「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
2 September 2019
<主なイベント>
9/2(月)中国8月財新製造業PMI、トルコQ2GDP、米国休場(レイバーデー)
3(火)RBA理事会、豪州7月小売売上高、米8月ISM製造業景況指数
4(水)黒田総裁挨拶、豪州Q2GDP、米7月貿易収支、米8月自動車販売、FEDベージュブック
5(木)豪州7月貿易収支、麻生財務相講演、米8月ADP雇用者数、米7月製造業受注、米8月ISM非製造業景況指数
6(金)日本7月景気動向指数、ロシア中銀理事会、米8月雇用統計、パウエル議長経済見通しと金融政策について討論
7(土)中国8月外貨準備
8(日)中国8月貿易収支
<マーケットの焦点>
先週は結果的に株価は前週末比上昇し、ドル円も週初の104円台から106円台後半に反発するなど、リスク回避の動きがかなりリバースされた。
ただ米中、Brexitなど根本的な解決とは程遠い。
前週の米国の対中関税第四弾発表を受けて週初のシドニー市場ではドル円、円クロスがギャップオープンしてドル円は一時104円台半ばに急落し、NYダウや日経平均などもオフショアで大きく下落した。
しかしその後はトランプ政権が「中国から通商交渉再開の申し出があった」と発言し、中国当局は「承知していない」と応酬するなど情報が錯綜したが、双方が交渉再開を模索していることは事実のようで市場は急速に落ち着きを取り戻した。
またBrexitではジョンソン首相が9/12-10/14の英議会の休会をエリザベス女王と話し合って了承を得たことから、「合意なき離脱」を阻止する議会の動きを封じ込める意図があるとして緊張が高まった。
またイタリアのマッタレッラ大統領がコンテ前首相に新たな組閣を委任しことからイタリアの政局混乱収拾への期待も見られた。
今週も引き続き米中摩擦問題と米国指標(明日の8月ISM製造業景況指数、金曜日の8月雇用統計など)が注目されるが、9/17-18のFOMCを控えて利下げ幅への憶測が焦点となる。
トランプ大統領の二枚舌は今に始まったことではないが、つまり強権的態度と軟化姿勢の振幅が従来より市場を混乱させているが、最近その振幅の度合いが激しさを増しており、市場の混乱が続きそうだ。
9/1には米国の対中関税第四弾の大部分が発動した。3,200品目に対して15%の関税を課すものだが、昨年9月の2,000億ドルへの10%関税(今年5月に25%に引き上げ)と併せれば対米輸出のほぼ全てをカバー。なお今回見送られたパソコンなどへの関税は12/15に発動予定。
一方中国も同日1,700品目、1,100億ドルの対米輸入に15%関税の上乗せを発表したがこれは対米輸入全体のほぼ7割をカバー。特に今回は米国産農産品と自動車をターゲットにしており(トランプ大統領の支持率の関わる両産業)、既引き上げ分と合わせて今回の関税で肉類35%、大豆30%、自動車35%の高関税となった。
つまり既に関税を発動しながら9月の通商交渉再開を模索するわけだが、外交辞令さておきお互いの信頼関係は既に崩壊しているのではないか?
民主党各候補に支持率で後れを取るトランプは何とか製造業や国民の非難を和らげて支持率を上げたい。一方中国はトランプ政権の足元(支持率)を見ながらの対応だが、国内経済の減速は著しく、国民への求心力を保つためにも米国からの圧力を和らげる必要がある。
長引く通商摩擦は既に米経済へ影響しているが、今週発表されるISMや雇用統計にネガティブな結果が出れば、9/17-18のFOMCでの大幅利下げ下観測が高まり、長短金利逆転現象が顕著となってドルへの重石となるだろう。
一方英国では上記ジョンソン首相の国会休会決定を受けて、野党議員などが議会休会差し止めをスコットランド裁判所に求めたが、裁判所は差し止め請求を却下。9/3から議会が再開されるが労働党の不信任案提出も含めて混乱は必至である。
ただ10/31の離脱期限には合意の有無にかかわらずBrexit問題にケリがつく可能性が高く、Brexitそのものに対する市場の関心は徐々に薄れていくだろう。
英国やEU経済への影響が本格化するのは離脱後ではあるが、米中問題と比較してあくまでも地域問題化していくであろう。
トランプ大統領の二枚舌と習主席の化かし合いにも辟易するが、今週も材料多く相場のボラティリティーには事欠かないだろう。
<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―依然上値重い展開
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6684-0.6788 AUDYEN 69.91-72.07
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6850 AUDYEN 69.00-72.00
豪ドルは先週初高まった米中貿易戦争懸念で急落後急反発で、月曜一日で一週間分の値幅をカバーする乱高下を見せたが、その後は安値圏で揉み合いに終始した。
米中摩擦が急激に高まった後一服したが、根本的な懸念は払しょくされず、今週も米中通商問題の行方を見ながらの取引となりそうだ。
また今週はRBA理事会はじめ、Q2GDP、7月小売売上高、7月貿易収支など重要指標の発表が重なる。特にQ2GDPは予想値が前期比+0.5%(前回+0.4%)、前年比+1.4%(前回+1.8%)と特に前年比でリーマンショック後の最低の伸びとなる可能性がある。
予想通りとなれば再び利下げ観測が高まるだろう。
豪州経済への最大の懸念が低インフレや労働市場の悪化懸念などの国内要因から米中摩擦にシフトしつつある中、今週は国内景気動向にも注意したい。
RBAは今月は金利据え置きと見るが、最近ハト派色を強めている声明文の内容は重要視される。引き続き豪ドルは:“内憂外患”状態で本格的なTake Offの目途がなかなか立たない。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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