「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
9 September 2019
<主なイベント>
9/9(月)日本7月国際収支、日本Q2GDP、英7月鉱工業生産、英議会離脱延期法案成立の見通し、北朝鮮建国記念日
10(火)中国:10月CPI、PPI、英8月失業率、米7月求人件数:
11(水)内閣役員人事、中国一帯一路香港サミット、OPEC月報、米8月PPI
12(木)マレーシア中銀理事会、トルコ中銀理事会、ECB理事会、米8月財政収支、米8月CPI、OPECプラス会合
13(金)中国休場(中秋節)、ユーロ圏財務相会合、米8月小売売上高
<マーケットの焦点>
先週は前週に続いてリスク選好的な流れが継続。NYYダウは26,700台まで続伸し、ドル円も107円台前半に上昇した。
米中通商交渉が10月に再開されることを市場は好感、トランプ大統領も「自分が再選されれば中国にもっと厳しくなる」と中国をけん制する一方、「中国との交渉は非常にうまくいっている」とご満悦なのは自らへの評価基準と本人が認める株価が堅調であったためか?
発表された8月のISM製造業景指数や8月のNFPRは予想を下回ったが株価は堅調を維持した。特に金曜日の雇用統計後ドル円は一旦軟化したが、パウエル議長のタカ派的ともいえる景気に対する発言で下げ渋った。
パウエル議長は「米経済は非常に良好、FRBは景気後退を予測していない」と述べた。
一方再開した英国議会は合意なき離脱を阻止する法案を可決し、同時にジョンソン首相の総選挙前倒し提案を否決し、1/31までの離脱延期法案を可決した。
合意なき離脱をちらつかせるジョンソン首相の強固姿勢に対する与党内からの反発も強く、予想外にジョンソン首相は窮地に陥った感じだ。
このように米中、Brexitともに警戒感が後退したことが市場のセンチメントを改善させた。ただトランプ大統領の基本的戦略、つまり“対中強固姿勢で国民の支持率を押し上げる戦術”は来年の大統領選まで変わらないだろう。
また筆者が以前から指摘する、景気に対して遅効性がある雇用統計がいよいよ悪化し始めたのであれば、パウエル議長の楽観論も再びトランプ大統領の逆鱗に触れることになる。
今週は米国の8月CPIや小売売上高国が発表されるが、先週のパウエル議長の発言「個人消費は力強い」が当たっているのか??中国からの輸入品の値段が上がり、車はじめ製造業が心もとない中で、どうして個人消費が強くなれるのか?
また英議会は9/12-10/14休会となる模様だが、ジョンソン首相は依然として総選挙の早期実施と離脱延期の合法的阻止を企てていると言われ、どのような秘策を出してくるか注目だ。またたとえ1/31まで離脱を延期しても国内政治が安定する可能性は低く、市場は数えきれない程の“うんざり”で、Brexitは急速に市場の関心を失いそうである。いずれにせよ、Brexitは徐々に過去の遺物になりつつある。
ドル円は再び新たな売り材料が出現しないとなかなか下げづらくなってきた。ただ過去の例を見てもドル円ブルセンチメントが高まり出すと、必ず“梯子外し”が起こることを忘れずに!
<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―堅調だが反落に要注意
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6687-0.6861 AUDYEN 71.09-73.28
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.6900 AUDYEN 71.50-74.50
先週豪ドルは前週末に発表された中国8月製造業ISMや7月豪州小売売上の弱い数字を嫌気して66セント台後半、71円台前半の安値圏を付けたが、火曜日のRBA理事会で期近の利下げ観測後退して反発に転じた。RBAは「必要であれば更なる金融緩和」と言いつつも「成長は徐々にトレンド成長に強含む」とも述べている。
木曜日には米中通商交渉が10月に開催されるとの報道があり、豪ドルは7月下旬以来の68セント台後半、73円台前半に続伸した。
また英国の合意なき離脱懸念が後退し、米中関係改善期待も加わって主要国の株価が反発したことも、“リスク通貨豪ドル”の買戻しを誘った。
ただ7月中旬から始まった豪ドル下落トレンドを完全にリバースしたと言うのは時期尚早であり、米中交渉、Brexitともに今週も慎重に成り行きを見る必要があるだろう。
基本的には昨年年初より続く米豪10年債利回りの逆転現象が戻らない限り豪ドルの本格的な上昇はないと考えている。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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