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今週の相場見通し(4 November 2019)

4November 2019

<主なイベント>

11/4(月)東京休場(文化の日)、豪州9月小売売上高、ラガルドECB総裁講演、米9月製造業新規受注
5(火)RBA理事会、中国10月財新サービス業PMI、習主席上海講演、米9月求人件数、米9月貿易収支、米10月ISM非製造業景気指数
6(水)日銀議事録、独9月製造業受注、ユーロ圏9月小売売上高
7(木)豪州9月貿易収支、中国10月外貨準備、BOE理事会、ECB経済報告、欧州委員会経済見通し、ユーロ圏財務相会合
8(金)RBA四半期金融政策報告書、中国10月貿易収支、EU財務相理事会
9(日)中国10月CPI/PPI

<マーケットの焦点>

先週は予想通りFOMCで今年3回目の利下げが実施され、徐々にドル売りが強まった。
また中国が米国との貿易合意達成を疑問視しているとの報道から、一時リスク回避ムードがぶり返した。
NYダウは一時27,000ドルを割り、ドル円も107円台に下落した。
チリ政府は国内治安の悪化から11月のAPEC首脳会議のキャンセルを発表した。
FOMCではFF金利の誘導目標を1.50-1.75%に25bp利下げしたが、従来の文言「適切に行動(=利下げ)」が削除されたことから「利下げ休止」の思惑もあったが、結局は12月の利下げの有無は今後の指標次第という“オープンスタンス”と見方が優勢で、「12月の利下げも排除せず」との思惑が発表後のドル売りにつながった。
しかし金曜日には米中ともに予定通り貿易協定の署名に前向きな姿勢を改めて強調し、加えて発表された米国10月nfprや平均時給が予想を上回ったことからNYダウは27,300台に300ポイント反発し、NASDAQやSP500は史上高値を更新した。またドル円も108円台を回復するなど、リスク選好地合となって越週した。
Brexit関連ではEUが1/31までの離脱延期を承認し、また12/12の総選挙実施を英議会は可決した。
因みに先週任期満了でECB総裁はドラギ総裁からラガルド総裁に、また欧州委員会委員長職はユンケル委員長からフォンデアライエン委員長となり、新総裁、新委員長が誕生している(両氏ともに女性である)。
今週もマーケットの焦点は米中通商協議の署名がどのような形で行われるかであり、最後まで両国の駆け引きが続くだろう。
ただ先週ペロシ米下院議長(民主党)はトランプ大統領弾劾の意向を表明しており、トランプ大統領としても米中協議を早くまとめて、国民の支持をもとに弾劾問題の非妥当性を訴えたいところだろう。
またBrexit問題では12/12の総選挙の結果が焦点となるが、与党が勝利すればEU離脱案で合意離脱、与党勝利だが過半数割れとなれば、再び現状の混乱に逆戻り、そして与党が敗北すれば再度の国民投票実施の可能性が強まり、振出しに戻ってBrexitの有無を国民に問うことになるだろう。
米中問題、Brexitともに昨年末と比較してゴールに近づいているようではあるが、まだ予断を許さない状況だ。
筆者としては依然として年末に向けて両問題解決に前進してリスク選好地合となると考えている。
というか、米中問題は両国の覇権問題であり今後も争点は尽きないだろうが、Brexitに関しては英国も“寝ぼけたこと言ってないでいい加減にしろ”というのが本音。結局は「せこく相手の反則に乗じてペナルティーゴールを重ねたが、1トライも奪えず決勝で敗退して、相手の反則(スローフォワード)を主張して銀メダルをはずした英国ラグビーの姿勢に共通するものを感じる。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―下値が押し目買いでサポートされる展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6810-0.6929 AUDYEN 74.06-75.29

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6800-0.7000 AUDYEN 73.00-76.00

豪ドルは発表されたQ3CPIがヘッドライン+1.4%、RBAのアンダーライイング・インフレーションが+1.6%と依然低調であったが、欧州通貨堅調地合にフォローする形で9月、10月の高値をテストする展開となった。
RBAのロウ総裁が講演でマイナス金利に否定的な発言をしたこともサポート要因となった。
発表された中国10月製造業PMIが49.3と予想を下回り、また米中通商懸念が再燃したことで週中反落したが、結局米中合意期待を覆すものではなく堅調さを取り戻して越週した。
本日発表された9月の小売売上高は+0.2%と予想の+0.4%をやや下回ったが、先月も+0.4%と堅調であったこともあり、豪ドル相場への影響は軽微であった。
今週は明日のRBA理事会と金曜日のRBA四半期金融政策報告書が注目される。
10月まで今年3回利下げを行った後であり、今回は政策据え置きとなろうが、RBA理事会声明及び四半期金融政策報告書において経済見通しを更に下方修正するのか、あるいはやや楽観的な見方に転じるのか注目される。
豪ドルは現在9月、10月の高値に並んでいるが、米中協議が進展する場合には、年末の資源輸出予約需要もあり上値を伸ばす可能性が出てくるだろう。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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