「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
7 October 2019
<主なイベント>
10/7(月)豪州夏時間(10/6より)、日本8月景気動向指数、中国9月外貨準備、本日まで中国休場、ノーベル生理学賞発表
8(火)中国9月財審サービス業PMI、米9月PPI、カーニーBOE総裁講演、パウエル議長講演、ノーベル物理学賞発表
9(水)米8月求人件数、FOMC議事録、IMF世界経済見通し分析部分公表、パウエル議長イベント出席、ユーロ圏財務相会合、ノーベル化学賞発表
10(木)米9月CPI、米中閣僚級貿易協議(~11日)、EU財務相理事会、OPEC月報、北朝鮮労働党創建記念日、ノーベル文学賞発表
11(金)英国・EU首脳会議議題設定期限、ノーベル平和賞発表
<マーケットの焦点>
先週はリスク回避の流れが主流であった。火曜日に発表された米ISM製造業景気指数が47.8と10年ぶりの低水準となり米経済に対する懸念が再燃。また英ジョンソン首相は合意を得られなくとも10/31の離脱を強調。北朝鮮は水曜日に新型弾道ミサイルを打ち上げた。
トランプ大統領は火曜日に「ドルは強過ぎる、政策金利は高過ぎる」と従来からの主張を繰り返した。
NYダウは水曜日に一時26,000ドルを割る水準まで下落し、ドル円も106円台に値を落とした。
ただ金曜日に発表された9月の米雇用統計はNFPRが+13.6万人と予想をやや下回ったものの、一部に予想された大幅減少は免れた。平均時給の伸びはなかったものの、失業率は50年ぶりともいわれる3.5%台まで改善し、米景気に対する不安はやや軽減された。株価は370ポイントと大幅アップして越週している。
今週は月末(10/29-30)のFOMCにおける利下げを巡る思惑と10日に始まる米中閣僚級貿易協議、更には大詰めを迎えるBrexitなどが焦点となろう。
先週はFOMCでの利下げ予想が一時90%を超えたが、失業率の3.5%への改善を見て現在81%に低下している。今週木曜日には米9月のCPIが発表されるがコアCPI予想は2.4%と堅調予想だ。10日から始まる米中貿易協議の結果がFRBの金融政策にも大きな影響を与えるだろう。
その米中閣僚級協議には米国からライトハイザーUSTR代表、ムニューシン財務長官、中国側からは劉鶴副首相が出席する。
関税関係では米国が2500億ドルに対する30%関税の発動を10/1から10/15に延期して中国に揺さぶりをかけている。また第四弾3000億ドルへの関税は9/1に一部実施され残りは12/15発動となっているが、これら関税の延期または変更となるか?
中国はこの間米国産の大豆や豚肉の輸入量を大幅に増加させている。
ただトランプ政権は知財権侵害や産業補助金問題などの構造問題の解決も意図しており、中国側は依然構造問題改善には消極的と言われる。
個人的には米中双方の貿易問題解決の必要性は高く、ある程度合意に進展があると予想している。米中関係の改善は今後の両国経済回復にもつながり、当然FRBの金融政策への影響も大きい。一方交渉が不調に終われば年末に向けて更にリスク回避の動きが活発化することになる。
週末にジョンソン首相は「合意がなくとも10/31日には期限通りに離脱を断固する」と改めて強調している。11日の英国とEUの首脳会議議題設定期限を控えて、英議会での動きも更に激しくなるだろう。合意のあるなしにかかわらず、10/31離脱が決定されれば、ポンド相場も一旦“あく抜け”するもものと考える。
先週は米国ISMの結果が引き金となってリスク回避の動きが活発化した。材料的にも依然リスク材料が多いが、米中協議が前進すれば、“市場センチメントのターニングポイント”になる可能性に期待したい。
<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―やや下げ止まりの動きが見られる
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6668-0.6773 AUDYEN 71.73-73.34
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6850 AUDYEN 71.50-74.50
先週豪ドルは、RBAの利下げ後66セント台半ば、71円台後半まで下落したが、ドル軟調地合の中、67セント台半ば、72円台前半に反発している。
RBAの利下げは予想された部分もあるが、筆者としてはロウ総裁の言動に不一致が見られ、主要国の超低金利政策に流されているように感じる。
同総裁は前週に「豪州経済は緩やかにターニングポイントに到達した」と発言している。2016年に当時の史上最低政策金利1.5%に引き下げた後、3年間据え置いて、突如今年3回の利下げで3年前の史上最低金利の半分の0.75%に???
筆者としては前任のスティーブンス総裁がリーマンショック後間もない2009年から、周囲の批判をよそに4.75%まで7回利上げし、その後突如利下げに転じたドタバタ劇を思い起こさずにはいられない。
住宅バブルは再燃しないと考えているのだろうが、豪州には一次産品生産に頼る新興国の要素もあり潜在的なインフレ上昇圧力がある。
米中関係が改善すれば世界経済状況も大きく変わるだろう。
いずれにしても足元はまだ市場の金利先安観が強い状態で、豪ドルの反発も調整の範囲内と言わざるを得ない。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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