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今週の相場見通し(19 August 2019)

19 August 2019

<主なイベント>

8/19(月)日本7月貿易収支
20(火)コンテ・イタリア首相演説、クォールズFRB副議長講演
21(水)米7月中古住宅販売、FOMC議事録、日米貿易交渉関係会議
22(木)独/ユーロ圏8月製造業PMI、ECB議事録、年次シンポジウム(ジャクソンホール~24日)
23(金)日本7月CPI、米7月新築住宅販売、パウエル議長ジャクソンホール講演
24(土)G7首脳会議~26日、フランス・ビアリッツ

<マーケットの焦点>
先週も株式相場は乱高下した。ドル円相場は105円台前半まで下値テストした後106円台に反発。
月曜日にトランプ政権が10%の対中追加関税を巡り一部品目の発動延期を発表したことから、株価は反発しドル円も105円台近辺から107円近辺に大幅にジャンプアップした。
しかしその後は香港問題を巡る米中の対立や、米国が台湾へF16戦闘機66機売却が明るみに出て、米中対立は通商から軍事や思想面にまで広がりを見せた。
火曜日には係るリスク材料を背景に米景気減速懸念が再燃し、安全資産である米国債に資金が流入。長短米債利回りが一時逆イールドになり、NYダウは800ドルと今年最大の下げを記録した。
ただ発表された米7月のCPIや小売売上高が予想を上回り株価は下げ分の半分を回復した形。
また先週は米中以外でも色々懸念材料が浮上していた。
Brexitでは9月初の議会再開前にジョンソン首相とEU側の前哨戦が既に始まっている。
北アイルランド(イギリスを構成する)とアイルランドの国境を巡るバックストップ案の成否が最大争点だ。
また欧州ではイタリアの政局不安や独第二四半期GDP-0.1%で独景気減速懸念が強まり、ユーロは2017年5月以来の1.10台に下落した。
南米のブラジルやアルゼンチンの景気後退懸念やデフォルト懸念が再びクローズアップされ出した。
北朝鮮は米韓軍事演習への抗議としてこの3週間で6回目のミサイル実験を行った。
また香港の「逃亡犯条例」改正案を巡るデモが激化し中国の部隊投入が迫っているとの見方もある。
今週もこれらの懸念材料の推移を見守ることになるが、米株価下落の可能性が高まればトランプ政権が株価押し上げのために対中歩み寄りに出るという、日和見主義的な従来のパターンが今週も続きそうだ。
また金融市場が不安定な中開催されるジャクソンホール・シンポジウムにおいて23日(金)にはパウエルFRB議長が講演するが、7月のFOMCでは「利下げは緩和サイクル入りを意味しない」と断言しただけに、9月のFOMCを控えて内外に対する講演内容が非常に注目される。
また週末にはフランス・ビアリッツにおいてG7サミットが開催されるが、世界貿易問題やホルムズ海峡の航行の安全について協議される見通しだ。
北半球の夏休みも終わって市場参加者も戻り、相場にも厚みが増してくる。
先週は夏枯れ相場の薄商いの中、為替・株式・債券市場ともに乱高下したが、今週辺りから秋口から年末にかけての新たな方向性が出てくる可能性があるだろう。
果たして山積するリスク材料を消化することができるか?

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―引き続き安値圏での揉み合いか

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6735-0.6818 AUDYEN 70.89-72.55

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6850 AUDYEN 70.50-73.50

先週豪ドルはトランプ政権の対中関税一部延期報道を受けて68セント台前半、72円台半ばに反発したが、その後は67セント台、72円を挟んでの揉み合いとなった。
ただ香港問題や台湾への戦闘機売却など新たな火種には事欠かない状況で、根本的な米中対立への不安感はぬぐえていない。
商品相場(CRB INDEX)も長引く米中摩擦懸念から180を上抜く元気が見られない。
7月のNAB企業景況感や8月のWESTPAC消費者信頼感、そして7月の雇用統計(就業者数+41.1千人、失業率5.2%で横ばい)が予想を上回り、過度の利下げ期待がやや後退したことや、米債利回り逆イールドを背景に米豪金利格差が一時の80bp超えから60bp台にやや縮小していることも豪ドルの底堅さをサポートした。
豪ドルは8月初の66セント台、70円台で一旦底入れした感はあるが、依然として米中関係はじめとした不安材料や国内金利先安観などが重石となり、上値抵抗線68セント台、72円台をなかなか上抜けない状況が暫く続きそうだ。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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