている。
豪ドルは先週内外共に悪材料出尽くし、このままリーマンショック時の安値60セント台、55円台に直行という可能性は少ない。
今週発表される7月雇用統計はじめとして経済指標に底堅さが認められれば、過度の金利先安観は是正される可能性がある。
また米国の大幅利下げ期待が高まれば”米ドルの受け皿“である豪ドルをサポートするだろう。
ただ米中関係はじめとして依然として不安材料多く、豪ドルの自律反転はまだ遠い先と言わざるを得ない。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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