「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
23 September 2019
<主なイベント>
9/23(月)日本休場(秋分の日)、独・ユーロ圏8月製造業PMI、ドラギ総裁議会証言、米韓首脳会談
24(火)黒田総裁挨拶、独9月ifo景況感市指数、米7月S&Pケースシラー住宅価格、国連総会一般討論演説
25(水)日銀議事録、NZ準備銀行政策会議、タイ中銀理事会、独10月GFK消費者信頼感、日米首脳会談
26(木)麻生財務相/黒田総裁挨拶、ECB経済報告、米8月中古住宅、ドラギ総裁講演、米Q2GDP(確報値)、カーニーBOE総裁講演
27(金)米8月耐久財受注、米8月個人所得支出
28(日)英保守党大会
<マーケットの焦点>
先週主要国の株価はやや軟調。為替は大きな変動はなかったが、ドル円は週末に向けて107円台半ばに反落した。前週末にサウジアラムコの石油施設への大規模攻撃事件があり、原油は一時63ドル台まで急騰したが週末には58ドル台に反落。
また注目のFOMCでは予想通りに25bpの利下げが行われた。今年と残りと来年のドットチャートの中央値は1.875%と元レベルと変わらないが、メンバーの見方は利上げ、利下げに分かれて、先行きは今後の指標次第といったところ。
パウエル議長は「米経済は良好、見通しも良好」と述べていた。これに対してトランプ大統領は「パウエル議長はまた失敗した。根性もセンスも展望もない」と批判した。
週末に向けてトランプ大統領は米中協議について「中国とは部分的ではなく完全な合意を望んでいる」と発言し、これに対して中国側の代表団が米農業施設の視察を急きょ取りやめたことから早期合意期待が後退してリスク回避色が強まり、ドルは107円台半ばまで下落した。
また米政府はサウジに米部隊の増派を表明した。米側はイランの関与を主張しており、今週の国連総会主席のため米国を訪問するイラン・ロウハニ大統領とトランプ大統領の首脳会談の実現は難しい状況だ。
今週の注目は米・イラン首脳会談の有無、米中次官級通商協議の行方、英国議会休会に対する最高裁の合憲性の判断の有無などだ。
米国とイランの対立についてはトランプ大統領も自身のリーダーシップ発揮の新しいターゲットと捉えているようで、米クリスマス商戦を控えて米中通商問題の更なる悪化は回避する可能性がある。また習主席としても10月上旬の最大イベント“国慶節”目前で国民の求心力を高めるためにも通商問題は穏便に通過させたいのではないか?
先週末一旦悲観論が浮上した米中摩擦は、改善方向に進むと考えている。
また英議会は現在休会中であるが、休会の違憲性の判決が出れば、一層ジョンソン首相に不利となろう。ただその場合追い込まれたジョンソン首相が“合意なき離脱”に走る可能性も残される。Brexit問題もいよいよ最終章であるが依然予断を許さない。
次回(10/29-30)のFOMCでの追加利下げの可能性は現在41.7%、据え置き予想が58.3%。更に12/10-11のFOMCでは25pb利下げ予想が47.1%、据え置き予想が39.4%、50bp利下げ予想が13.5%となっており、依然追加利下げ観測がくすぶっていることを窺わせる。
米中合意期待で一旦高まったリスク選好の動きも、中東の地政学的懸念もありやや後退したが、再びリスク回避の嵐となる可能性よりは、Brexit問題もどのような形にせよ落着し、年末にかけて徐々にリスク選好地合になると考えている。
<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―やや軟調地合
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6758-0.6883 AUDYEN 72.71-74.29
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6850 AUDYEN 71.50-74.50
豪ドルは68セント台後半、74円台前半の高値から67セント台半ば、73円割れまで下落した。
米中合意への期待とRBAの利下げ観測後退で7月以来の下げトレンドの“半値戻し”をしたが、買い戻し一巡後は続伸する力に欠けた。
前週末のサウジの石油施設への攻撃や発表された中国の8月指標(鉱工業生産、小売売上高)が軟調であったことが嫌気され、また発表された8月雇用統計で失業率が4月以来維持してきた5.2%から1ポイント悪化したことと、full-time-jobが-15.5千人となったことが雇用悪化の兆しと受け取られた。
またOECDが今年の世界経済見通しを3.2%から2.9%に、また豪州の成長見通しを2.3%から1.7%に引き下げたことも豪ドル不安材料視された。
更にNABが利下げ観測を従来の今年11月と来年2月から、今年10月と12月に前倒ししたことも嫌気された。
一旦上値を確認した形であり、再び今回の高値を上抜くには米中協議の大きな進展が必要であろう。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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